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鳥籠の中
4 雛鳥
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ジェイクの男らしい手が、フィリの細い腰を撫でていく。慣れた手つきでフィリの上を脱がせたジェイクは、フィリをベッドに引き上げる。
互いに上半身裸のまま、強く抱き合った。
汗でしっとり濡れた肌は、ふたりの興奮を表していた。噛みつくようなキスに、フィリは肩で息をする。浅く何度も吸って吐いてを繰り返す華奢な身体が、徐々に熱を帯び始める。
ベッドの上に胡座をかいたジェイクが、膝にフィリをのせた。向かい合うふたりであるが、その余裕には乖離があった。息ひとつ乱さないジェイクは、鬱陶しそうに自身の前髪を掻き上げる。一方のフィリは、くたりとジェイクの胸に倒れ込んだ。
「大丈夫か」
短い問いに、フィリは目を瞑った。
ジェイクの胸の中におさまってしまうフィリは、ひどく頼りないように見えた。しばらくその背中を撫でていたジェイクであるが、彼の中心が熱を持ち始めたことは隠しようもない。悟ったフィリは、薄目を開ける。ジェイクの胸におさまったまま、右手で下をまさぐった。
「っ」
ジェイクの熱を探り当てると、彼が短く呻いた。ここにきて初めて、余裕を少し失ったジェイクは小さく身じろいだ。
カチャカチャと、フィリがベルトを弄る音が響く。しばらく格闘していたフィリであるが、無理と察して諦めて両手を使う。闇に慣れた視界。あっさり攻略してみせた彼は、遠慮なくベルトを引き抜いた。
直後、ジェイクのごつごつとした手がフィリの下穿きごと下ろしてしまう。外に露出した熱は、我慢ならないとばかりに先走りを垂らす。
「大丈夫か」
先程とは異なり、小さな笑いを含んだ声だった。
にやりと口角を持ち上げたジェイクに、フィリは少しばかりむっとする。ジェイクだって、顔を出した熱ははち切れんばかりであった。
ジェイクの大きな手が、フィリの性器を包み込んだ。先端を親指で潰すように弄られて、フィリの腰が跳ねる。先走りでぬちょりと濡れたそれは、どくどくと脈打っていた。
「っ、あ」
堪らず声をもらすフィリは、腰が引けている。
けれどもジェイクは容赦がない。自分だって似たような状況なのに、己ばかりが追い詰められているこの状況がフィリは嫌だった。
懸命に下を見るフィリは、ほとんど手探りでジェイクの熱を握った。華奢な白い手で、見様見真似で弄ってみる。けれどもなにかが違うらしい。ジェイクは短く呻きはするものの、どっしり腰を据えたまま。
苦戦している間に、ジェイクの手が怪しい動きを見せた。フィリを抱きしめるように背中へ添えられていた左手が、いつの間にか下へ下へと向かっていく。
腰を優しく撫でられて、フィリの背中がぞくぞくと震えた。孔の周囲を念入りに確認するような手つきで、ジェイクの長い指が往復する。
「ふ、っ」
浅く息を吐くフィリは、ジェイクの熱から手を離して、代わりに縋りつくように彼の首に両腕を回した。そのまま腰を上げるフィリに、ジェイクが興奮したように舌なめずりした。
狭くて質素な寝室には、興奮が満ちていた。
滴り落ちる汗が、体液が、シーツに染みをつくっていく。
つぷっと孔を割って侵入する指に、フィリが息を詰めた。こういう関係を持ったのは、まだ片手で足りるほどだ。フィリが十八の誕生日を迎えた日、ジェイクはこの遊びをフィリに教えた。
いまだに慣れない行為は、フィリを強張らせるのと同時に昂らせた。娯楽のほとんどない鳥籠にて、フィリが初めて知った娯楽でもある。この行為がどういう意味を持つのか。フィリはまだ十分に理解していなかった。ただジェイクの求めに応じているだけ。しかしそこに不快な感情はない。快か不快か。無知なフィリが物事を判断するにあたって、それは重要な基準なのだ。
「ジェイク」
「っ!」
普段は呼ばないジェイクの名を口にする。するとジェイクは決まって眉間の皺を深くする。けれどもそれは不快感からではなく、興奮を押し隠すため。フィリもそれに気がついていた。
入り込んだ指が、フィリの中を動き回る。壁を引っ掻くようにしていいところを探る指は、さながら凶器のような存在感だ。
しれっと二本に増やされた指が、バラバラと不規則に動く。中を押し拡げるように進むそれは、確実にフィリを追い詰める。顔を真っ赤にして、額に汗を滲ませるフィリ。首元にすがりつく彼を空いた方の腕で支えてやりながらも、ジェイクは指を動かし続ける。
やがてジェイクの指が、一点をかすめた。途端に悲鳴を押し殺したフィリの腰がガクガク揺れる。
「う、んっ、あ!」
執拗に一点を責めるジェイクに、フィリが堪らず悲鳴をあげる。甘い甘い悲鳴は、ジェイクを昂らせるだけ。
二本の指で、挟み込むように責められる。
襲いくる快楽に、フィリはへたり込む。けれども腰をもっと上げろと言わんばかりに、ジェイクが指を孔に挿し込んだままぐいと尻を持ち上げる。
「あ、んあっ」
指が奥まで入り込む。強い快楽に、力が抜ける。しかしへたり込むとジェイクの容赦ない責めが加わる。どうにもできない状況に、フィリは追い詰められる。
「っ、ジェイク……!」
結局、彼に助けを求めるしかない。
懇願するような響きに、ジェイクが「ん」と応じる。
ジェイクはフィリをベッドに横たえると、指を抜いた。背中に伝わる慣れ親しんだベッドの感触に安堵するフィリであったが、暗闇の中、ジェイクが怪しく笑った。
「え、ちょ」
フィリの足を持ち上げて、大きく開かせる。間に座り込んだジェイクを見て、フィリは己が逃げ場を失ったことを悟った。
ぎゅっとシーツを握る。大きく皺の寄ったシーツは、既に様々な液体を吸い込んでいる。あとで洗濯しなければならない。
自身の性器を少し弄ったジェイクが、先端をぴたりとフィリの孔に押し当てた。どちらの先走りかわからないもので、もう十分に濡れていた。
つま先を丸めるフィリは、けれどもこの先に待ち構えるであろう快楽にどこかで期待していた。
「フィリ。いいか」
短い問いかけに答える暇もなく。熱い塊が、孔をみちみちと押し拡げる。指とは質量の異なるそれに、フィリが息を詰めた。反射的に逃れようとシーツを蹴るが、そんな弱々しい抵抗ではどうにもならない。
「あ。ちょ、やめっ」
「っ、フィリ」
我が物顔で侵入して、そのまま居座るジェイクの熱が、フィリを責め立てる。懸命に呑み込もうとする小さな孔は、健気に収縮を繰り返す。
「フィリ……!」
「んあ、っ」
なにやら感情が高ぶったらしいジェイクが、フィリに覆い被さる。ベッドとジェイクの逞しい身体に挟まれたフィリは、息苦しさに小さく呻いた。それを宥めるように、フィリの細い髪をジェイクの無骨な手が撫でる。
ぐっと歯を食いしばったジェイクに、フィリの細い身体が震える。押し込まれた象徴が、とうに我慢の限界を超えていることは口にせずとも理解していた。
ジェイクの手が、フィリの頭から離れた。代わりにベッドに両手をついたジェイクが一層激しく腰を動かした。身体の中心に、熱が放出される。ドクドクと脈打つ熱が、フィリの中へと注ぎ込まれる。
ビクビクと痙攣するフィリも、いつの間にか白濁を吐いていた。つうと己の太腿を垂れていく感覚に、フィリはなんとも言えない興奮を覚えた。
最後の一滴まで注ぎ込んだジェイクが、丹念に塗り込めるかのようにゆっくりゆっくり抜いていく。そのもどかしい動きに、フィリは甘い悲鳴をもらした。
「フィリ。好きだ」
ジェイクの言葉に、フィリは小さく頷いた。フィリもジェイクのことは好ましいと思っている。けれどもフィリは、ジェイク以外の人間を知らない。幼い頃からずっとジェイクしか知らないのだ。
これは雛鳥の刷り込みに似ている。この狭い鳥籠の中。フィリは唯一の他人であるジェイクを慕っていた。まさしく雛鳥のように。
互いに上半身裸のまま、強く抱き合った。
汗でしっとり濡れた肌は、ふたりの興奮を表していた。噛みつくようなキスに、フィリは肩で息をする。浅く何度も吸って吐いてを繰り返す華奢な身体が、徐々に熱を帯び始める。
ベッドの上に胡座をかいたジェイクが、膝にフィリをのせた。向かい合うふたりであるが、その余裕には乖離があった。息ひとつ乱さないジェイクは、鬱陶しそうに自身の前髪を掻き上げる。一方のフィリは、くたりとジェイクの胸に倒れ込んだ。
「大丈夫か」
短い問いに、フィリは目を瞑った。
ジェイクの胸の中におさまってしまうフィリは、ひどく頼りないように見えた。しばらくその背中を撫でていたジェイクであるが、彼の中心が熱を持ち始めたことは隠しようもない。悟ったフィリは、薄目を開ける。ジェイクの胸におさまったまま、右手で下をまさぐった。
「っ」
ジェイクの熱を探り当てると、彼が短く呻いた。ここにきて初めて、余裕を少し失ったジェイクは小さく身じろいだ。
カチャカチャと、フィリがベルトを弄る音が響く。しばらく格闘していたフィリであるが、無理と察して諦めて両手を使う。闇に慣れた視界。あっさり攻略してみせた彼は、遠慮なくベルトを引き抜いた。
直後、ジェイクのごつごつとした手がフィリの下穿きごと下ろしてしまう。外に露出した熱は、我慢ならないとばかりに先走りを垂らす。
「大丈夫か」
先程とは異なり、小さな笑いを含んだ声だった。
にやりと口角を持ち上げたジェイクに、フィリは少しばかりむっとする。ジェイクだって、顔を出した熱ははち切れんばかりであった。
ジェイクの大きな手が、フィリの性器を包み込んだ。先端を親指で潰すように弄られて、フィリの腰が跳ねる。先走りでぬちょりと濡れたそれは、どくどくと脈打っていた。
「っ、あ」
堪らず声をもらすフィリは、腰が引けている。
けれどもジェイクは容赦がない。自分だって似たような状況なのに、己ばかりが追い詰められているこの状況がフィリは嫌だった。
懸命に下を見るフィリは、ほとんど手探りでジェイクの熱を握った。華奢な白い手で、見様見真似で弄ってみる。けれどもなにかが違うらしい。ジェイクは短く呻きはするものの、どっしり腰を据えたまま。
苦戦している間に、ジェイクの手が怪しい動きを見せた。フィリを抱きしめるように背中へ添えられていた左手が、いつの間にか下へ下へと向かっていく。
腰を優しく撫でられて、フィリの背中がぞくぞくと震えた。孔の周囲を念入りに確認するような手つきで、ジェイクの長い指が往復する。
「ふ、っ」
浅く息を吐くフィリは、ジェイクの熱から手を離して、代わりに縋りつくように彼の首に両腕を回した。そのまま腰を上げるフィリに、ジェイクが興奮したように舌なめずりした。
狭くて質素な寝室には、興奮が満ちていた。
滴り落ちる汗が、体液が、シーツに染みをつくっていく。
つぷっと孔を割って侵入する指に、フィリが息を詰めた。こういう関係を持ったのは、まだ片手で足りるほどだ。フィリが十八の誕生日を迎えた日、ジェイクはこの遊びをフィリに教えた。
いまだに慣れない行為は、フィリを強張らせるのと同時に昂らせた。娯楽のほとんどない鳥籠にて、フィリが初めて知った娯楽でもある。この行為がどういう意味を持つのか。フィリはまだ十分に理解していなかった。ただジェイクの求めに応じているだけ。しかしそこに不快な感情はない。快か不快か。無知なフィリが物事を判断するにあたって、それは重要な基準なのだ。
「ジェイク」
「っ!」
普段は呼ばないジェイクの名を口にする。するとジェイクは決まって眉間の皺を深くする。けれどもそれは不快感からではなく、興奮を押し隠すため。フィリもそれに気がついていた。
入り込んだ指が、フィリの中を動き回る。壁を引っ掻くようにしていいところを探る指は、さながら凶器のような存在感だ。
しれっと二本に増やされた指が、バラバラと不規則に動く。中を押し拡げるように進むそれは、確実にフィリを追い詰める。顔を真っ赤にして、額に汗を滲ませるフィリ。首元にすがりつく彼を空いた方の腕で支えてやりながらも、ジェイクは指を動かし続ける。
やがてジェイクの指が、一点をかすめた。途端に悲鳴を押し殺したフィリの腰がガクガク揺れる。
「う、んっ、あ!」
執拗に一点を責めるジェイクに、フィリが堪らず悲鳴をあげる。甘い甘い悲鳴は、ジェイクを昂らせるだけ。
二本の指で、挟み込むように責められる。
襲いくる快楽に、フィリはへたり込む。けれども腰をもっと上げろと言わんばかりに、ジェイクが指を孔に挿し込んだままぐいと尻を持ち上げる。
「あ、んあっ」
指が奥まで入り込む。強い快楽に、力が抜ける。しかしへたり込むとジェイクの容赦ない責めが加わる。どうにもできない状況に、フィリは追い詰められる。
「っ、ジェイク……!」
結局、彼に助けを求めるしかない。
懇願するような響きに、ジェイクが「ん」と応じる。
ジェイクはフィリをベッドに横たえると、指を抜いた。背中に伝わる慣れ親しんだベッドの感触に安堵するフィリであったが、暗闇の中、ジェイクが怪しく笑った。
「え、ちょ」
フィリの足を持ち上げて、大きく開かせる。間に座り込んだジェイクを見て、フィリは己が逃げ場を失ったことを悟った。
ぎゅっとシーツを握る。大きく皺の寄ったシーツは、既に様々な液体を吸い込んでいる。あとで洗濯しなければならない。
自身の性器を少し弄ったジェイクが、先端をぴたりとフィリの孔に押し当てた。どちらの先走りかわからないもので、もう十分に濡れていた。
つま先を丸めるフィリは、けれどもこの先に待ち構えるであろう快楽にどこかで期待していた。
「フィリ。いいか」
短い問いかけに答える暇もなく。熱い塊が、孔をみちみちと押し拡げる。指とは質量の異なるそれに、フィリが息を詰めた。反射的に逃れようとシーツを蹴るが、そんな弱々しい抵抗ではどうにもならない。
「あ。ちょ、やめっ」
「っ、フィリ」
我が物顔で侵入して、そのまま居座るジェイクの熱が、フィリを責め立てる。懸命に呑み込もうとする小さな孔は、健気に収縮を繰り返す。
「フィリ……!」
「んあ、っ」
なにやら感情が高ぶったらしいジェイクが、フィリに覆い被さる。ベッドとジェイクの逞しい身体に挟まれたフィリは、息苦しさに小さく呻いた。それを宥めるように、フィリの細い髪をジェイクの無骨な手が撫でる。
ぐっと歯を食いしばったジェイクに、フィリの細い身体が震える。押し込まれた象徴が、とうに我慢の限界を超えていることは口にせずとも理解していた。
ジェイクの手が、フィリの頭から離れた。代わりにベッドに両手をついたジェイクが一層激しく腰を動かした。身体の中心に、熱が放出される。ドクドクと脈打つ熱が、フィリの中へと注ぎ込まれる。
ビクビクと痙攣するフィリも、いつの間にか白濁を吐いていた。つうと己の太腿を垂れていく感覚に、フィリはなんとも言えない興奮を覚えた。
最後の一滴まで注ぎ込んだジェイクが、丹念に塗り込めるかのようにゆっくりゆっくり抜いていく。そのもどかしい動きに、フィリは甘い悲鳴をもらした。
「フィリ。好きだ」
ジェイクの言葉に、フィリは小さく頷いた。フィリもジェイクのことは好ましいと思っている。けれどもフィリは、ジェイク以外の人間を知らない。幼い頃からずっとジェイクしか知らないのだ。
これは雛鳥の刷り込みに似ている。この狭い鳥籠の中。フィリは唯一の他人であるジェイクを慕っていた。まさしく雛鳥のように。
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