エンプティ

やきそば

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終わるはずだったサッカー

日本のサッカーが衰退している世界線の日本

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最強の日本人サッカー選手は誰だ?本田か香川か大迫か?

名前やクラブ何て関係ない無名の選手だってそれらの選手より上手いかもしれない。

日本人のサッカーは何よりチームとして我の強さがない

朝起きて目覚ましを止めてから急いで朝練に向かう勿論、ギリギリ

うちのサッカー部は強豪校で朝練に行かないとやる気がないだの何だの言われてしまう

そうは、言っても俺村上 葵(むらかみ あおい)はベンチ外の落ちこぼれCB(センターバック)だ

「おーい、葵~ボール取って~」

俺に声をかけて来たのは、2年生でゴリゴリのレギュラーの越智 瑛人(おち えいと)だ

こいつは、入部当初からCMF(セントラルミッドフィルダー)で活躍している

「どうした?何か暗いぞ?」

「俺はお前みたいにここでのサッカーが楽しくないんだよ」

サッカー部は、レベルが高い。しかも、スタメンやベンチなど関係なくゲームをするので下手な奴と上手い奴が同じチームになってしまう

俺らサブメンバーはそれが恐怖の対象でしかたない

ミスをしたらさらにレギュラーから遠のいていく

負の連鎖だ。

かといって、見返してやる!っと言った対抗心も無いのでサブというわけだ

「お前、CBだったよな」

「あ、あぁ」

「じゃ、適当に頼むわ」

この学校のサッカーは、圧倒的支配率を保ち続けるというものだ

何が適当にだよ。こっちは真面目にやってもついていけねぇよ

全ての攻撃の起点は守備でボールを取った瞬間の人が行う

つまり、誰でも起点になってしまうのがこのサッカーの強みであり怖い所だ

右サイドから50m6秒代の広瀬(ひろせ)が中に切り込んでくる

ミドルシュートがキーパーの手に収まった瞬間俺の足元にキーパーがボールを転がして来た

何処に出す!?CMFか?それともSB(サイドバック)か?

俺は直ぐにCMFの越知にパスをしたが狙っていた相手のCMFの滝 春樹(たき はるき)に取られて直ぐにカウンターをくらい失点してしまった。

「おい!葵!今のはSBで良かっただろ!」

「ごめん、縦に越知が見えたから、、」

「見えたからってバカ正直にパスするなパスする前に周りの相手とか味方の体の向きとかみろ!」

これが一年からである。

正直レベルが高すぎる

朝練は何も活躍できないまま何とか終わった

放課後

「え~、来週の練習試合のためにあらためてメンバーを見直す」

普通ならここで自分ももしかしたらと思うだろう。

でも、毎回この言葉を言った後の練習試合のスタメンはほぼ固定だ

「葵!ちょっとこっちこい」

何だ?何か問題を起こしたか?

「ちょっとお前FW(フォワード)やってみろAチームで」

え?毎回ベンチ外の俺がAの奴らと?しかも、CBでは無くFWで?

しかし、反抗する気力も度胸も無かった

そもそも、俺がCBになっている理由はロングボールの精度が高いからだ精度だけなら、チームの中でもトップクラスだと思う

「シュートを打つ時ロングボールを蹴る時の容量で少し強く低く蹴ってみろ」

このじじいまじかよ。頭おかしくなっちまったのか?

「後、守備もキーパーも取れないエンプティ(何もない)ゾーンを狙え」

「はぁ」

正直言って俺がFW?全くイメージが浮かんでこないまま紅白戦が始まった

「ほら、葵~パスあげる」

そういって越知はゴール前で俺にパスしてきた

一応、ボディーフェイントを入れておく

「へい!村上!」

広瀬が呼んでいる



その瞬間、頭ではパスだったのに俺の目にはエンプティゾーンだけが見えた

確か、ロングボールの要領で

俺の打ったシュートはキーパーが反応出来ず右下隅に決まった

その日の紅白戦は3ゴール1アシストで初めてサッカー部で活躍できた

「来週のスタメンを発表する」

いつも、発表の時はボーとしている
今回活躍できただけでどうせいつものメンバーだろ

越知!CMF!

「はい!」

また、レギュラーだ凄いもんだ

村上!CB!

へ?

「村上返事は!」

「はい?!」

久しぶりのレギュラーに選ばれる感覚やっぱり、嬉しい

その後の事はあんまり聞いていなかった

「レギュラー組少し集まれ戦術面の話をする」

レギュラー組と呼ばれて堂々と集まりに行ける事が嘘みたいだった

けど、喜んでられるのも一瞬だった

「葵は、リベロだ分かったな」

ん?何て?リベロ?




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