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第8号 「RANRAと琉架。」
RANRAの過去。
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「はい、では、次の方どうぞ。」
「はい!!失礼します!!152番...久留宮 嵐(くるみや あらし)です!!11歳です!!よろしくお願いします!」
「...それでは、特技と書かれているダンス...さっそく見せてもらっていいですか?」
「はい!!お願いします!!(笑)」
こういうと嵐は笑顔で、目の前にいる2人の面接官に微笑みかけた。
面接官は、無表情で嵐が踊るのをしばらく見つめていた。最後まで踊り終える前に、面接官は『もう結構ですよ。』と一言いって、嵐に踊ることをやめさせた。
「はい、それでは、これで終わりです。合否は、また郵送で送りますので...本日は、ありがとうございました。」
「はい!!ありがとうございました!!」
嵐は、笑顔で面接官に頭を下げると部屋を出た。
部屋を出た瞬間
「嵐!!!どうだった!??手応えあった!???(汗)」
「あっ、お母さん...。 うーん、どうだろう...?」
嵐は、目の前で興奮気味の自分の母を、じっと見つめて...言葉を濁した。
そんな嵐に、母は
「...いい??嵐...あなたは、なんとしてもモデルにならないといけないの!!だから、一生懸命に面接を受けるのよ!!お母さん、あなたのこと信じてるからね!!」
こう言うと、嵐のことをぎゅっと抱きしめた母に嵐も、小さく頷き微笑んでいた。
嵐は、それから毎日のようにオーディションに合格するため、一生懸命に習い事や勉強を頑張った。母親もはじめの頃は、嵐に無理なことはさせなかったが、時が経つにつれ、嵐にどんどんと無理を強要するようになっていった。
「...嵐!!全くあなたは...最近また太ったんじゃないの???(汗)いい??あなたは、モデルにならないといけないの!だから、そんな体型じゃ駄目なの!!!ダイエットしないとダメよ!!(怒)」
「えっ、でも、保健室の先生は、平均だって言ってたよ??」
「いいえ、そんなはず無いわ!!保健室の先生が言うことなんて信じちゃダメよ!!あなたは、ほかの子と違うの!!!」
「...でも、『でもじゃないの!!!明日からは、お菓子の時間にランニングをしましょう??』...はい、母さん...。(汗)」
嵐は、母の自分を思う気持ちから、こういうことを言うのだと思い、次の日からランニングをするように...しかし、そこから母の様子は、更におかしくなっていった。嵐は、身長150センチに対して体重が30キロしかなかった...。さすがに担任の先生にも、『何かあったのか?』と聞かれるように...。でも、嵐の母親は、スタイルが良くなければモデルになれないという一点張りで、子供であり成長期でもある嵐に過度なダイエットをさせるようになった。
そうして、オーディションを受けだしてから約一年半がたったある日、クロジカルの事務所のオーディションを受けて、見事に合格することが出来、晴れて嵐はモデルになることが出来た。
嵐の母親もとても喜んでいて
「嵐!!!よくやったわ!!!お母さん、嬉しい!!ありがとうね!!」
「ううん、お母さんが私のために一生懸命になってくれたおかげだよ!!ありがとう!!」
嵐は、母親の笑顔が見れてとても嬉しかった。母のこんな笑顔が見れるのなら、モデルになって良かった。と思っていた。だが、嵐はある日...見てはいけないものを見てしまった。
学校から帰ってきた嵐は、リビングにいるであろう母にただいまを言うため、リビングの扉に手をかけた。
「...ほら、約束は守ったんだから...約束通り結婚して...。ねぇ、あなた??」
「...うーん、そうだな...。まぁ、俺の会社と嵐ちゃんが、所属しているクロジカルが手を組めば、衣装をクロジカルに提供することにより、俺の会社もより一層大きくなるしな...。いいぞ。結婚しようか。」
嵐は、耳を疑ってしまった...。だって母親は、自分のためにモデルのオーディションを受けさせていたんだとずっと思っていたし、私がクロジカルに受かったときだって...あんなに喜んでくれた...。なのに今...リビングで話をしているのは...クロジカルに衣装を提供している会社の、次期社長である私に良くしてくれた...おじさんとお母さんだった...。その瞬間、嵐は悟った...。母は、離婚していて...お金持ちの久留宮(くるみや)さんと結婚するための条件として私のことをクロジカルに入れることが...自分の結婚の条件になんとしても必要だったのだと...。ただ、それだけのために...私を...私のことを利用したのだと...。その瞬間...母親のことを、許せなくなった。だから...それからずっと...母の事を、心の中で赤の他人と思って生きてきた。ううん、家族全員のことを...誰も信じたくなかったから...でも、そんな時...クロジカルで新しく私のマネージャーに配属されたのは...宮口だった。
今まで、私のマネージャーをした人達は、みんな私の子供らしくないこの性格が、気持ち悪かったみたいで...みんな影で...悪口を言って、最終的に私の元から離れていった。だから、宮口も所詮そんなヤツらと一緒だと思っていた。でも彼は違った、彼だけは違ったのだ。宮口が...私に出会って初めて言った言葉は、今でも鮮明に覚えている。
「...そんな...大人ぶらなくても大丈夫ですよ??表向きは、とても素敵です。でも裏向きとしては、ゼロ点です...。まだ、中学生なのですから...もっと、わがまま言ってもいいと思いますよ??少なくとも、私の前だけでも!(笑)」
こう言うと嵐の目線に合わせて少し屈み、宮口は戸惑った顔の私に、にっこりと微笑んでくれたのだ。
そんな宮口に嵐は、抱えていたものがあふれ出してきて、やがて目に涙を浮かべて泣き出してしまった。
...今思えば、あれが初めての涙だったかもね...。(笑)私は、その時思った...。ずーっと、我慢していたんだって...。親に甘えること...人を頼ること...。だから宮口のことは、宮口のことだけは頼ってもいいと...。その時、初めて頼ろうって思える人が私の中で出来たのだ。
「はい!!失礼します!!152番...久留宮 嵐(くるみや あらし)です!!11歳です!!よろしくお願いします!」
「...それでは、特技と書かれているダンス...さっそく見せてもらっていいですか?」
「はい!!お願いします!!(笑)」
こういうと嵐は笑顔で、目の前にいる2人の面接官に微笑みかけた。
面接官は、無表情で嵐が踊るのをしばらく見つめていた。最後まで踊り終える前に、面接官は『もう結構ですよ。』と一言いって、嵐に踊ることをやめさせた。
「はい、それでは、これで終わりです。合否は、また郵送で送りますので...本日は、ありがとうございました。」
「はい!!ありがとうございました!!」
嵐は、笑顔で面接官に頭を下げると部屋を出た。
部屋を出た瞬間
「嵐!!!どうだった!??手応えあった!???(汗)」
「あっ、お母さん...。 うーん、どうだろう...?」
嵐は、目の前で興奮気味の自分の母を、じっと見つめて...言葉を濁した。
そんな嵐に、母は
「...いい??嵐...あなたは、なんとしてもモデルにならないといけないの!!だから、一生懸命に面接を受けるのよ!!お母さん、あなたのこと信じてるからね!!」
こう言うと、嵐のことをぎゅっと抱きしめた母に嵐も、小さく頷き微笑んでいた。
嵐は、それから毎日のようにオーディションに合格するため、一生懸命に習い事や勉強を頑張った。母親もはじめの頃は、嵐に無理なことはさせなかったが、時が経つにつれ、嵐にどんどんと無理を強要するようになっていった。
「...嵐!!全くあなたは...最近また太ったんじゃないの???(汗)いい??あなたは、モデルにならないといけないの!だから、そんな体型じゃ駄目なの!!!ダイエットしないとダメよ!!(怒)」
「えっ、でも、保健室の先生は、平均だって言ってたよ??」
「いいえ、そんなはず無いわ!!保健室の先生が言うことなんて信じちゃダメよ!!あなたは、ほかの子と違うの!!!」
「...でも、『でもじゃないの!!!明日からは、お菓子の時間にランニングをしましょう??』...はい、母さん...。(汗)」
嵐は、母の自分を思う気持ちから、こういうことを言うのだと思い、次の日からランニングをするように...しかし、そこから母の様子は、更におかしくなっていった。嵐は、身長150センチに対して体重が30キロしかなかった...。さすがに担任の先生にも、『何かあったのか?』と聞かれるように...。でも、嵐の母親は、スタイルが良くなければモデルになれないという一点張りで、子供であり成長期でもある嵐に過度なダイエットをさせるようになった。
そうして、オーディションを受けだしてから約一年半がたったある日、クロジカルの事務所のオーディションを受けて、見事に合格することが出来、晴れて嵐はモデルになることが出来た。
嵐の母親もとても喜んでいて
「嵐!!!よくやったわ!!!お母さん、嬉しい!!ありがとうね!!」
「ううん、お母さんが私のために一生懸命になってくれたおかげだよ!!ありがとう!!」
嵐は、母親の笑顔が見れてとても嬉しかった。母のこんな笑顔が見れるのなら、モデルになって良かった。と思っていた。だが、嵐はある日...見てはいけないものを見てしまった。
学校から帰ってきた嵐は、リビングにいるであろう母にただいまを言うため、リビングの扉に手をかけた。
「...ほら、約束は守ったんだから...約束通り結婚して...。ねぇ、あなた??」
「...うーん、そうだな...。まぁ、俺の会社と嵐ちゃんが、所属しているクロジカルが手を組めば、衣装をクロジカルに提供することにより、俺の会社もより一層大きくなるしな...。いいぞ。結婚しようか。」
嵐は、耳を疑ってしまった...。だって母親は、自分のためにモデルのオーディションを受けさせていたんだとずっと思っていたし、私がクロジカルに受かったときだって...あんなに喜んでくれた...。なのに今...リビングで話をしているのは...クロジカルに衣装を提供している会社の、次期社長である私に良くしてくれた...おじさんとお母さんだった...。その瞬間、嵐は悟った...。母は、離婚していて...お金持ちの久留宮(くるみや)さんと結婚するための条件として私のことをクロジカルに入れることが...自分の結婚の条件になんとしても必要だったのだと...。ただ、それだけのために...私を...私のことを利用したのだと...。その瞬間...母親のことを、許せなくなった。だから...それからずっと...母の事を、心の中で赤の他人と思って生きてきた。ううん、家族全員のことを...誰も信じたくなかったから...でも、そんな時...クロジカルで新しく私のマネージャーに配属されたのは...宮口だった。
今まで、私のマネージャーをした人達は、みんな私の子供らしくないこの性格が、気持ち悪かったみたいで...みんな影で...悪口を言って、最終的に私の元から離れていった。だから、宮口も所詮そんなヤツらと一緒だと思っていた。でも彼は違った、彼だけは違ったのだ。宮口が...私に出会って初めて言った言葉は、今でも鮮明に覚えている。
「...そんな...大人ぶらなくても大丈夫ですよ??表向きは、とても素敵です。でも裏向きとしては、ゼロ点です...。まだ、中学生なのですから...もっと、わがまま言ってもいいと思いますよ??少なくとも、私の前だけでも!(笑)」
こう言うと嵐の目線に合わせて少し屈み、宮口は戸惑った顔の私に、にっこりと微笑んでくれたのだ。
そんな宮口に嵐は、抱えていたものがあふれ出してきて、やがて目に涙を浮かべて泣き出してしまった。
...今思えば、あれが初めての涙だったかもね...。(笑)私は、その時思った...。ずーっと、我慢していたんだって...。親に甘えること...人を頼ること...。だから宮口のことは、宮口のことだけは頼ってもいいと...。その時、初めて頼ろうって思える人が私の中で出来たのだ。
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