ダメな私と吸血鬼

第2章 「私とショコラ。」

服のことなら大丈夫よ！

 心配そうに見つめるショコラをよそに、エピーヌは、自分の身支度を整えて、ショコラを振り返ると
「ショコラ！！支度が出来たから早く行きましょう！！」
と言って、肩と背中の大きくあいたドレスを着ているエピーヌは、微笑んだ。
 そんなエピーヌに、複雑な表情をしたショコラは、自らの着ている上着をエピーヌに差し出した。
「...はい...あっ、エピーヌ様...少しお待ちください...これを。（汗）」
そう言って、エピーヌを見ているショコラにエピーヌは、納得したような表情をして
「...ん？？あー、背中の傷？？...大丈夫よ！！包帯も巻いてあるし、このくらい...『いいえ！...傷もそうなのですが...その...なんと言いますか...。そのお洋服は...露出が多いと言いますか...。もう少し何か着ていただきたいと...（そうしないと...私が目のやり場に困ってしまいます...エピーヌ様は...お綺麗ですから...）（照）。』。」
 エピーヌの言葉を遮ってショコラは、困った顔をして話していたが、やがて気恥ずかしくなり、堪らずエピーヌから、目を逸らした。
 そんなショコラの様子にエピーヌは、訳が分からないといった様子で
「...ショコラ...それは、どういう......まぁ、いいわ！！よく見ると私のドレスとよく合いそうだし...ありがとうショコラ！折角だから、着ていくわね！！」
と言ってショコラから上着を受け取ると、ドレスの上に羽織った。
 そんなエピーヌの様子に安堵の表情をして、エピーヌに話しかけた。
「...はい、私の私物で申し訳ありません...エピーヌ様。...本当によくお似合いですよ！！（エピーヌ様...私って案外...嫉妬深いのかも知れませんね...他の男にエピーヌ様の美しいお姿をお見せしたくないと思ってしまうのは...。）」
 ショコラは、内心とんでもないことを考えていたが、咄嗟にエピーヌの前ということを思い出しエピーヌに、ニコッと笑いかけた。
 そんなショコラを、特に気にした様子もなくエピーヌは、続けた。
「...そう？？ショコラも、いつもと同じくらい素敵よ！！」
 エピーヌは、意地悪そうな笑みを、ショコラに向けると、さっと自室を出ていった。
 そんなエピーヌを、ショコラは、じっと見つめていたが、自分が置いて行かれたと理解した瞬間
「...エピーヌ様...同じは、余計ですよ...！！（笑）待って下さい！！お供します！！！」
と微笑みながらエピーヌの後を追うため部屋を出た。