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story〜5
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「そんなところに座ってたら
風邪ひくよ。良かったら店の中に
どうぞ」
「勝手に、自分からここに
いさせてもらってるのに…
ホントスミマセン」
あの事件から3日…。
割れてしまった窓ガラスは、スグに
直してもらったがカフェは休んでいる。
オーシャは毎日ここから通うと
言ってくれていたがオープンが
迫っているマリンクラブもある為、
帰ってもらっていた。その代わり…
ではないが、ジュノーが毎晩…
ボディーガードの様に店の前で
座ってくれていた。
「いくら夏でも、一晩中外に
いたら、身体も冷えちゃうわよ。
店のソファで寝たら?」
…と言いながらマビアはジュノーに
ココアを手渡した。
「ありがとうございます。ここは
ボクが見てるので、マビアさんは
休んで下さい」
「ありがとう」
「あの…」
「ん?」
「この間はボクのこと…信じて
くれてありがとうございます」
「ジュノーはウソとかつけない
人の様な気がしたの。それに
もしジュノーが犯人なら、
かすり傷なんだから逃げること
だって出来たわけじゃない?
だから私は、違うと思ったの。
でもね…前から1つ気になってた
ことあるんだけど…」
「気になってたこと?」
「どうして毎日、ここの景色を
眺めに来るの?海が好きなら、
海まで行けば良いじゃない?」
ジュノーは景色を眺めながら
ユックリ答えた。
「実は、ここからの景色って…
前に見た事のある景色と
似てるんです」
「そうなんだ…」
「大好きな人と見た想い出の
場所、なんですけどね…」
「その大好きな人を置いて
ここにいていいの?」
「もういないんです。7年前に…
病気で…」
「そうだったのね…ゴメンね、
変なこと…」
「いえ…大丈夫です。今はボクも
ようやく彼女との事を良い
思い出に出来るようになって
きたので…」
「何だかわかるわ。私もだから…」
「マビアさんも?」
「私も夫を7年前にね…ようやく
少しずつ良い思い出に出来る
ようになってきた。それにね…
ここは夫が残してくれた大切な
場所なの。だから守ってくれて
嬉しかったのよ、ありがとう」
「そうでしたか…」
「さて…今夜は、もう休んで。
おやすみ」
「ありがとうございます。
ココアもごちそう様でした。
おやすみなさい」
マビアは2階の自宅へ戻ると夫の
写真を見ていた。
「アナタが、ジュノーを連れて
きてくれたの?まさかね…。
とにかくこの家を守ってくれて
ありがとうね…」
心の中で話しかけていた。
そして…次の日から店を開ける
ことにした。
「おはよう、ジュノー。少しは
眠れた?寒くなかった?」
「おはようございます。大丈夫
です。眠れました」
「今日から店を開けるわ。でも
ジュノーは寝てないんだから、
家に帰って休んで」
「いえ、店を開けるなら、ボクも
手伝います。マビアさんが店を
始める気持ちになってくれて…
嬉しいです」
「ありがとう。それじゃあ店の
前の掃除をお願いね。でも、
その前に…顔洗って身支度を
整えないと。私は2人分の
朝ごはんを用意するから、
一緒に自宅へ上がってきて」
「えっ…女性の部屋に、上がる
わけには…」
「フフッ…あなたは、信用できる
って言ったでしょ?それとも
違うの?」
「いえ、そんなことはないです。
でも、失礼かと思って…」
「冗談よ。店に出るなら清潔に
してもらわないと。顔を洗って
洋服も夫のモノだけど、シャツ
くらいならあるから着替えて。
それに、ちゃんと食べないと
仕事にならないでしょ?」
「何から何までスミマセン…。
ありがとうございます」
「洗面所はそっちだから。
終わったらバルコニーへ来て」
マビアは毎朝作っている朝食を
二人分作ると、バルコニーへ
持って行き、準備を始めた。
ジュノーはバルコニーへ向かうと
あまりの絶景に言葉を失った…。
「ここは私のお気に入りの場所
なのよ」
「凄い…本当に絶景ですね。
これを毎日見れるなんて…
羨ましいです」
「毎朝この景色を見ると1日
頑張れるのよね」
「ボクも今、そんな気がして
います。今日から頑張ります!」
2人はバルコニーでの朝食を
済ませるとカフェでの準備を
始めた。
一方オーシャは、リニューアル
オープンを明日に控え、大忙しだった…。
「そこ、もう少し動かして。
お客様に見えるようにね…
そうそう。コーラル、ちょっと
来てくれない?」
「ハイ!スイマセン…ちょっと
離れます。オーナー、失礼します。
何でしょうか?」
「ちゃんと研修受けてきた?」
「ハイ、受けてきました」
「いよいよ明日から、お客様が
入ってくるけど、どの方も長年の
会員様ばかりだから失礼のない
ようにね…それと…」
「言葉遣い…ですよね?作法も
習ってきたので大丈夫です。
わからないことは、先輩の
皆さんに聞きながら動いて
いきます」
「それなら良いけど。それと
今夜ね、マビーにディナーへ
来ない?って誘われてるから
行くつもりなんだけど…。
一緒に来てくれない?」
「ハイ。でも、どうして…?」
「ジュノーが…あの事件以降、
店で見張りをしてるらしいのよ。
マビーは大丈夫だから…って
私を帰したけど心配でね…」
「何を考えているのか…探れと?」
「まぁ…それもあるし。ジュノーも
男の子なんだし、下心がないと
言い切れないでしょ?マビーって
ピュアな所があるからね…騙され
ないか心配なのよ」
「ジュノーはイイ奴ですよ。オレが
言うのもおかしいですけど。
下心を持って、どうこうしよう
とかないです…絶対に!昔、
付き合ってた彼女がいたんです
けど病気で亡くなったんですよ…
もう5年以上経つかな…」
「そうなの。まぁ…でも一緒に
来て話を聞いてみてくれる?」
「わかりました。さり気なく
探り入れますよ」
「お願いね…」
こうして、仕事が終わった後
オーシャとコーラルは、マビアの
店へ向かうことになった。
風邪ひくよ。良かったら店の中に
どうぞ」
「勝手に、自分からここに
いさせてもらってるのに…
ホントスミマセン」
あの事件から3日…。
割れてしまった窓ガラスは、スグに
直してもらったがカフェは休んでいる。
オーシャは毎日ここから通うと
言ってくれていたがオープンが
迫っているマリンクラブもある為、
帰ってもらっていた。その代わり…
ではないが、ジュノーが毎晩…
ボディーガードの様に店の前で
座ってくれていた。
「いくら夏でも、一晩中外に
いたら、身体も冷えちゃうわよ。
店のソファで寝たら?」
…と言いながらマビアはジュノーに
ココアを手渡した。
「ありがとうございます。ここは
ボクが見てるので、マビアさんは
休んで下さい」
「ありがとう」
「あの…」
「ん?」
「この間はボクのこと…信じて
くれてありがとうございます」
「ジュノーはウソとかつけない
人の様な気がしたの。それに
もしジュノーが犯人なら、
かすり傷なんだから逃げること
だって出来たわけじゃない?
だから私は、違うと思ったの。
でもね…前から1つ気になってた
ことあるんだけど…」
「気になってたこと?」
「どうして毎日、ここの景色を
眺めに来るの?海が好きなら、
海まで行けば良いじゃない?」
ジュノーは景色を眺めながら
ユックリ答えた。
「実は、ここからの景色って…
前に見た事のある景色と
似てるんです」
「そうなんだ…」
「大好きな人と見た想い出の
場所、なんですけどね…」
「その大好きな人を置いて
ここにいていいの?」
「もういないんです。7年前に…
病気で…」
「そうだったのね…ゴメンね、
変なこと…」
「いえ…大丈夫です。今はボクも
ようやく彼女との事を良い
思い出に出来るようになって
きたので…」
「何だかわかるわ。私もだから…」
「マビアさんも?」
「私も夫を7年前にね…ようやく
少しずつ良い思い出に出来る
ようになってきた。それにね…
ここは夫が残してくれた大切な
場所なの。だから守ってくれて
嬉しかったのよ、ありがとう」
「そうでしたか…」
「さて…今夜は、もう休んで。
おやすみ」
「ありがとうございます。
ココアもごちそう様でした。
おやすみなさい」
マビアは2階の自宅へ戻ると夫の
写真を見ていた。
「アナタが、ジュノーを連れて
きてくれたの?まさかね…。
とにかくこの家を守ってくれて
ありがとうね…」
心の中で話しかけていた。
そして…次の日から店を開ける
ことにした。
「おはよう、ジュノー。少しは
眠れた?寒くなかった?」
「おはようございます。大丈夫
です。眠れました」
「今日から店を開けるわ。でも
ジュノーは寝てないんだから、
家に帰って休んで」
「いえ、店を開けるなら、ボクも
手伝います。マビアさんが店を
始める気持ちになってくれて…
嬉しいです」
「ありがとう。それじゃあ店の
前の掃除をお願いね。でも、
その前に…顔洗って身支度を
整えないと。私は2人分の
朝ごはんを用意するから、
一緒に自宅へ上がってきて」
「えっ…女性の部屋に、上がる
わけには…」
「フフッ…あなたは、信用できる
って言ったでしょ?それとも
違うの?」
「いえ、そんなことはないです。
でも、失礼かと思って…」
「冗談よ。店に出るなら清潔に
してもらわないと。顔を洗って
洋服も夫のモノだけど、シャツ
くらいならあるから着替えて。
それに、ちゃんと食べないと
仕事にならないでしょ?」
「何から何までスミマセン…。
ありがとうございます」
「洗面所はそっちだから。
終わったらバルコニーへ来て」
マビアは毎朝作っている朝食を
二人分作ると、バルコニーへ
持って行き、準備を始めた。
ジュノーはバルコニーへ向かうと
あまりの絶景に言葉を失った…。
「ここは私のお気に入りの場所
なのよ」
「凄い…本当に絶景ですね。
これを毎日見れるなんて…
羨ましいです」
「毎朝この景色を見ると1日
頑張れるのよね」
「ボクも今、そんな気がして
います。今日から頑張ります!」
2人はバルコニーでの朝食を
済ませるとカフェでの準備を
始めた。
一方オーシャは、リニューアル
オープンを明日に控え、大忙しだった…。
「そこ、もう少し動かして。
お客様に見えるようにね…
そうそう。コーラル、ちょっと
来てくれない?」
「ハイ!スイマセン…ちょっと
離れます。オーナー、失礼します。
何でしょうか?」
「ちゃんと研修受けてきた?」
「ハイ、受けてきました」
「いよいよ明日から、お客様が
入ってくるけど、どの方も長年の
会員様ばかりだから失礼のない
ようにね…それと…」
「言葉遣い…ですよね?作法も
習ってきたので大丈夫です。
わからないことは、先輩の
皆さんに聞きながら動いて
いきます」
「それなら良いけど。それと
今夜ね、マビーにディナーへ
来ない?って誘われてるから
行くつもりなんだけど…。
一緒に来てくれない?」
「ハイ。でも、どうして…?」
「ジュノーが…あの事件以降、
店で見張りをしてるらしいのよ。
マビーは大丈夫だから…って
私を帰したけど心配でね…」
「何を考えているのか…探れと?」
「まぁ…それもあるし。ジュノーも
男の子なんだし、下心がないと
言い切れないでしょ?マビーって
ピュアな所があるからね…騙され
ないか心配なのよ」
「ジュノーはイイ奴ですよ。オレが
言うのもおかしいですけど。
下心を持って、どうこうしよう
とかないです…絶対に!昔、
付き合ってた彼女がいたんです
けど病気で亡くなったんですよ…
もう5年以上経つかな…」
「そうなの。まぁ…でも一緒に
来て話を聞いてみてくれる?」
「わかりました。さり気なく
探り入れますよ」
「お願いね…」
こうして、仕事が終わった後
オーシャとコーラルは、マビアの
店へ向かうことになった。
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