ダメな私と吸血鬼

日向 ずい

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第2章 「私とショコラ。」

今日でなくてはダメな理由

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 ショコラは、エピーヌに追いつくと思い出したように話し出した。
「...そういえば今日は、お城の王室の皆様は、隣町の交流舞踏会に出られていて屋敷内には、居ないのでしたね...。ですから、エピーヌ様は、今日行こうときかなかったわけですね...!(笑)」
 そう言うショコラを見据えてエピーヌは
「そうよ!...だって、ヴァニーユ母様や、ジャルース父様にお城の中で会うと何を言われるのか分からないでしょ???」
と言ってふくれ顔をするエピーヌに可笑しくなって微笑みを浮かべるショコラは
「...エピーヌ様らしく...良いと思われます!(笑)」
と言って二人は、他愛もない会話を楽しみながら、屋敷内を歩いていた。
 エピーヌは、はっと思い出したようにショコラに尋ねた。
「でも...ショコラ??他のメイドや執事には、どう説明したらいいのかしら...?もし...告げ口でもされたら...(汗)」
と言って不安そうな表情を浮かべるエピーヌを、よそにショコラは、安定した口調で言った。
「...大丈夫ですよ!!執事やメイドは、皆さんエピーヌ様の味方でございます!きっと、上手く口を合わせてくれるでしょう...。」
そう言ったショコラに、ほっと胸をなでおろしたエピーヌは
「...そうなのね。なら、きっと大丈夫ね!!(笑)」
と言ってニッコリと笑うと、ショコラをじっと見つめた。
 そんなエピーヌの様子にショコラは、落ち着かない様子で
「...はい、エピーヌ様...。その...あんまり見つめないでくださいませんか...?緊張してしまい、体力がもつ気がしません...。(汗)」
 そんなショコラの言葉にエピーヌは、あっという表情をすると
「...??...あっ!...ごめんなさい...!!ついついお話が楽しくて...!(笑)」
と言ってショコラから目線を外すとぺこぺこと申し訳なさそうに謝った。
 そんなエピーヌの一言に嬉しくなったショコラは、ニコッとしながら
「...いいえ、ありがたきお言葉...ありがとうございます...。あっ!!少々お待ちください!」
と言って玄関の方に走っていった。
 「ええ、分かったわ...??」
そう言うとエピーヌは、大人しく玄関付近で待っていた。
 ショコラは、玄関の前にいたメイドに何かを聞くと、しばらくしてエピーヌの元に戻ってきた。
「お待たせ致しました。さぁ、行きましょう!!」
そう言って、エピーヌの方を見た。
「早かったのね...。...ええ!!」
エピーヌもまた、ショコラを見つめて微笑んだ。
 そんなエピーヌにショコラは、
「...さっきメイドに聞いたのですが、本日ご親族様がお戻りになられるのは、夜の9時頃だそうです。」
そう言ってエピーヌに伝えると
「そうなのね...。ありがとう...聞いてくれて!これで、安心してお買い物に行けるわ!!(笑)」
こう言うと、ショコラにまた笑顔を向けた。
 ショコラは、エピーヌに手を差し出し
「いえ...。さあ、参りましょう!」
と言うとエピーヌは、その手を取り
「ええ!!」
と一言ショコラに伝え、満面の笑みを向けた。
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