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Story〜7
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お互いに無言のまま…片付けが
終わると、マビアがジュノーに
話しかけた。
「今夜は家に帰って休んで。
自分のベッドでちゃんと
眠った方がいいわ。」
「そう…ですね。今日は
帰ります。お借りした洋服…
今度、洗濯して持って
きますね。本当に、
ありがとうございました」
「私が洗濯するわよ。明日、
持って来て。それより…
何日も泊まってくれて、
本当にありがとう」
「ボクが勝手にやってた事
ですから。マビアさんも
何かあったら、いつでも
呼んで下さいね。夜中でも
駆けつけますから」
「ありがとう。そう言って
くれると心強いわ。
それじゃあ…おやすみ」
「おやすみなさい」
こうしてジュノーが帰り、
久しぶりに1人の夜となった。
もっと一緒に居たい、でも…。
その気持ちが冷めないまま、
それぞれ眠れぬ夜を過ごした。
次の日…。
いつものように朝早く来た
ジュノーは、海を眺めながら
掃除を始めようとしていた。
「おはようジュノー。今日も
早いわね。朝ごはん食べた?」
「マビアさん、おはよう
ございます。ご飯は食べて
きました。ユックリ掃除を
始めてますね」
「わかった、ありがとう。
それじゃあ今日もよろしくね」
マビアはバルコニーで朝ごはんを食べながら、昨日の事を考えていた。いつも通り…頭では考えていても、どう接して良いだろうか…。
それはジュノーも同じだった。
普通にしていられるのか…わからなかった。
マビアが1階に降りるとジュノーも掃除を終えて店に入ってきた。
「掃除、終わりました」
「ありがとう。コーヒーでも
どう?少し休憩してから
始めましょ」
「ありがとうございます。
マビアさん…顔色悪いですね。
眠れましたか?」
「ちょっと寝不足かな…。
だからユックリ始めようと
思って。ジュノー眠れた?」
「ボクもあまり眠れなくて。
もしかして、昨日の事…
困らせてしまいましたか?」
「そんな事ないわ。本当に
嬉しかったのよ。でもこんな
気持ちは久しぶりで…少し
冷静になりたいと思ったの。
嬉しかったから、なおさらね」
「わかります…ボクも
マビアさんを困らせて
しまったんじゃないかと
昨日は考えてしまいました。
でも一晩考えても、やっぱり
気持ちは変わらないので。
もし仕事がやりにくいなら…」
「ううん、そんな事ない!
ジュノーが来てくれてから
どれだけ助かってるか。
それは本当に感謝しているし、
昨日話してくれた事も本当に
嬉しいのよ。ただ…私も、
好きだからこそ、仕事に集中
出来るか心配なだけ…」
それを聞いてジュノーは、静かに
マビアを抱きしめた。
「ボクはいつでも、アナタの
味方です。マビアさんが
少しでも仕事がしやすい様に
何でも言って下さい。ボクも
今こんな事言ってますけど、
本当は…緊張してます。でも
せっかくですから、お互いに
この気持ちを一緒に楽しみ
ませんか?」
抱きしめられたマビアは驚いてドキドキしていたが、一緒に楽しむ…という言葉に不思議な面白さを感じてしまった。
「そうね…そうしよっか…フフッ」
顔を見合わせ…クスクス笑いながら、いつも通り…と言い聞かせ、店の準備を始めた。ケーキは、いつもより少し甘くなった。
同じ頃、オーシャは…。
マリンクラブのオープン当日を
迎えていた。先行予約と当日の
ゲストで大盛況のスタートと
なった。
コーラルもモデル並みの顔立ちと
新人とは思えぬ丁寧な対応で、
女性客に囲まれていた。
無事にオープン初日を終えた
オーシャは、スタッフを集め
店で軽い打ち上げをした。
1ヶ月後…。
店も軌道に乗り、スタッフ達も
新人のコーラルも仕事に慣れて
来た、ある夜…。
オーシャが店に1人で残って
いると、コーラルがやって来た。
「お疲れ様。もう上がってね」
「オーナー。少しお話し良い
ですか?」
「どうしたの?」
「もうプライベートモード
でも…良いですか?」
「良いわよ、なーに?」
「それじゃあ、オーシャ…」
「なに?なに?久しぶりね、
名前で呼ぶなんて…」
「ここに来て、最近…迷いから
確信に変わった事があってさ。
オレ…オーシャの事好きだわ」
「・・・」
「なんだよ…何か、言えよ」
「いや、何て言っていいのか…」
「ホントは、もう少し先に
しようか迷ったけど、やっぱ
気持ち抑えるとかムリだし…。
ダメならダメで、ちゃんと
言ってくれていいから」
オーシャは、ここ数年…
恋なんて忘れていた。
こんなに澄んだ目で
ストレートに気持ちを
ぶつけてきたコーラルに
嬉しさと同時に、年齢差と
職場での立場を考えると、
迷いもあった。
「だって年も離れてるし…」
「離れてるし?」
「アナタを雇ってる身
だからね…私」
「だから?」
「だから?って…ムリに
決まって…えっ…?!」
オーシャが話している途中で
コーラルが突然オーシャを
引き寄せ抱きしめた。
「仕事は仕事。今はオフ。
年だって関係ないじゃん。
オレは、オーシャが好き…
それだけ。オーシャは?」
耳元で囁かれたオーシャは、
コーラルの早い鼓動も感じて
いた。
「あの…これでも今、結構
頑張ってるんですけど」
「ありがとう。嬉しいわ。
私もアナタが好きよ。でも
すぐには切り替えられないわ」
「なんだよー!頑張ったのに…」
「ようやく仕事が軌道に乗って
きたところなのよ。まだまだ
気持ちに余裕があるわけじゃ
ないわ。でもね…」
「うん…」
「嬉しいのよ。それはホント」
「オレだって仕事の時は、
スタッフの1人…それは、
わかってるつもりだよ。
でもオフの時のオーシャは、
オレが1番近くで、そりゃあ
頼りないかもしんないけど
少しでも元気になるように
支えたい。ダメかな?」
「それじゃあ…しばらくは、
お試し期間!私、結構
ワガママだけど大丈夫?」
「うーん…頑張る!」
「ヨシッ!まずは…ご飯食べに
行こっか」
「やった!今日は、オレに
ごちそうさせて」
「うーんと、高いトコね」
「えっ…いや…あの…」
「冗談よ。コーラルに任せるわ」
こうして2人のお試し期間が始まった…。
終わると、マビアがジュノーに
話しかけた。
「今夜は家に帰って休んで。
自分のベッドでちゃんと
眠った方がいいわ。」
「そう…ですね。今日は
帰ります。お借りした洋服…
今度、洗濯して持って
きますね。本当に、
ありがとうございました」
「私が洗濯するわよ。明日、
持って来て。それより…
何日も泊まってくれて、
本当にありがとう」
「ボクが勝手にやってた事
ですから。マビアさんも
何かあったら、いつでも
呼んで下さいね。夜中でも
駆けつけますから」
「ありがとう。そう言って
くれると心強いわ。
それじゃあ…おやすみ」
「おやすみなさい」
こうしてジュノーが帰り、
久しぶりに1人の夜となった。
もっと一緒に居たい、でも…。
その気持ちが冷めないまま、
それぞれ眠れぬ夜を過ごした。
次の日…。
いつものように朝早く来た
ジュノーは、海を眺めながら
掃除を始めようとしていた。
「おはようジュノー。今日も
早いわね。朝ごはん食べた?」
「マビアさん、おはよう
ございます。ご飯は食べて
きました。ユックリ掃除を
始めてますね」
「わかった、ありがとう。
それじゃあ今日もよろしくね」
マビアはバルコニーで朝ごはんを食べながら、昨日の事を考えていた。いつも通り…頭では考えていても、どう接して良いだろうか…。
それはジュノーも同じだった。
普通にしていられるのか…わからなかった。
マビアが1階に降りるとジュノーも掃除を終えて店に入ってきた。
「掃除、終わりました」
「ありがとう。コーヒーでも
どう?少し休憩してから
始めましょ」
「ありがとうございます。
マビアさん…顔色悪いですね。
眠れましたか?」
「ちょっと寝不足かな…。
だからユックリ始めようと
思って。ジュノー眠れた?」
「ボクもあまり眠れなくて。
もしかして、昨日の事…
困らせてしまいましたか?」
「そんな事ないわ。本当に
嬉しかったのよ。でもこんな
気持ちは久しぶりで…少し
冷静になりたいと思ったの。
嬉しかったから、なおさらね」
「わかります…ボクも
マビアさんを困らせて
しまったんじゃないかと
昨日は考えてしまいました。
でも一晩考えても、やっぱり
気持ちは変わらないので。
もし仕事がやりにくいなら…」
「ううん、そんな事ない!
ジュノーが来てくれてから
どれだけ助かってるか。
それは本当に感謝しているし、
昨日話してくれた事も本当に
嬉しいのよ。ただ…私も、
好きだからこそ、仕事に集中
出来るか心配なだけ…」
それを聞いてジュノーは、静かに
マビアを抱きしめた。
「ボクはいつでも、アナタの
味方です。マビアさんが
少しでも仕事がしやすい様に
何でも言って下さい。ボクも
今こんな事言ってますけど、
本当は…緊張してます。でも
せっかくですから、お互いに
この気持ちを一緒に楽しみ
ませんか?」
抱きしめられたマビアは驚いてドキドキしていたが、一緒に楽しむ…という言葉に不思議な面白さを感じてしまった。
「そうね…そうしよっか…フフッ」
顔を見合わせ…クスクス笑いながら、いつも通り…と言い聞かせ、店の準備を始めた。ケーキは、いつもより少し甘くなった。
同じ頃、オーシャは…。
マリンクラブのオープン当日を
迎えていた。先行予約と当日の
ゲストで大盛況のスタートと
なった。
コーラルもモデル並みの顔立ちと
新人とは思えぬ丁寧な対応で、
女性客に囲まれていた。
無事にオープン初日を終えた
オーシャは、スタッフを集め
店で軽い打ち上げをした。
1ヶ月後…。
店も軌道に乗り、スタッフ達も
新人のコーラルも仕事に慣れて
来た、ある夜…。
オーシャが店に1人で残って
いると、コーラルがやって来た。
「お疲れ様。もう上がってね」
「オーナー。少しお話し良い
ですか?」
「どうしたの?」
「もうプライベートモード
でも…良いですか?」
「良いわよ、なーに?」
「それじゃあ、オーシャ…」
「なに?なに?久しぶりね、
名前で呼ぶなんて…」
「ここに来て、最近…迷いから
確信に変わった事があってさ。
オレ…オーシャの事好きだわ」
「・・・」
「なんだよ…何か、言えよ」
「いや、何て言っていいのか…」
「ホントは、もう少し先に
しようか迷ったけど、やっぱ
気持ち抑えるとかムリだし…。
ダメならダメで、ちゃんと
言ってくれていいから」
オーシャは、ここ数年…
恋なんて忘れていた。
こんなに澄んだ目で
ストレートに気持ちを
ぶつけてきたコーラルに
嬉しさと同時に、年齢差と
職場での立場を考えると、
迷いもあった。
「だって年も離れてるし…」
「離れてるし?」
「アナタを雇ってる身
だからね…私」
「だから?」
「だから?って…ムリに
決まって…えっ…?!」
オーシャが話している途中で
コーラルが突然オーシャを
引き寄せ抱きしめた。
「仕事は仕事。今はオフ。
年だって関係ないじゃん。
オレは、オーシャが好き…
それだけ。オーシャは?」
耳元で囁かれたオーシャは、
コーラルの早い鼓動も感じて
いた。
「あの…これでも今、結構
頑張ってるんですけど」
「ありがとう。嬉しいわ。
私もアナタが好きよ。でも
すぐには切り替えられないわ」
「なんだよー!頑張ったのに…」
「ようやく仕事が軌道に乗って
きたところなのよ。まだまだ
気持ちに余裕があるわけじゃ
ないわ。でもね…」
「うん…」
「嬉しいのよ。それはホント」
「オレだって仕事の時は、
スタッフの1人…それは、
わかってるつもりだよ。
でもオフの時のオーシャは、
オレが1番近くで、そりゃあ
頼りないかもしんないけど
少しでも元気になるように
支えたい。ダメかな?」
「それじゃあ…しばらくは、
お試し期間!私、結構
ワガママだけど大丈夫?」
「うーん…頑張る!」
「ヨシッ!まずは…ご飯食べに
行こっか」
「やった!今日は、オレに
ごちそうさせて」
「うーんと、高いトコね」
「えっ…いや…あの…」
「冗談よ。コーラルに任せるわ」
こうして2人のお試し期間が始まった…。
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