【完結】自称ヒロインさんが『逆ハー』を成功させた理由~ちなみにわたくしは、絶対に厭ですが~

「アンタも転生者なんでしょ」

と、低い声でわたくしに囁いたのは、少し前から有名になっている編入生でした。

「あの、お昼がまだなのですが?」

「いいから! ちょっと顔貸しなさいよ」

平民として暮らしていたのに、いきなり希少属性と言われる光の治癒魔力に目覚め、魔力暴走を防ぐため&希少属性の研究をするためとして国立学園に試験も受けずに編入し、正規に試験を受けて入学した生徒達からやっかまれている……愛らしい容姿をした女子生徒です。

そして、やっかみが嫌がらせへと発展。それにもめげず、彼女は学園に通い続けています。その姿が健気だと、一部の男子生徒達からは大事に庇護されているようです。

『魔力暴走を防ぐために学園に通うよう、国が定めたことだ。その彼女へ嫌がらせをするということは、国の方針に逆らうということだぞ! 国家反逆の意志ありと疑われたいのか!』

なんて、彼女のナイト気取りの高位貴族子息が声高に触れ回ったお陰か、彼女への嫌がらせは下火になりつつあるようですが――――

ぶっちゃけ、彼女の方にも問題があると思うんですよねぇ?

だって彼女、明確にやる気……ご自分の魔術を磨く気が無さそうに見えるんですもの。

という、自称ヒロインさんが、『ゲームのクリア条件』を満たさずに『逆ハーレム』を達成できた理由。

わたくしはそんなの、絶対に……それこそ、死んでも厭ですが。

設定はふわっと。

人によっては胸くそかもです。
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964
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