俺の兄貴、俺の弟...(続々)

日向 ずい

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第3章 「狂ったネジは元には戻らない...。」

「俺とお前の対決は突然に。」

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 「ねぇ、伏佐波先輩???僕をこんなところまで呼びつけて、一体何を企んでいるんですか????」

 こう言ったストーカー野郎を改め、風三谷くんは薄暗く人気のない大学校内にある小さな広場の芝生を、意味も無く軽く蹴りつけながら、俺を見つめてきた。

 俺は目の前の風三谷くんにクスリと微笑むと、

 「ん???何をって.....もうとっくに気付いてるんだろ????なぁ???感の良い風三谷くんなら、考えなくても一発で分かると思うけどね???」

 と言って、薄く微笑んだ風三谷との距離を詰めた。

 そんな俺の行動に風三谷くんは、開き直った様子で

 「あ~、何となく分かりました。(笑)恋さんのことですか??ははは、いい気味ですね???俺が先に告白したり、恋さんの初めてもらったりしたことが、そんなに悔しかったんですか????はぁ....あのさぁ、この際だから言わせてもらうけど、それってさぁ???俺を恨むんじゃなくて、全部...勇気が無くて何にも行動を起こせなかったお前の弱い心に原因があると思うんだけど???俺が行動力あるからって、嫉妬しないでもらえる???ねぇ、伏佐波先輩???(笑)」

 と、俺を挑発する態度を取ってきたのだ。

 俺は冷静になろうと深呼吸を繰り返し、目の前にいる風三谷にこう言った。

 「風三谷....くん???ゴホンっ...実は、君に提案があるんだ。...俺と決闘をしないか????なぁに、簡単なことだし....君にも、と~ってもいい賭けの内容だと思うんだ。」

 俺のこの発言に風三谷は、急にムスッとした表情で

 「賭け???ふーん、それで....賭けの内容は何???」

 と質問をしてきた。

 俺は、風三谷の生意気な態度にイライラがさらに募ったが、我慢我慢と苛立った心を押さえつけ

 「ふふふ、いいね。臆さずに乗ってくるところが、顔に似合わずかっこいいじゃないか。」

 と言い、風三谷を軽く挑発した。

 すると、俺の嫌みを含んだ言葉に風三谷はチッと軽く舌打ちをして、俺を睨みつけると

 「いいから早く内容を教えろよ。」

 と乱暴に言い放った。

 風三谷の様子に、内心笑いが止まらなかった俺だが、その思いを心の中にとどめると風三谷に笑顔を向け

 「さっきも言ったろ???...簡単なことだって。俺とお前が賭けをするなんて、そんなの理由としてたった一つしか無い。...恋のことだよ。俺との決闘に勝てたら、俺は綺麗さっぱり恋の事を忘れる。恋から助けてのメッセージが来ても、完全に無視する。つまりは、恋のことをお前の好き放題出来るって訳だ。」

 と得意げに告げた。

 俺の言葉に首を軽くかしげた風三谷は

 「俺が勝ったときの報酬は分かった。でも、アンタが勝ったときの報酬は何なんだ????」

 と訝しげな様子で尋ねてきた。

 流石は風三谷...感が鋭くて、怖いね。(笑)

 なんて内心思いつつ、俺は風三谷の顔をじっと見つめ、こう言った。

 「お前が負けたときは、俺がお前を犯す。」

 俺のこの言葉に風三谷は、目を大きく見開いて

 「....っ。それ...正気かよ???」

 と言い、俺に信じられないといった表情を向けてきた。

 そんな風三谷に俺は、先程と変わらない声色で

 「あぁ、この表情とこの状況で冗談が言えるほど俺は馬鹿じゃない。」

 と言うと、真面目な表情で風三谷をじっと見つめた。

 「いや、分かったよ。お前が俺を犯すっていうことは分かった。でも、それじゃあ、お前に何のメリットがあるっていうんだよ????俺を犯すことよりも、恋さん犯したほうが、絶対にアンタにもメリットあんじゃん!」

 風三谷のこの言葉に内心、確かになと思いながら、俺は風三谷に先程とさほど変わらない口調でこう言った。

 「それは俺の勝手だろ???お前が気にすることではない。...それでお前はどうするんだ???俺との賭けに挑むのか???それとも下りるのか???でもまぁ、好戦的な風三谷くんなら、俺のこの勝負受けるも同然だと思ってるけどね???」

 俺の挑発的な態度に、罰が悪そうな顔をすると、風三谷は大きなため息をひとつつき

 「っ....ったくよ。そんなん、下りるわけ無いだろ????俺は逃げるなんてしたくないんだよ。それに...生憎、売られた喧嘩は買う主義でね。(笑)」

 と言い、余裕そうな表情で俺を見つめてきた。

 俺は、小さく笑い声を上げると

 「ははっ、そう来ると思ってた。じゃあ、早速始めようか???...言っとくけど、殴ること蹴ることでも、相手を殺してはいけない。逆に、これ以外なら何をしてもいい。勿論、殴った後に倒れた相手を無理やり犯すことも...可だ。(笑)これは、どちらかがギブアップするまで続ける。但し、相手を犯している最中は、例え犯されている方がギブアップを唱えても、コトが終わるまで、決闘は続行。分かったな。」

 こう言った俺の説明に風三谷は、こくりと頷くと、真っ先に俺の方めがけて走ってきた。

 俺は、最初からこうなることを全て予測していた。

 そうだ、この賭けにはフェアなんてものが存在するはずがない。(笑)

 当たり前だろ????

 風三谷が恋にした事を考えると、まだ生ぬるいぐらいだけどな。

 俺は、ここで風三谷を犯す。

 なんでかって???

 決まってんだろ???

 目には目を、歯には歯をだ。(笑)

 恋を無理矢理犯したんだ。

 なら、風三谷にも同じ事をするまでだ。

 どうやって風三谷を犯すのかは、これからの行く末を見ていれば、おのずとわかるさ。

 俺は、近づいてきた風三谷の空いている脇腹めがけて、思い切り手刀をあてた。

 俺の手があたった瞬間、風三谷のあばら付近から鈍い音が響いた。

 音が鳴るのも当たり前。

 風三谷には言っていなかったが、俺は、小さい頃から空手や武術を総なめしてきたれっきとした武術派だ。

 本当は、武術を習っていない者への不当な使用は認められていないが、今回だけは許してもらおう。

 何も知らない風三谷は、鈍い音がした脇腹を軽く抑えながら、痛みに顔を歪め、俺の次の一手が来る前に、俺から一旦距離をとった。

 そして、攻撃を仕掛けられる前とはほとんど変わっていない俺の立ち位置に、風三谷は声を荒げた。

 「くそっ、お前....俺の骨....折っただろ...。(痛)しかも、なんで人の骨折るぐらいの強い力を、微塵も動かずに出せるんだよ!!!!まじで、アンタ化けモンだろ!!!」

 「ははっ、化け物とは侵害だな....。(笑)そうだ。ひとつ教えてやるが、俺はお前より武術に長けているんだ。まぁ、こんなこと、今更言っても遅いけどな???お前が俺との勝負を受けた時点で...すでに、お前の負けは確定していたんだよ。」

 俺はこう言うと、一気に風三谷との距離を詰め、荒い呼吸を繰り返し、額から冷や汗が流れ始めている風三谷に向かって、容赦なく拳を振るったのだった。

 何回も何回も風三谷に拳を振るいながら俺は、自身の行動を振り返りつつ、こう考えていた。

 俺は....もしかしなくても、サイコパスかもな。

 その証拠に痛がる風三谷の声と、うめき声、表情がどんどん酷くなっていくのをこの目で見たくなって、わざと気絶しない力加減で、顔、腹、背中、急所などなど、体中を紫のアザが出来るまで殴り続けているし...でも、そろそろ加減してても死にそうだな...一度、手を止めるか。

 俺はこう考え、やっと風三谷を殴る手を止め、風三谷を見つめると、風三谷は口から大量の血を吐き、うつろな瞳で俺の事をじっと見つめていた。

 そんな風三谷の表情を見た瞬間、俺は自身の嫌なスイッチが入る感覚がした。

 それは、人を殴る事への快楽と性的興奮、それはやがて俺の中で、風三谷を犯したいという衝動へと変わっていっていた...この時から、俺の記憶はほぼ無くなっていた。

 自我を失った俺は、焦点の合っていない風三谷の目を見つめながら、半ば興奮気味に

 「ぶん太くん???おれさぁ~、キミの痛がる顔をみていたら、興奮してきちゃってさぁ。本当はね、恋の復讐の為のお前を犯すつもりだったんだけど、この際関係ないよね???ということだから、おとなしく俺に犯されてね。」

 と言い、弱りきり力を持たない無力な腕で、俺の事を必死に止めようと抵抗を見せたぶん太の行動に、俺の異常な感情は更にかき立てられた。

 「ぶん太ぁ~。お前、近くで見ると可愛い顔してるな。はははっ、気に入ったよ。(笑)ぶん太...。俺の心を満たすためにもっと痛がって、それでもっと啼いで...最高によがって!!!」

 俺の異常な行動に風三谷は、目から大粒の涙を流し、焦点のあっていない目を最大限に見開き、何か怖いものでも見えているのか、口から唾液を垂らしながら

 「うっ....あっ....あぁ、おねがい....助けて。お母さん....おとうさんが....ボクのコトを....ねぇ、お母さん????....はっ、あぁ!!!....いやぁ...だ!!!あっ....あっ、あぁ!!!...んんっ、ハナシテ...ハナシテッ.....ウッ....タスケテ....オカアサン...オトウサン...ガ...。」

 と必死に言葉で抵抗していたが、風三谷はやがて口から泡を吐くと、そのまま気を失ってしまった。

 一方、そんな風三谷には、目もくれず完全に狂った俺は

 「ぶんたぁ~。俺のためにもっと啼いで...もっとよがってくれよ。なぁ、ぶんたぁ???(狂)」

 と言い、気を失った風三谷に対して、執着にコトを続けたのだった。

 「なぁ...ぶんたぁ。......はははっ。.........ぶん...た???......えっ...俺......何してる...???(汗)」

 暫く、気を失った風三谷のことを犯していたが....いつの間にか、正気に戻った俺は、周りを見渡し、そして困惑した。

 それもそうだ。

 俺の目には、風三谷の服が乱暴に破り捨てられている中、その服の持ち主であった風三谷の上で、何故か俺が馬乗りになっている状態が映っていたのだから。

 俺は一瞬何が起こっているのか分からなかったが、俺の下で傷だらけになって気を失っている風三谷....そんな風三谷の上で、風三谷と結合した俺.....この状況下で、普通と思える奴がいたら、真っ先に精神科を受診すべきだろう。

 「......いや、とにかく...風三谷を何とかしないと...こいつ泡吹いてるし......どう考えても、ヤバいだろ。(汗)...というより、俺......も、色々ヤバいだろ。」

 俺は、状況を理解する前に自分の服を軽く着直し、風三谷には俺が趣味で使っているスポーツ用のジャージを着せ、そのまま力なく地面に倒れている風三谷を横抱きにすると、急いで大学校内の保険センターへと足を進めたのだった。

 今回の、俺のこの行動により風三谷の悲惨な過去が明らかとなることを、応急処置を受け、病院に緊急搬送された風三谷の心配をしている俺が、気がつくことはなかったのだった。
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