ダメな私と吸血鬼

第8章 「人間界と魔界の繋がりについて」

作戦会議だ

 ニーソン、ラグルそしてエピーヌは、リビングのソファに座り、話し合いをしていた。
「...で、今日俺は魔界と人間界の境界に行って魔界に人間が紛れ込む理由について調べていたんだ...。そしたら、地面にこれが落ちていた...。エピーヌ...お前の元々いた屋敷の紋章だろ？？...これは、つまりあの屋敷の中に魔界と人間界を行き来出来る奴がいて...意図的に人間を魔界に連れて行っているとしか思えない...。」
と言って説明しだしたラグルにエピーヌが
「...でも、ラグルも魔界に転移の魔法で人間を送っているじゃない？？それは、大丈夫なの？？？」
「あ？？あぁ、大丈夫だ。俺が魔法で転移させている先は、魔界の吸血鬼が人間を買いに来るお店の店主が管理している頑丈な檻の中だから...まず、逃げ出したりはしないだろうよ...。」
「えっ、それ...私、初めて聞いたわ...。ということは、ラグルに送られた人間は、魔界の吸血鬼の餌になるというわけ？？？（汗）」
と言って心配そうな顔でラグルを見つめるエピーヌにラグルは
「ん？？まぁ、そうだな...。でも、俺が刑務所からもらって来ているのは、重罪を犯して行き場のない人間だから、問題ないだろ...。」
と言って平然としているラグルに信じられないといった顔を向けているエピーヌなのであった。
 そんなエピーヌをよそにラグルは
「ということでこれからあの屋敷を少しの間、監視しようと思う。」
と言って話を続けた。
「それは...誰が担うの？？？」
と言ってずっと話を聞いていたニーソンがラグルに訊ねるとラグルは
「ん？？もちろん俺だ。エピーヌには、そんな危険な真似させられないし...ニーソンは、怪しまれないためにも普通に石っころの店を開けた方がいいと思うしな...！」
といったラグルにエピーヌが
「嫌よ！！そんなの！！！私にも、ラグルの仕事を手伝わさせて！！危険だからの一言で、仕事をしないのは...違うわ！！！」
「はははっ！流石は、エピーヌだな...。だってさ、ラグル。どうする？？」
と言ってエピーヌの威勢の良さに笑いが耐えきれなくなり、吹き出したニーソンは、ラグルに聞いた。するとラグルは
「...はぁ、そういうとおまえは、俺が頷くまで諦めないだろ...？？分かった...。でも、危険な時は、一目散に逃げろよ...。俺は、大丈夫だからな？？」
と言ってまるで親のようにエピーヌを心配するラグルの姿にニーソンは、内心
「...最近...よりお父さんみたいな感じになったきたな...。（笑）まるで、本物の親子みたい...。（笑）」
と笑いながら二人の話を聞いていた。

 次の日、エピーヌとラグルは、何回も話し合いをして家を出た。
「...緊張しているか？？」
「ええ、でも...それ以上にワクワクしているわ！！（笑）」
と言ってにっこり笑っているエピーヌにラグルは心の中で
「...エピーヌって...ほかの女とやっぱり違うな...。こういうやつ、嫌いじゃないぜ！！さぁ、作戦開始だエピーヌ！！存分にスリルを味わえよ！！！（笑）」