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第二章 人形の怪
【参】ー3
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「うちに恨みを持つ人ですか? 正直分かりません。命を狙われるほどの恨みなんて記憶にないです……。娘に至ってもそのような話は聞いたこともないですし、敵を作るような子じゃありませんからっ」
「そうですか。何か思い出したり気付いたことがあればご連絡ください」
潔く引いた晴明は顔を白くさせている中路に護符を手渡す。
「人形の浄化が終わるまではこれを娘さんの傍に置いて下さい」
「はい……分かりました」
中路家を出て直ぐに騰蛇が首を伸ばしてくる。
「父親、相当参ってたな。娘を庇うのは当然かもしれないけど、恨みなんてのは一方的なのが常だ。親子共々気付いてない可能性があるな。……それで? 人形は何処で片付けるんだ?」
顔の真横でちろちろと赤い舌が見え隠れするのを横目で見ながら晴明は「一ヶ所当てがあります」とだけ告げた。
これから移動するには遅い時間だ。
一度旅館に戻り、騰蛇の中に眠る人形の入った箱を吐き出させることにした。
「うえぇ……まだ腹ん中がぞわぞわする気がする」
ぺっぺと余韻を吐いている騰蛇に部屋に用意されているグラスに水を注いで目の前に置いてやると、真っ白い頭を直接突っ込んでゴクゴクと飲み始めた。
気がするのは恐らくその通り気がするだけだろう。
しっかり封印も出来ていたし、もし呑み込んだことで影響があれば普通にしていられるはずがない。
それでもここまで運んでくれたのだから「ご苦労様でした」と労いの言葉くらいは掛けておく。
「次からは先に言っておいてくれると助かるな」
「善処します」
呪物の丸呑みなど状況によって突発的である可能性の方が高いのだが、晴明の承諾に近い言葉を聞いた騰蛇は満足したようだ。
彼も先に言うことなどほとんど叶わないことくらい分かっているのだ。
外に出た箱にもう一度封印を施してから今後の予定を話す。
「明日、早朝に発ちます。ここからだと距離があるのでまた何処かで一泊することになるでしょう」
「帰らずに人形の対処に向かうんだな。貴人には一応知らせておいた方がいいよな?」
敷かれた布団の上で長い身体を丸めながら言う騰蛇に「そうですね」と返した。
「そうですか。何か思い出したり気付いたことがあればご連絡ください」
潔く引いた晴明は顔を白くさせている中路に護符を手渡す。
「人形の浄化が終わるまではこれを娘さんの傍に置いて下さい」
「はい……分かりました」
中路家を出て直ぐに騰蛇が首を伸ばしてくる。
「父親、相当参ってたな。娘を庇うのは当然かもしれないけど、恨みなんてのは一方的なのが常だ。親子共々気付いてない可能性があるな。……それで? 人形は何処で片付けるんだ?」
顔の真横でちろちろと赤い舌が見え隠れするのを横目で見ながら晴明は「一ヶ所当てがあります」とだけ告げた。
これから移動するには遅い時間だ。
一度旅館に戻り、騰蛇の中に眠る人形の入った箱を吐き出させることにした。
「うえぇ……まだ腹ん中がぞわぞわする気がする」
ぺっぺと余韻を吐いている騰蛇に部屋に用意されているグラスに水を注いで目の前に置いてやると、真っ白い頭を直接突っ込んでゴクゴクと飲み始めた。
気がするのは恐らくその通り気がするだけだろう。
しっかり封印も出来ていたし、もし呑み込んだことで影響があれば普通にしていられるはずがない。
それでもここまで運んでくれたのだから「ご苦労様でした」と労いの言葉くらいは掛けておく。
「次からは先に言っておいてくれると助かるな」
「善処します」
呪物の丸呑みなど状況によって突発的である可能性の方が高いのだが、晴明の承諾に近い言葉を聞いた騰蛇は満足したようだ。
彼も先に言うことなどほとんど叶わないことくらい分かっているのだ。
外に出た箱にもう一度封印を施してから今後の予定を話す。
「明日、早朝に発ちます。ここからだと距離があるのでまた何処かで一泊することになるでしょう」
「帰らずに人形の対処に向かうんだな。貴人には一応知らせておいた方がいいよな?」
敷かれた布団の上で長い身体を丸めながら言う騰蛇に「そうですね」と返した。
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