降り積もる雪のように

芙月みひろ

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 カメラを持ってうろうろしていると、たいていの人が声をかけてくれる。

 女子一人で写真を撮っているのが物珍しいのか……。

 声をかけられることは嫌ではない。もしかしたらその中に、フォロワーさんがいるかもしれない。そう思うから、私もカメラを手にしている人に会えば、極力挨拶をするようにしていた。

 私がその男性に声をかけたのも、いつも通りの行動だった。

 初めは少しためらった。なぜなら、彼の三脚に乗ったカメラには、お高そうな望遠レンズがくっついていたからだ。

 だけど、ざっと辺りを偵察した結果、できることなら私も彼がいる辺りから写真を撮りたいと思った。

 挨拶しよう――。

 私はさくっさくっと雪を踏みしめながら、彼の方へ向かって歩いて行った。

「こんにちは」

 努めて明るい声で挨拶を投げかける。

 振り返った彼と、目が合った。

 私を見て彼は一瞬まぶしそうに目を細めたが、すぐに笑みを浮かべて挨拶を返してくれた。

「こんにちは」

 年は私と同じくらいだろうか。ニット帽にマフラーとダウンジャケット、そして長靴と、完全防寒仕様の格好をしていた。

 私はどぎまぎしながら、彼に訊ねた。

「あの、私もこの辺りから撮りたくて……。お邪魔しても大丈夫ですか?」

「どうぞどうぞ」

「すみません、失礼します」

 私は頭を下げて、彼から少し離れた所に移動した。三脚を用意してカメラを取り付ける。

 彼のレンズは憧れの白レンズ。その近くで、このレンズキットを使うのはちょっと恥ずかしいな。ぱぱっと撮って帰ろう――。

 そんなことを心の中で思いながら、私は目の前のロケーションにレンズを向けた。
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