もしもあの夜、玲奈を抱いていたら【R18完結】番外編

月村 未来(つきむら みらい)

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第二章 沈む身体、揺れる心

🩷8話 そんなに名前を呼ばれたら

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「……玲奈」

名前を呼びながら、ケイはゆっくりと上体を覆いかぶせた。

唇が触れる。
さっきよりも深く、ゆっくりと。
舌先が触れた瞬間、玲奈の呼吸がかすかに震えた。

キスを続けながら、片手は肩口から胸元へ。
ブラの上から形を確かめるようにゆるやかな円を描く。
布越しに伝わる鼓動と、その下で確かに反応している熱を感じ取る。

「ん……っ」

小さく、吐息と混ざった声が零れる。
ケイは唇を離し、その声の余韻を聞くようにわずかに距離を取った。
玲奈の瞳は細く、潤みを帯びている。

指先が肩紐をなぞり、外へ落とす。
左右どちらも落ちたところで、背中へ手を回す。

「……外すよ」

軽い音とともに、ホックが解ける。
カップがわずかに浮き、その下の温もりが解放されるのをケイの手が受け止めた。

「ん……ふっ……」

今度の声は、先ほどより長く、甘さがにじんでいた。
反応するたび、玲奈の肌が微かに震えて、切ないほどに愛おしい。

ブラが脇へと滑り落ち、玲奈の胸元がぼんやりとした照明に浮かび上がる。

ケイはすぐには触れず、視線だけでその輪郭をなぞった。
目で撫でられるたびに、玲奈の肌がかすかに揺れて見えた。

「……そんなに見ないで」

ぽつりと零れた声。
恥ずかしさを含んだ囁きだったけれど、玲奈はすぐに目をそらさなかった。
一度だけ視線を伏せ、それからもう一度、ケイを見返してくる。

「……さわってくれた方が……まだ……」

かすかに震える声。
けれど、そこには、ゆだねるような覚悟もあった。

「玲奈……」

もう一度、名前を呼んでから、ケイはそっと手を伸ばす。
玲奈の胸元に触れた瞬間、柔らかな温もりがじわりと指に広がる。

「っ……ぁ……」

掌の下で、玲奈の鼓動が速くなるのがわかる。
目を閉じたまま、まつげがかすかに震え、唇から押し殺すように小さな声が漏れた。

親指が中心をかすめるたび、玲奈の息「ん……っ」と甘く揺れる。
強気なはずの声が、今は力を失い、どこか切なげにかすれている。

ふいに、玲奈が腕を回してケイを抱き寄せた。
胸元ごと引き寄せられ、上半身同士がぴたりと重なる。
腕の中に閉じ込められたまま、ケイはわずかな隙間を探すように、手を胸元からそっと離していった。

腕の外へ抜け出すのではなく、抱きしめられたまま腰のあたりへ指を滑らせる。
その動きに合わせて、玲奈の身体がほんのわずかに後ろへ傾き、布地の下で隠れていた肌が照明の中に現れていく──

そのまま布越しに、腰の曲線を確かめるように撫でていく。

「……んっ……」

玲奈の喉から、小さく震えを含んだ声がこぼれた。
胸にしがみついたまま、力が抜けるように指先がケイの背へ沈んでいく。

しばらくそうして互いの体温を確かめ合っていたが──やがて、ケイは名残惜しそうに身体をずらした。


「……玲奈、こっちも……」


低く囁き、玲奈の視線を受け止めながら腕を解く。
抱擁から抜け出すのではなく、彼女を寝かせたまま自分の体を下へ移動させていく。

腰のあたりに指を滑らせ、布地をつまむ。
その動きに合わせて玲奈はわずかに腰を浮かせ、応えるように目を閉じた。

指先が布をすくうと、Tバックの頼りない細さにケイの胸がざわめく。
ほんのわずかな黒が腰からするりと抜けていくだけで、隠されていた素肌が一気に照明の下へさらされていく。

「……ん……っ」

空気に触れた玲奈の脚が小さく震え、声がもれた。
太ももの丸みがあらわになり、わずかな呼吸の乱れまでもが際立つ。

布が膝を越え、足首を抜ける。
ケイはそれを片手に残したまま、視線を戻した。
露わになった玲奈の下腹から太ももへ、そのすべてが照明に浮かび、息を呑むほど眩しかった。

完全に脱がすと、彼女の脚は力なくシーツに沈み、わずかに開いた膝からは熱が溢れるように伝わってきた。


ケイは彼女の両膝を軽く開かせ、太ももの内側を指でなぞった。
柔らかな感触と、わずかな熱。

「……っ、ん……ふぁ……」

触れられるたび、玲奈の腰がかすかに揺れ、
吐息に混じって甘い声が漏れる。

指先はまだ中心には触れず、あえて周囲をゆっくりなぞり続ける。
焦らされるほど、玲奈の呼吸は短く速くなっていった。

やがて、指が最も敏感な場所へ近づく。
軽く触れた瞬間、玲奈の背筋がピクリと反る。

「……んっ……ケイ……」

呼ばれたその声には、すでに熱と甘さが溶けていた。

何度も同じ場所をなぞり、圧を変えながら反応を探る。

「……っ、あ……だめ……」

声がかすれて、最後は息にほどける。
腰がわずかに跳ね、逃げるようでいて、指先を求めるように押し返してくる。

太ももの内側が熱を帯び、しっとりとした温かさがケイの指に移っていく。
吐息は甘く乱れ、首筋がかすかに反る。

「ん……あ……そこ……っ」

震える足先がシーツを握り、膝が開いたまま力を失っていく。
潤んだ瞳がゆっくりと細まり、唇の端がかすかに震えた。

指先を離すまいと、腰が吸い寄せられるたび、
胸元からも甘い熱が溢れていくのがわかる。
その震えと湿った温もりが、彼女の限界をはっきりと告げていた。

やがて、長く乱れた息を吐きながら、玲奈がそっとケイの手首を握る。
濡れた睫毛の奥から見上げ、唇が熱を含んだままゆっくりと形をつくる。

「……ケイ……もう、だめ……」

名前を呼ぶその声は、揺れて、溶けて、甘くて。
何かを求めるように、彼女の体が微かに前に出る。

「……ずるい……」

震える吐息のなか、玲奈がそっとケイを見上げる。

「私だって……触れたいのに」

熱をまとったまま、ゆっくりと身を起こし、彼を押し倒していった──





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