ダメな私と吸血鬼

第8章 「人間界と魔界の繋がりについて」

作戦会議第三弾

 ニーソンに抱き抱えられて帰ってきた二人の姿に、目を見開いて
「...えっと...おかえり。ちょっと話したいことがあるんだ...。」
と言ってニーソンとエピーヌを見つめていたラグル。
 そんなラグルと目が合ったエピーヌはわざとらしく咳払いをして
「...えっ...えぇ！！ただいま！！ラグル！...ニーソン？？もう大丈夫だから、下ろして...？？（照）」
と言って顔を真っ赤にしたエピーヌにニーソンは、ハッとした顔をして
「...あっ、ごっ！！ごめんね！！！エピーヌ！！！」
と言って急いでエピーヌを床に下ろした。
 エピーヌは、サッとソファに座るとラグルに
「...ねぇ？？ラグル...今日ね...？『Magical Stone!』のお店に...緑の魔石を付けたお客さんが...いいえ、あれは、お客さんではなかった...。（汗）」
と言って身体を震わせるエピーヌにラグルは
「...えっ...緑の魔石ってことは...お前らも、奴らの使いにあったのか？？？（汗）」
と言ってびっくりした顔でエピーヌを見つめたラグルにニーソンが
「ん？？あぁ、まぁな。あいつらは、タチが悪い...奴らは、人間の身を借りて自由自在に操ることの出来る希少な魔石を大量に所持しているようなやつだ...。つまり、一筋縄では、いかないということだ...。（汗）」
「あぁ、俺も、それは分かっているが...まずは、震えるエピーヌを何とかしないとな...。どうする？？...エピーヌ？？お前は、この先のもっと恐ろしい恐怖に立ち向かうことは...できるか...？？」
「...やっぱりエピーヌには...まだ刺激が強すぎる...。ここからは、俺とラグルの二人だけで...『...いいえ！！！大丈夫よ！！！ちょっとびっくりしちゃっただけ...ただそれだけよ！！私も最後まで戦うわ！！自分の決めた、両親を自分の手で殺めるという目標があるのだもの！！！』。」
と言ったエピーヌにラグルは
「...だよな...。お前なら、そういうと思った...。分かった。何かあれば、俺とニーソンが何とかする！！お前は、お前の出来ることを精一杯やってくれればいい！！！」
と言ってソファを立ち上がったエピーヌの近くによるとぎゅっと自分の胸に抱き寄せ、ラグルが優しく言った。
そんな二人にニーソンは
「...あの～、お二人さん？？最近思ったんだけど...日に日に、親子って感じが強くなっている気が...『ばっ！！そんな訳ねぇーだろ！！これは...その...親っ...ではなく...いちお兄ちゃんとしてだな...！！』...ははっ、冗談なのに...ムキになっちゃって...。（笑）」
と言ってニーソンは、悪戯そうな顔で二人を見つめているとラグルは
「...くそっ！！！てめぇ！！！！...おい、ニーソン！！今すぐ表出ろ！！！うられた喧嘩は、買ってやるからよ！！！（怒）」
と言ってニーソンの腕を乱暴に掴むと赤く染まった顔を必死に手で隠しながら外に出ていった。
 そんなふたりの様子に
「...ふふっ！！やっぱりあの二人は、最高のコンビだわ。（笑）」
と言って静かに笑っているエピーヌだった。エピーヌの体の震えは、いつの間にか収まっていた。