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第二章 沈む身体、揺れる心
🩷6話 今度は俺の番
しおりを挟む玲奈の指先が、ゆっくりとシャツの隙間を辿る。
肌に直接触れてはいないのに、布越しの温もりが確実に伝わってくる。
「……ね、わかる?」
耳元で低く問われ、
ケイは短く息を吐いた。
理性がまだ「やめろ」と囁く。
けれど、その声はもう遠くなっている。
玲奈の手が胸元からさらに下へ──
布地越しに、じわりと熱が染み込む。
指先がわずかに押し込まれるたび、そこだけが敏感に脈打った。
呼吸が早まる。
このまま流れを許せば、完全に掌の中に落ちる。
次の瞬間、ケイの中で何かが反転した。
触れたままの玲奈の手を、ぐっと手首から持ち上げる。
その瞬間、肌を這っていた熱が断ち切られ、部屋の空気が一段、冷えたように感じた。
驚きに目を見開く玲奈と、真っ直ぐに視線を絡ませる。
「……もう、いいです」
低く落とした声が、さっきまでの甘い温度をあっさりと塗り替える。
「いい……?」
戸惑いがわずかに揺れたその唇を、ケイは間を与えず塞いだ。
背中へ回した腕に力を込め、一気に引き寄せる。
「……今度は、俺の番です」
押し出すような声と同時に、もう一度唇を重ねる。
さっきまでの受け身の温度ではなく、深く踏み込み、迷いを許さない角度で──。
玲奈の身体がわずかに強張り、次いで力が抜けるのを感じる。
その反応が、ケイの中の迷いを完全に消した。
胸元に触れる鼓動が、互いの速さを重ねていく。
ケイは背中に回した腕を少し緩め、玲奈の顔を見下ろした。
視線が合うと、彼女はわずかに息を飲む。
そのまま、指先で頬の輪郭をゆっくりなぞる。
触れるたびに、玲奈のまぶたが細く閉じていく。
「……まだ、これからですよ」
低い声が、距離を詰めながら落ちる。
胸元から肩へ、そして二の腕を辿る指。
直接なぞられるたびに、そこからじんわりと熱が広がっていく。
触れた場所からほんのり熱が増していく感覚を確かめるようだった。
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