ダメな私と吸血鬼

第5章 「二人のお仕事。」

ひっ...人殺しだわ...こんなの...。（恐）

 エピーヌとラグルが初めて一緒に仕事をしてから一週間後のある朝...また、ニーソンが用事が出来たと言い、ラグルの仕事を手伝うようにとエピーヌに言うとエピーヌは
「...うっ...うん、あのね、ニーソン。ラグルって...一体なんの仕事をしているの？？」
と言って聞いたエピーヌにニーソンは、困った顔をして
「...うーんとね、それは、ラグルに直接聞いた方がいいかも...。俺からは、話しにくいや...。（笑）」
と言い、さっさと外に出かけてしまった。
 残されたエピーヌは
「...聞いても教えてくれないからニーソンに聞いているのに...全く...失礼しちゃうわ...！」
と言ってムスッとしたエピーヌなのであった。
 そして、先週と同じようにエピーヌとラグルは、街を歩いていた。
 たどり着いた先は...やっぱり刑務所だった...。
 刑務所に入ると前と同じように警備員の男がペコペコとしながら、ラグルを地下にある部屋に連れていった。
 部屋の前まで来ると警備員は、一礼してその場から立ち去った。
やっぱり先週と同じようにラグルからエピーヌは、赤く光る魔石を渡され、それが光らなくなるまで鍵を閉めて見張りをしていて欲しいと言って部屋に入っていった。
 エピーヌは、独り静寂の中に取り残されて
「...はぁ、全くなんなのよ...。ラグルは、一体何を考えているのかしら...。よし、こうなったらこっそり鍵を開けて部屋を覗いてやるわ！だって、ラグルだけ仕事の内容を知っていて私だけ何も知らないのは、不公平だもの...！」
と言ってこっそり部屋の鍵を開け、中を覗いてしまった。
中では...ラグルが目を真っ赤に染めて大暴れしていた...。
「...全く...貴様らそれでも大罪を犯した犯罪者かよ...！全くと言っていいほど手応えがねぇーな...！！！（怒）」
と言って周りの男たちをなぎ倒しているラグルは...悪魔のようだった。
 エピーヌは、腰を抜かしてしまい踵を返して咄嗟にその場を去ろうとした瞬間...
「ははっ、いたぞ...。全く、手間をかけさせやがって...この出来損ないが...。」
と言う声が聞こえたと同時にエピーヌは、背後から口を睡眠薬がしみこませであったタオルで塞がれ、意識を手放した。
「...はぁ、さっさと屋敷に帰ってこいつの処分法について考えよう...。さぁ、帰るぞ。」
 身体から力の抜けたエピーヌを、護衛の男に抱えさせると数人の人影とともにリーダー格の男を先頭にその場から姿を消した。
 その頃...部屋で仕事を終えたラグルは、エピーヌが待っていた部屋の外に出るため、ドアから外に出たが
「...あれ...エピーヌの姿がない...。ここで見張りを...！」
と言って周りを見渡した瞬間...地面にエピーヌの持っていた青い魔石のネックレスが落ちており...背中に嫌な汗が走ったラグルは、急いである場所へと向かった。