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家族2
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勉強会当日。
昼少し過ぎに唐木が家にやって来た。
「おじゃましまーす。……うわ、相見の家、すっごく広くて綺麗だねぇ」
入るなり、きょろきょろと見回す唐木を俺の部屋に案内する。
「そういえば、家の前までは来たことあっても入ったことはなかったんだっけ」
「うんうん。だからやっと入れてちょっとテンション上がってるんだよねー」
「ちゃんと勉強しろよ?」
「分かってるって。――今日はお兄さんとかいないの?」
自室の扉を閉めて、荷物を下ろした唐木が訊いてきた。
「李煌さん……一番上は買い出しに行ってる。二番目は部屋に閉じこもって仕事中。下は友達のところに遊びに行ってるはずだ」
「へー……。二番目のお兄さんって、大学生でしょ? 仕事って……」
勝手に教えていいものかと一瞬躊躇う。
「あ、言えないならいいよ! 無理に聞こうなんて思ってないし」
俺の躊躇を察したのか唐木が慌てて手を振った。
「いや、いい。兄貴はプログラマーの仕事を少しやってる。大学に通いながらだから簡単な仕事しか引き受けてないみたいだけど」
「凄いねー。頭いいんだ?」
「……まあ、そうだな」
凄いね、と頻りに繰り返す友人を余所に、俺は参考書とノートをテーブルの上に広げた。
兄貴のことをいろいろ語る気はないが、唐木に言った通り、頭脳明晰であることは事実だ。
俺はあまり興味がないから知らないが、どこかの外国にある大学から声がかかる程……らしい。
そんな人間がどうして日本の大学に通っているのか、それは本人にしか分からない。
李煌さんなら知っているかもしれないが、訊くほど興味が湧かない。
「あ、相見は数学から? じゃあ僕もそれからやろうかな」
向かいに腰を落ち着けた唐木が、俺の参考書を見るなりそう決めたようだ。
「うーん……この場合、公式ってどれ使うんだろ……」
始めて十五分ほどで唐木のペンが止まった。
俺は視線を上げて彼の手元を見遣る。
「――これはこっちの公式だ。あと、こことこっちを先に計算した方が効率がいい」
シャーペンの先で相手のノートを指しながら解説してやる。
「わあ。本当だ! ありがとう」
また走り出した唐木のペンを何気なく眺める。
「……お前って、数学得意じゃなかったか?確か前のテストでイイ点取ったとか言ってただろ」
「え? そうだっけ? あー、もしかして小テストの時かな。前にやった授業の問題ならまだ覚えてるから解けるんだけど、時間経ち過ぎちゃうと……ねえ?」
(それはいろいろと問題なんじゃないのか……?)
ねえ? と同意を求められても返事のしようがない。
「ある程度の復習は、定期的にやるべきだぞ」
「うっわ、真面目! さすが相見。授業半分は寝てるくせに!」
(最後のは余計だろっ)
心中で突っ込みつつ、視線を自分のノートに戻してペンを走らせる。
「何がさすがなんだか……」
何気なく零した俺の呟きに、唐木が不思議そうに意味深な言葉を投げかけて来た。
昼少し過ぎに唐木が家にやって来た。
「おじゃましまーす。……うわ、相見の家、すっごく広くて綺麗だねぇ」
入るなり、きょろきょろと見回す唐木を俺の部屋に案内する。
「そういえば、家の前までは来たことあっても入ったことはなかったんだっけ」
「うんうん。だからやっと入れてちょっとテンション上がってるんだよねー」
「ちゃんと勉強しろよ?」
「分かってるって。――今日はお兄さんとかいないの?」
自室の扉を閉めて、荷物を下ろした唐木が訊いてきた。
「李煌さん……一番上は買い出しに行ってる。二番目は部屋に閉じこもって仕事中。下は友達のところに遊びに行ってるはずだ」
「へー……。二番目のお兄さんって、大学生でしょ? 仕事って……」
勝手に教えていいものかと一瞬躊躇う。
「あ、言えないならいいよ! 無理に聞こうなんて思ってないし」
俺の躊躇を察したのか唐木が慌てて手を振った。
「いや、いい。兄貴はプログラマーの仕事を少しやってる。大学に通いながらだから簡単な仕事しか引き受けてないみたいだけど」
「凄いねー。頭いいんだ?」
「……まあ、そうだな」
凄いね、と頻りに繰り返す友人を余所に、俺は参考書とノートをテーブルの上に広げた。
兄貴のことをいろいろ語る気はないが、唐木に言った通り、頭脳明晰であることは事実だ。
俺はあまり興味がないから知らないが、どこかの外国にある大学から声がかかる程……らしい。
そんな人間がどうして日本の大学に通っているのか、それは本人にしか分からない。
李煌さんなら知っているかもしれないが、訊くほど興味が湧かない。
「あ、相見は数学から? じゃあ僕もそれからやろうかな」
向かいに腰を落ち着けた唐木が、俺の参考書を見るなりそう決めたようだ。
「うーん……この場合、公式ってどれ使うんだろ……」
始めて十五分ほどで唐木のペンが止まった。
俺は視線を上げて彼の手元を見遣る。
「――これはこっちの公式だ。あと、こことこっちを先に計算した方が効率がいい」
シャーペンの先で相手のノートを指しながら解説してやる。
「わあ。本当だ! ありがとう」
また走り出した唐木のペンを何気なく眺める。
「……お前って、数学得意じゃなかったか?確か前のテストでイイ点取ったとか言ってただろ」
「え? そうだっけ? あー、もしかして小テストの時かな。前にやった授業の問題ならまだ覚えてるから解けるんだけど、時間経ち過ぎちゃうと……ねえ?」
(それはいろいろと問題なんじゃないのか……?)
ねえ? と同意を求められても返事のしようがない。
「ある程度の復習は、定期的にやるべきだぞ」
「うっわ、真面目! さすが相見。授業半分は寝てるくせに!」
(最後のは余計だろっ)
心中で突っ込みつつ、視線を自分のノートに戻してペンを走らせる。
「何がさすがなんだか……」
何気なく零した俺の呟きに、唐木が不思議そうに意味深な言葉を投げかけて来た。
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