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いじめ
私がシンデレラでした
しおりを挟むバットが顎にクリーンヒットで
学校に行きにくくなった私は
早速、部活を辞める事にした。
そもそも、運動部に不向きな自分の
身体能力の低さには自分でもびっくりだった。
迷いは無かった。
学校に着くなり退部願いを出しに
顧問の先生に会った。
顧問の先生からは凄く引き止められたが
感謝の言葉を言い、その場を後にした。
その足で、グローブなどの私物を取りに
部室に向かうと
1週間、部停になったにも関わらず
先輩や同級生が居た。
全員で何やら会議をしていたようだ。
お疲れ様です。と言い
私物を急いでかき集めた。
最後に、自分のロッカーの前に置いていた
スパイクを取ろうとしたとき
前日、私をバットで殴った真琴が
こう言った。
もうそのスパイク使わないでしょ~
もらってあげるから貸しなよ。
もちろん断ったが
私がスパイクに手を伸ばす前に
違う同級生に奪い取られてしまった。
このスパイクは、ドケチなお父さんが
文房具以外で
初めて私にグローブと一緒に買ってくれたものだった。
言葉を失い、
無言で立ち尽くす私を横目に
みんなが私のスパイクを
シンデレラのガラスの靴かのように
回して試し履きしていった。
幸いにも私の足の大きさと合う人がおらず
おもんねー。と言われ
投げつけて返された。
スパイクの裏側は石のように硬かった。
良かったよ。
私がシンデレラで。と謎の安心感を感じながらスパイクを拾い部室を出た。
我慢していた涙をやっと流せると
部室に背を向け歩き出した瞬間
パリーーーン!!!
ガシャッ!!
とものすごい物音と同時に
キャーーーーーッ!!
と部室にいたみんなの叫び声がした。
が、引き返して
何しに戻ってきたの?となっては困るので
気になりつつも
足早に校舎目指して歩いた。
もうすぐ校舎の下駄箱だというところまで来た。
後ろから真琴と同級生が私の名を叫んでいたので
ようやく振り返ると
真琴も同級生も服のいたるところに血の跡が滲んでいた。
ふぁ!?!?
と叫びそうになったが、一応冷静を装いつつ
なに?と聞くと
真琴が、青ざめた顔でこう言った。
あの男の人は誰?
あんた何したん!?と
訳がわからず首を傾げていると
急に真琴に手を引かれ部室まで連れ戻された。
ドアの開いている
さっきまで居た薄暗い部室を覗くと
全身に鳥肌が立った。
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