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家族
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「そうだ! 相見」
「……?」
「週末、一緒にテスト勉強しない?」
「……あぁ、別にいいけど」
「じゃあ泊まり掛けでよろしく♪」
「なっ……は?」
「もちろん、相見の家で」
「ちょっと待て。そんなこと勝手に決められても――」
「分かってるって。ご両親は今海外でしょ?お兄さんたちに聞くだけ聞いてみてよ」
ニコニコ顔の唐木はそう簡単には引き下がらないだろう。
俺は空を見上げて、あからさまに大きな溜息を零した。
「……聞くだけ、だからな。ダメだったとしても文句言うなよ?」
「もちろん! じゃあ結果はメールで宜しく♪」
「明日学校で会うだろうが」
「予定は早く知っておきたいじゃん」
そう大差はないと思うのだが……。
そんなこと突っ込んでも聞く耳持たないだろう。
(まあ、唐木ならいいか。李煌さんは多分OKするんだろうし。問題は兄貴か……)
兄貴というのは、もちろん次男の魁里のことだ。
あまり他人を寄せ付けないオーラを放っていて、家族になった俺でさえ、必要以上には話もしない。
残る四男の悠璃は、李煌さんがイイと言えば直ぐに頷くだろう。
ブラコンと言っても過言ではないほどに、兄に懐いている。
特に李煌さんに。
まったくもって、厄介だ。
――いろいろと。
途中で唐木と別れた俺は、スクールカバンを小脇に挟む。
(あ……そういえば……)
と、無断投函されていた封筒を頭の片隅で思い出しながら家路についた。
*****
「大河くーん! もうすぐご飯出来るよー」
李煌さんの下から呼ぶ声が聞こえ、俺は読んでいた雑誌をその辺に放って自室を出た。
リビングに入ると、対面になっているキッチンで李煌さんが一人、夕飯の準備に行ったり来たりしていた。
「二人は?」
「魁くんはまだ大学みたい。悠くんは友達と寄り道してくるって。先に二人で食べちゃおっか」
ニコッと微笑む李煌さんに、俺も笑顔を……と思ったが、頬の筋肉が引き攣りそうで止めた。
(なっさけねーな……。一緒に暮らし始めて何年経つと思ってんだ)
俺は李煌さんの前では笑えない。
わざとそうしているのではなく、反射的に顔が強張ってしまうのだ。
理由は、彼の前だと緊張してしまうから――。
結局、俺は無言のまま頷いて席についた。
(苦笑いならできるんだけどな。そういう会話の時しか笑えないって、どうなんだ? 人として)
唐木とか他の人間の前では普通に笑えているはずだ。
(……アイツはやたら笑うから、並が分からないな)
唐木の顔が頭に浮かんだところでハッとある事を思い出した。
丁度席についた李煌さんに、俺は切り出してみる。
「李煌さん、ちょっとお願いがあるんだけど……」
「ん? なになに? 珍しいね、大河くんがお願い事してくるなんて」
箸の先を口元に当てて、嬉しそうに笑顔を向けて来る李煌さん。
自然と出るその仕草が俺の心拍数を上げて行く。
(か、可愛過ぎるだろっ。そんな物欲しそうに……っ)
今まで保った俺の理性を褒めてやりたい。
「……?」
「週末、一緒にテスト勉強しない?」
「……あぁ、別にいいけど」
「じゃあ泊まり掛けでよろしく♪」
「なっ……は?」
「もちろん、相見の家で」
「ちょっと待て。そんなこと勝手に決められても――」
「分かってるって。ご両親は今海外でしょ?お兄さんたちに聞くだけ聞いてみてよ」
ニコニコ顔の唐木はそう簡単には引き下がらないだろう。
俺は空を見上げて、あからさまに大きな溜息を零した。
「……聞くだけ、だからな。ダメだったとしても文句言うなよ?」
「もちろん! じゃあ結果はメールで宜しく♪」
「明日学校で会うだろうが」
「予定は早く知っておきたいじゃん」
そう大差はないと思うのだが……。
そんなこと突っ込んでも聞く耳持たないだろう。
(まあ、唐木ならいいか。李煌さんは多分OKするんだろうし。問題は兄貴か……)
兄貴というのは、もちろん次男の魁里のことだ。
あまり他人を寄せ付けないオーラを放っていて、家族になった俺でさえ、必要以上には話もしない。
残る四男の悠璃は、李煌さんがイイと言えば直ぐに頷くだろう。
ブラコンと言っても過言ではないほどに、兄に懐いている。
特に李煌さんに。
まったくもって、厄介だ。
――いろいろと。
途中で唐木と別れた俺は、スクールカバンを小脇に挟む。
(あ……そういえば……)
と、無断投函されていた封筒を頭の片隅で思い出しながら家路についた。
*****
「大河くーん! もうすぐご飯出来るよー」
李煌さんの下から呼ぶ声が聞こえ、俺は読んでいた雑誌をその辺に放って自室を出た。
リビングに入ると、対面になっているキッチンで李煌さんが一人、夕飯の準備に行ったり来たりしていた。
「二人は?」
「魁くんはまだ大学みたい。悠くんは友達と寄り道してくるって。先に二人で食べちゃおっか」
ニコッと微笑む李煌さんに、俺も笑顔を……と思ったが、頬の筋肉が引き攣りそうで止めた。
(なっさけねーな……。一緒に暮らし始めて何年経つと思ってんだ)
俺は李煌さんの前では笑えない。
わざとそうしているのではなく、反射的に顔が強張ってしまうのだ。
理由は、彼の前だと緊張してしまうから――。
結局、俺は無言のまま頷いて席についた。
(苦笑いならできるんだけどな。そういう会話の時しか笑えないって、どうなんだ? 人として)
唐木とか他の人間の前では普通に笑えているはずだ。
(……アイツはやたら笑うから、並が分からないな)
唐木の顔が頭に浮かんだところでハッとある事を思い出した。
丁度席についた李煌さんに、俺は切り出してみる。
「李煌さん、ちょっとお願いがあるんだけど……」
「ん? なになに? 珍しいね、大河くんがお願い事してくるなんて」
箸の先を口元に当てて、嬉しそうに笑顔を向けて来る李煌さん。
自然と出るその仕草が俺の心拍数を上げて行く。
(か、可愛過ぎるだろっ。そんな物欲しそうに……っ)
今まで保った俺の理性を褒めてやりたい。
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