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第13号 「歪み出した日々。」
歪みを戻せ...。
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足早に家に帰った亜衣希は、玄関を入ると、真っ先に琉架の眠っている寝室へと足を踏み入れた。
すると暗い部屋の中に、亜衣希は妙に明るい光が布団の中から漏れているのに気が付いた。
亜衣希は、嫌な予感がしたが...それは、見事に的中する事となる。
「...琉架??...おい、琉架??大丈夫...『っ!!...おかえり...亜衣希さん...。ねぇ...俺を置いて......一体どこに行ってたの??...俺...亜衣希さんのこと...信じてたのに...。(泣)』...えっ...それは...どういう...。(汗)」
布団から顔を上げた琉架の目からは、大粒の涙がボロボロと零れていた。
「どうもこうも...しらばっくれるなんて、亜衣希さん...最低だよ...!!!(怒)俺は...俺はずっと亜衣希さんのこと思って生きてきたのに...。(泣)亜衣希さんがいたから、これまでの人生やってこられたのに...。こんな裏切り方されたら...俺...亜衣希さんにまで裏切られたら...『おい、琉架...一応聞くけど...その......変なメールとか...受け取ってないよな...???(汗)』...あぁ、そのまさかだよ!!(怒)...でなきゃ、こんなに取り乱したりなんかしないっ!!!(泣)」
こういうと琉架は、自らの手に持っていた携帯の画面を亜衣希に勢いよく見せつけた。
するとそこには...亜衣希と一人の女が一緒に腕を組みながら街を歩いている写真がくっきりと映し出されていた。
写真を見た亜衣希は、咄嗟に琉架の顔色を伺ったが、琉架はただじっと悔しさを噛み締めているようだった。
「...ねぇ、亜衣希さん...。前、俺に言ってくれたよね??後にも先にも俺には琉架しかいないって...言ってくれたよね...!!!(怒)なのに...いるじゃん。...後にも先にも綺麗な女の人...ここにいるじゃんか...!!!(泣)やっぱり...遊びだったんだよね...。俺が子供だったから...子供だから遊んでやろうって...。そう思ったんだよね...??どうだった...。(怒)子供の俺を騙して遊ぶのは...???(笑)それはそれは簡単にころっと騙されて、さぞかし気持ちよかっただろうね...。(怒)」
琉架の目は真っ赤に酷く腫れていて、亜衣希が帰ってくるずっと前から泣いていたことが伺えた。
そんな琉架に亜衣希は、何も言えず、ただ目からボロボロと涙を流し続ける琉架を、見つめることしか出来なかった。
そんな亜衣希に痺れを切らした琉架は、次の瞬間、亜衣希に対して手元にあった枕を思い切り投げつけ一言...
「...分かった...。亜衣希さんの言いたいこともやりたいことも...気持ちも...。もう全部分かったよ...!!(怒)とりあえず...出ていけ!!!!!今の俺は...亜衣希さんの顔すら見たくない...。(怒)分かったら、さっさと出てけ!!!出てけよ!!!!(怒)...このクソ亜衣希...!!!!(怒)」
乱暴にこう言い放つと、琉架は亜衣希を寝室から追い出した。
寝室から追い出された亜衣希は、琉架に閉められた扉の前で一つため息をついた。
「...俺って...つくづく馬鹿だよな...。なんであの時...お得意様の会社の娘さんだからって...誘い断れなかったんだろう...。(汗)なんで...琉架という大事な人がいながら、あんな女と一夜を明かしてしまったんだろう...。(泣)ほんとに...あぁあああああああ!!!!(怒)...くそっ...くそっ!!!!(怒)俺が幸せになろうとしたら...どうしていつもこうなるんだよ...!!!!俺が...俺が一体何をしたって言うんだよ...!!!!(怒)」
亜衣希は、こういうと自らの手を固く握り締め、そうしてできた拳を近くにあった造花の花瓶に思いっきり叩きつけた。花瓶が背後の壁にあたり割れてしまったが...それだけでは怒りが収まらず、手に花瓶の破片が飛んでいることなどお構い無しに、通路の真っ白い壁に握りこぶしを叩きつけた。
何度も何度も琉架を傷つけてしまった自分の浅はかな行動に、やり場のない怒りを拳に込めて...。壁は、いつしか亜衣希の手からダラダラと流れる赤い液体で染め上げられていた。
亜衣希は、暫く壁を叩いていたが、やがて力なく床にへたり込むと、真っ赤になった自らの拳をじっと見つめ、ただひたすらに何かを思うのだった...。
すると暗い部屋の中に、亜衣希は妙に明るい光が布団の中から漏れているのに気が付いた。
亜衣希は、嫌な予感がしたが...それは、見事に的中する事となる。
「...琉架??...おい、琉架??大丈夫...『っ!!...おかえり...亜衣希さん...。ねぇ...俺を置いて......一体どこに行ってたの??...俺...亜衣希さんのこと...信じてたのに...。(泣)』...えっ...それは...どういう...。(汗)」
布団から顔を上げた琉架の目からは、大粒の涙がボロボロと零れていた。
「どうもこうも...しらばっくれるなんて、亜衣希さん...最低だよ...!!!(怒)俺は...俺はずっと亜衣希さんのこと思って生きてきたのに...。(泣)亜衣希さんがいたから、これまでの人生やってこられたのに...。こんな裏切り方されたら...俺...亜衣希さんにまで裏切られたら...『おい、琉架...一応聞くけど...その......変なメールとか...受け取ってないよな...???(汗)』...あぁ、そのまさかだよ!!(怒)...でなきゃ、こんなに取り乱したりなんかしないっ!!!(泣)」
こういうと琉架は、自らの手に持っていた携帯の画面を亜衣希に勢いよく見せつけた。
するとそこには...亜衣希と一人の女が一緒に腕を組みながら街を歩いている写真がくっきりと映し出されていた。
写真を見た亜衣希は、咄嗟に琉架の顔色を伺ったが、琉架はただじっと悔しさを噛み締めているようだった。
「...ねぇ、亜衣希さん...。前、俺に言ってくれたよね??後にも先にも俺には琉架しかいないって...言ってくれたよね...!!!(怒)なのに...いるじゃん。...後にも先にも綺麗な女の人...ここにいるじゃんか...!!!(泣)やっぱり...遊びだったんだよね...。俺が子供だったから...子供だから遊んでやろうって...。そう思ったんだよね...??どうだった...。(怒)子供の俺を騙して遊ぶのは...???(笑)それはそれは簡単にころっと騙されて、さぞかし気持ちよかっただろうね...。(怒)」
琉架の目は真っ赤に酷く腫れていて、亜衣希が帰ってくるずっと前から泣いていたことが伺えた。
そんな琉架に亜衣希は、何も言えず、ただ目からボロボロと涙を流し続ける琉架を、見つめることしか出来なかった。
そんな亜衣希に痺れを切らした琉架は、次の瞬間、亜衣希に対して手元にあった枕を思い切り投げつけ一言...
「...分かった...。亜衣希さんの言いたいこともやりたいことも...気持ちも...。もう全部分かったよ...!!(怒)とりあえず...出ていけ!!!!!今の俺は...亜衣希さんの顔すら見たくない...。(怒)分かったら、さっさと出てけ!!!出てけよ!!!!(怒)...このクソ亜衣希...!!!!(怒)」
乱暴にこう言い放つと、琉架は亜衣希を寝室から追い出した。
寝室から追い出された亜衣希は、琉架に閉められた扉の前で一つため息をついた。
「...俺って...つくづく馬鹿だよな...。なんであの時...お得意様の会社の娘さんだからって...誘い断れなかったんだろう...。(汗)なんで...琉架という大事な人がいながら、あんな女と一夜を明かしてしまったんだろう...。(泣)ほんとに...あぁあああああああ!!!!(怒)...くそっ...くそっ!!!!(怒)俺が幸せになろうとしたら...どうしていつもこうなるんだよ...!!!!俺が...俺が一体何をしたって言うんだよ...!!!!(怒)」
亜衣希は、こういうと自らの手を固く握り締め、そうしてできた拳を近くにあった造花の花瓶に思いっきり叩きつけた。花瓶が背後の壁にあたり割れてしまったが...それだけでは怒りが収まらず、手に花瓶の破片が飛んでいることなどお構い無しに、通路の真っ白い壁に握りこぶしを叩きつけた。
何度も何度も琉架を傷つけてしまった自分の浅はかな行動に、やり場のない怒りを拳に込めて...。壁は、いつしか亜衣希の手からダラダラと流れる赤い液体で染め上げられていた。
亜衣希は、暫く壁を叩いていたが、やがて力なく床にへたり込むと、真っ赤になった自らの拳をじっと見つめ、ただひたすらに何かを思うのだった...。
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