26 / 46
維士 盛岡
2011年 5月 木曜日 信一 仕事
しおりを挟む2011年 5月木曜日 信一
信一は、朝10時に事務所に寄った。
社長が直ぐ、
「信一、あなたの彼氏、TV局に、狙われいるね、今朝TVに出ていたわ、色男と一緒よ」
「何、言ってるんだ、何の事だ」と、おれは少し声を荒げた。
「この2カ月、TV局、東京駅で待ち伏せしてたのよ、朝8時から8時30分、朝のワイドショーのスクープに生で入れたくて、今朝2人が仲良く現れTVに生中継になった」
「イシと、この前も映った、一緒のヤツか」
「そう」
イシに電話をしたが出ない、メールを送るが返信が来ない。
何があったんだ、わからない、ここ数日仕事が遅いのもあったが、これからの事、考える時間が足りず、メールを疎かにしていた。
写真撮りに行く時間だ、
一日中、連絡取れない。(寝る)の、メールも来ない。ヤツと、何処に行ったんだ、
おれには、探しようがない、ヤツにはチューリップがあるから、直ぐ帰って来るとは思うが、なんで、なんだ。またどこかで、間違えたのか、それさえも、わからない、
アルコールの量が、母さんに会った日の夜から日に日に増えていく、なにかが気にいらない、イライラする。
次の日、朝8時、事務所に寄ったら、社長がTVの前で、おれを呼んで「見て、フランス映画のワンシーンねぇ」と、夜のホテルの前で、イシとヤツが、最高の笑顔でじゃれあっている動画だ。視聴者スクープらしい。
「一般人、許可なく流してもいいか、昨日もだよな」と、聞いた。「ホテルの前の、遅咲き八重桜がメインで、たまたま映った通りかかった2人、らしい、、少し無理があるけどね、昨日のは、探し人コーナーだって、うぅん無理あるよね」と、社長が苦笑いした。
「信一、何も、知らなかったようね」
「ああ、余計なお世話だ、良いんだよ、おれらは、仲良しだから」と、適当におれは言った。
腹の中は、煮えくりかえっていた、最高に楽しそうな2人だった、ヤツが羨ましい、おれはイシを笑顔に出来ない、笑って貰えるには、どうしたらいいのか、今は、わからなかった。
朝から、見たくなかった、知りたくなかった。
「現場に行く」と、おれは言いながら、イシにメールを送った。
昼にイシからメールが来た、
(連絡くれたのに、返せなくてごめん。
お母さんに会いに行って来た。携帯、家に忘れたんだ。さっき帰って来たところだよ。
何か、用あるの、 イシ)
(そうか、よかったな 用はない 信一)と、返信したが、返した文を読み返し、簡略しすぎだなぁと思った。
事務所と2カ月も未契約期間なのに、写真集の写真撮りで夜遅くまで仕事だ。おれも下火になってきた。写されながら、写真集出して、見苦しい、考えたのは誰なんだ、出して売れるのか、宣伝で赤字になるのに、方向性違うな、出た途端、おれは引退していたいよ、イシとはどうなる、、次々頭に浮かんだ。
事務所との話合いは、まだ日時さえ未定だ。
未契約だから休みたいと、社長にメールした。
写真撮り3週間予定、その後話合い、と返ってきた。そんなに時間かかるのかあと、ガッツリしたが、現場の大勢のスタッフを見ていると、仕方がないかぁと思った。
イシから
(寝る おやすみ)と、メールが来ていた
(おやすみ)と、3時間後に返す。
4日、会ってないだけで、遠く感じる、おれの知らないイシが、いるようだ。
あの2人の楽しそうな最高の笑顔、頭にこびり付いて離れない、相手はおれじゃない、何故わからない、
おれ達、手を取り合った、つもり、だった、たぶん。
濃い霧の中にいるようだ、
そのまま手探りでトンネルを探し、道を進みたい、トンネルの先の出口で、イシが笑顔でおれを待っている。今のおれには、トンネルが、探せない、
おれの足元だなぁ、おれが今迄してきた事に、おれが、気づいてしまった、どうしたらいいんだ。
小さい頃は、好きだった、小3あたりで嫌いになった、原因は、なんだった、、おはようも、ウザイ、全てが面倒くさくなった、反抗期かあ、みんな、こんなもんだろう、違うのか。
違うんだろうな、おれは少し前迄は、一生母さんとは、会う事ないと、これが普通だと思っていた。
ばあちゃんには、母さんを忘れないで、とお願いされた。ばあちゃんのお願いも、何か変だ。なんで、はっきり、誰も教えてくれないんだ、言っても無駄な人間には、誰も教えてくれないよなあ。
疲れた、また明日にしよう。
(信ちゃんは、なにも悪くないよ、全部母さんが悪いの、ごめんね)
母さんなら、言うであろう言葉が聞こえた。
(そんなの聞きたくねェ)と、返してた、反抗期の中学生だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる