ダメな私と吸血鬼

第5章 「二人のお仕事。」

エピーヌが大変だ...（汗）

 ラグルは、ニーソンに気を使い「エピーヌが大変だ...誰かに攫（さら）われた...。多分だが...攫ったやつは、エピーヌの兄貴だ！（汗）至急、仕事が片付き次第この国の王室のある中央部に来い！！（汗）」と伝えると、人気のない路地裏に入り込み自分の身体に魔法をかけると青白い光を放ち、瞬間移動した。
 移動した先には、大きな屋敷の前にある広大な庭の中だった。
 「うわっ...広いな...。（汗）ここが、エピーヌの兄貴とその親族の住む屋敷か...。」
と言って入口を探していると...誰かの話し声がした。ラグルは、咄嗟に庭の中にあった植え込みに姿を隠すとその話し声に耳を傾けた。
「...なぁ、知ってるか？？...ここで、執事をしていた18歳の男が...なんでも、ここの屋敷で仕えていた女の子に手を出したかなんかで、ウィット様に首を切られ亡くなったって話...！（笑）」
「あぁ、知ってるとも！（笑）しかも、その女の子が逃げ出したかなにかで親族の皆様がお探しになられてて...今日、ウィット様が連れて帰ってこられたとか...だけど...可哀想だよな...。」
「なんでだよ？？...だって、親族の大切な娘だろ？？？良かったじゃねぇーかよ。」
「いや、普通はそうなんだろうけどな...。ここの人達は、普通じゃない...。裏切り者は、例え親族であれ、容赦はしない...。多分、女の子は...今夜にでも首を切られて殺されるだろうよ...。（汗）」
「うへぇー...。それは...ご愁傷さまだな...。俺らも、気をつけないとな...。明日は我が身だ...。（汗）」
と言って城内へと戻っていった男達の話を聞いたラグルは
「...嘘だろ...これは、まずいだろ...。エピーヌ...待ってろ...必ず助けてやるから...。」
そう言ってさっきの男達が入っていったドアに向かって歩きだそうとしたら
「おい！動くな！！」
と言って背後から口を塞がれた。
ラグルは、さっと瞬間移動して男の手から逃れると男と一定の距離をとった。
 男の顔を見た瞬間、ラグルの目が丸くなった。なぜなら目の前にいたのは
「ははっ！びっくりした？？...ごめんね、遅くなっちゃって...！（汗）」
と言ってにっこり笑顔をラグルに向けたニーソンがいたからだ。
 ラグルは、ニーソンに無言で近づくと頭を握りこぶしで思いきりぶっ叩いた。
「...っつ！！おい、悪かったって...だから、叩くなよ...。（汗）というより、お前加減しないからあたま割れる...（汗）」
と言って頭を両手で抑えているニーソンにラグルは
「...それは、お前が...！...あー、もういい。とりあえず今は、エピーヌの救出が先だ。（汗）」
と言って城の城内に入るために先程の男達が入っていったドアに小走りで向かった。
 その後ろを、苦笑いでついて行くニーソンは
「...ラグルって、案外人思いだよね...。絶対エピーヌのこと大切なひとり娘って思ってるだろ...。この親バカが...。（笑）」
と内心思って独りで苦笑していた事は、知る由もないラグルなのであった。