俺の兄貴、俺の弟...(続々)

日向 ずい

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第2章 「狂い出す関係。」

「運命の告白、その先あるのは...。」

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 「それで....なんだよ、話って。壮馬が俺に相談事なんて珍しいな???まぁ、いつもお世話になっているから、またにはストレスでも、愚痴でも何でも...優しい俺が聞いてやるって!!!なぁ!遠慮するなよ!!(笑)」

 こう言って、何も知らない恋は、壮馬の肩を力強く叩いた。

 「...っ、お前なぁ。(俺がこんなにドキドキしてるっていうのに....。)いや、何でも無い。今言ったこと、後悔するなよ???」

 「...???あぁ、随分深刻そうだな....。まぁ、いい。さぁ、なんでもドンと来い!!!!」

 自信満々にこう言った恋に、顔を真っ赤に染めた壮馬は、恋とともに人気のない大学の一角にある、空き講義室に来ていた。

 そう、壮馬の目的とは...もちろん自分の気持ちを恋に伝えることである。

 涼し気な顔をしている恋とは対照的に、胸を高鳴らせている壮馬は、首をかしげる恋に対して、大きな声で

 「恋、好きだ。俺....恋のことが大好きだ。今まで黙っててごめん。お前が俺とつるんでいたのも、俺にストーカー野郎の相談をしていたのも、全部...俺がノンケだと思っていたからなんだよな。その...ほんとに悪かった。お前を騙していたみたいになってしまって...。それにお前がその....そっちの気がないことも分かっているから.....。だから、気持ちを聞いてくれるだけで....。」

 と言い、そのまま真っ赤に染まった顔を床へと向けていた。

 壮馬の突然の告白に、じっと押し黙ったまま、恋はただ一言....

 「ごめん、壮馬。」

 と口にした。

 その瞬間、壮馬は目頭が熱くなる感覚に襲われた。

 当然だ。

 壮馬は、無意識のうちに目から大粒の涙を、これでもかというほど流していたのだから。

 壮馬は急に居心地の悪さを感じ、その場から立ち去ろうと、恋に

 「ははは、だよな。ごめんな、気持ち悪かったよな!...また、友達として仲良くしてもらえると嬉しいな!!!じゃあ、俺忙しいからもう行くな...っ!!!(うっ...やばい。情けないけど、今にも泣いてしまいそうだ。)」

 と表情が見られないように、わざと顔を伏せたまま言い、部屋を出て行こうとした。

 だが....そんな壮馬を、ぎゅっと背後から抱きしめ、壮馬の動きを制したのは....同じく顔を真っ赤に染めた恋であった。

 恋の行動に壮馬は泣きながら

 「いや、恋???今は、お前の冗談に構っている暇はないんだ。頼むから放してくれ。お前に抱きしめられると、理性が崩壊しそうなんだよ。頭が...おかしくなりそうなんだ。」

 と言って、自分の腹部を拘束している恋の腕をふりほどこうとした。

 そんな壮馬の様子に恋は、大きな声でこう言った。

 「お前なぁ、俺はまだ最後まで喋ってねぇだろ!!!!!人の話を聞けよ!!!!...って、そんな事が言いたい訳じゃなくて....その...ありがとう、壮馬。俺のこと好きで居てくれたなんて、ほんとにありがとう。実は俺もさ.....高校生の時に同じ経験があるから、お前が自分の気持ちに気付いて、一人でもがき苦しんでいた事が、痛いほど分かるんだよ。俺もな....高校生の時に、幼なじみだった男の子に告白したことがあるんだ。好きだって...でも、俺の気持ちには応えてもらえなかった。....その子には、他に好きな奴がいたんだ。俺は、その子の事が好きで....でも、この気持ちには応えてもらうことが出来ないって分かった瞬間、なんか諦めがついてさ。....ごめんな、壮馬....というより、なんで俺...こんな変なこと言っているんだ...???(汗)いや...その...だから、えっと...卑怯だけど許してくれないか???えっ...いや、なんか違うな...。とにかく...壮馬、これからも俺と友達でいてくれよ。なぁ???」

 恋のこの言葉に、今にも泣きそうな顔をしていた壮馬は、内心こんなことを考えていた。

 えっ...いや、どういうことだよ...付き合えないってことは分かったけど......。

 えっと...つまり、恋は高校生の頃に男の子に告白したことがあって、それは...イコール......男の子が好きだったってことで......。

 ここまで考えて、壮馬は恋の言っている意味をようやく理解し、大きく見開いた目を背後にいる恋に勢いよく向けた。

 すると恋は、壮馬の顔をじっと見つめ、ぎこちなく微笑みを浮かべていた。

 壮馬は、恋の微笑みに一瞬胸を弾ませたが、すぐに元に戻ると

 「えっ...その...おっ、お前も....男が好きだったってこと???そっか...そうだったんだな。はははっ、なんか悩んでいた俺って馬鹿みたいだな。(笑)....いや、そんな事どうだって良いんだ。俺の方こそ....俺の気持ちを聞いてくれてありがとな。(元々ダメだって分かってたし。)....はぁ、無駄に緊張したら、なんかおなか空いたなぁ~。おい、せっかくだし、ご飯食べに行かないか???」

 と言って、赤く腫れる目をじっと恋に向けて、にっこりと微笑みかけたのだった。

 そんな壮馬の様子に

 「あぁ、壮馬....そうだな!!!......って、無駄に緊張ってお前なぁ!!!サラッと、人のことイジるなよ...!!ったく、もう!!」

 と言うと、恋は壮馬の肩をばしっと叩き、驚く顔をした壮馬を強引に外へと連れ出したのだった。

 壮馬と一緒に歩みを進めながら、恋は内心こんな事を考えていた。

 「壮馬....ありがとうな。お前が俺のことを思っていてくれたなんて俺、全然知らなかった。こんなことじゃ...あの時、尊(たける)に「なんで俺の気持ちに気づいてくれないんだ。」とか......思っていた不満とか全て、俺が言える立場じゃないじゃん。....ごめんな、壮馬。俺が、お前の告白を断ったのは....風三谷のことがあるからなんだ。今、ごたごたしている風三谷との件がはっきりしたら、今度は俺から伝えさせてくれ。俺は....だからって。」

 一方、恋の心情など知らない壮馬はというと....

 「恋に振られても、俺は恋のことが大好きだ。恋、俺....何度でもお前に俺の気持ちを伝え続けるから。もし振り向いてもらえなくても....俺は、決して諦めないから。.....その為にも今は、あのストーカー野郎と早急に決着をつけないとな。」

 とひとりこう考えていたのだった。

 恋と壮馬のそれぞれの思いが、このあと急展開を引き起こすなんて、この時の二人はまだ知る由もないのであった。
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