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第二章 沈む身体、揺れる心
🩷9話 私にさせて?
しおりを挟むベッドの中央に仰向けにされたケイは、ジャケットもネクタイもすでに外し、シャツとスーツのパンツだけの姿になっていた。
玲奈は腰の横に膝をつき、その胸元へ手を伸ばす。
ひとつ、またひとつとボタンを外すたび、指先が肌にかすかに触れる。
「……さっきまで触られてばっかりだったから」
挑むように囁き、開いたシャツの隙間に手を差し入れる。
掌が腹部をなぞり、筋肉の動きを確かめるように円を描いた。
腰元へと移り、ベルトの金具を軽く指で弄ぶ。
「……外すね」
小さな金属音が、静かな部屋に響く。
ファスナーをゆっくり下ろし、
スーツの生地を腰から抜いていく。
視線は時折ケイの顔へと上がり、その反応を確かめる。
黒のボクサーパンツが現れ、下に潜む熱を隠しきれずに浮かび上がっていた。
下着越しに形をなぞるように、玲奈の手がゆっくりと動く。
その温もりとわずかな圧に、ケイの呼吸が浅くなる。
「……ねぇ、もう、私にさせて?」
下着の縁を指でなぞると、玲奈の視線がそこに落ちた。
ほんの一瞬、目元が細くなり、口角が上がる。
「……触る前から、こんなに」
息を混ぜた声に、ケイの胸がわずかに上下を強める。
視線を絡めたまま、玲奈は黒い布を腰からゆっくり抜き取った。
ボクサーパンツが完全に外れ、解放された熱が空気に触れる。
玲奈はそのまま膝をつき、手のひらで軽く包み込む。
体温と脈動を確かめるように、指先でゆるくなぞった。
「……ふふ」
小さく笑い、顔を近づける。
吐息がかかる距離で、視線だけを上に向けるその仕草が、どこか確信めいていて、迷いがなかった。
唇が触れた瞬間、ケイの腹筋がわずかに強張る。
玲奈はそれを確かめるように、一度だけ浅く咥えてから離し、舌先でゆるく輪を描いた。
「……感じてる」
囁くように言いながら、今度はゆっくりと深く──。
唇が包み込む温度は、最初から全てを与えるほど強くはない。
浅く咥えては離し、舌先で縁をなぞり、またゆっくり戻る。
ケイの呼吸が少しずつ荒くなっていくのを、玲奈は確実に感じ取っていた。
そのたびに動きを変え、角度や圧を微妙に調整してくる。
「……ふ……っ」
吐息がわずかに漏れた瞬間、玲奈は舌を絡め、もう一度深く含む。
その温かさと滑らかさに、ケイの背中がベッドに沈み込む。
「……玲奈……」
気づけば、名前が零れていた。
その響きに、玲奈の瞳が一瞬だけ上を向く。
視線が絡み、唇の動きがさらに緩やかになる。
「……そんなふうに呼ばれたら、手を止めたくなくなる」
熱を帯びた声で、そっと笑った玲奈は、わざとらしく焦らすように、舌先でやわらかく縁をなぞった。
吸い上げる音と、湿った温度が静かな部屋に広がっていく。
ケイは片手でシーツを握り、もう片方の手で、無意識に玲奈の髪へ指を滑らせていた。
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