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君恋5
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変な汗を掻きそうになりながら、話を元に戻す。
「打ち上げの日程、どうしましょう。週末に入る前の方がいいですよね」
「そうだな。水曜辺りがいいんじゃないか? カフェの終わった後なら客も引くだろうし、P帯の奴には店を閉めたら合流する形にすれば」
「そうですね。じゃあ、場所は中間辺りで考えてみます」
「俺も提案するが?」
「あー、いえ。今回は俺にやらせて下さい」
「――……そうか」
俺の気持ちを酌んでくれたのか、引き下がってくれた榊さんに安堵した。
「でも本当に打ち上げの話で来たんでしたら、電話でも良かったのに……」
「いや、優一の顔も見たくて寄ったんだ。アレ以来だったからな」
「そ、そうですか……」
仕事帰りに寄ってくれたとしたら、遠回りをしてくれたことになる。
(わざわざ顔を見にって、本当に俺の事、好き……なのか……)
火照る顔を夏の夜風が撫でて行く。
「それじゃあ、打ち上げの事は優一に任せる。が、困ったことがあったら直ぐ俺に言うんだぞ」
「あ、はい。わかりました。――おやすみなさい」
踵を返した榊さんの背中に軽く頭を下げる。
と、靴音が途中で止まった。
「優一」
「え、……?」
「お前の飯、美味かった。じゃあな」
「――っ!!?」
どうしてこう、この人は……。
俺の欲しい言葉をサラッと口にするんだろう。
今この瞬間ほど、夜で本当に良かったと思ったことはない。
真っ赤に染まっているはずの顔はそのままに、ギュッと下唇を噛む。
そして小さく呟いた。
「この……キザ眼鏡がっ」
これが俺の精一杯の反抗だった。
「打ち上げの日程、どうしましょう。週末に入る前の方がいいですよね」
「そうだな。水曜辺りがいいんじゃないか? カフェの終わった後なら客も引くだろうし、P帯の奴には店を閉めたら合流する形にすれば」
「そうですね。じゃあ、場所は中間辺りで考えてみます」
「俺も提案するが?」
「あー、いえ。今回は俺にやらせて下さい」
「――……そうか」
俺の気持ちを酌んでくれたのか、引き下がってくれた榊さんに安堵した。
「でも本当に打ち上げの話で来たんでしたら、電話でも良かったのに……」
「いや、優一の顔も見たくて寄ったんだ。アレ以来だったからな」
「そ、そうですか……」
仕事帰りに寄ってくれたとしたら、遠回りをしてくれたことになる。
(わざわざ顔を見にって、本当に俺の事、好き……なのか……)
火照る顔を夏の夜風が撫でて行く。
「それじゃあ、打ち上げの事は優一に任せる。が、困ったことがあったら直ぐ俺に言うんだぞ」
「あ、はい。わかりました。――おやすみなさい」
踵を返した榊さんの背中に軽く頭を下げる。
と、靴音が途中で止まった。
「優一」
「え、……?」
「お前の飯、美味かった。じゃあな」
「――っ!!?」
どうしてこう、この人は……。
俺の欲しい言葉をサラッと口にするんだろう。
今この瞬間ほど、夜で本当に良かったと思ったことはない。
真っ赤に染まっているはずの顔はそのままに、ギュッと下唇を噛む。
そして小さく呟いた。
「この……キザ眼鏡がっ」
これが俺の精一杯の反抗だった。
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