降り積もる雪のように

芙月みひろ

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 ふわふわと雪が舞う中、私は初めてのモデルを経験した。

 撮影が終わると、私たちは道の端に寄って、彼がスマホに落とした写真データを確認した。

「どうかな?いい感じに撮れたと思うんだけど」

 私は唸った。

 どれも素敵で、どれかを選ぶなんてできない写真ばかりだ。しかも、これが本当に私なのかと驚くほどだ。

「本当にすごいね、ヒロさんって」

 感嘆の声を上げる私に、彼はくすぐったそうな顔をした。

「ありがとう。所詮素人写真だけどね。でも、リナさんにそう言ってもらえると嬉しいな。いくつか選んで編集してみるから、最後はリナさんが選んでくれる?」

「えっ、いいの?楽しみ」

 ヒロさんは笑みを浮かべると、カメラを片付けながら言った。

「さて、撤収しようか。お腹減ったでしょ。モデル代の代わりに、ご飯ご馳走するのでもいい?」

「うん、ありがとう」

 私は素直に頷いた。今度何かの時にお返しすればいいのだ。今度があれば、だが。

「どこに行く?」

 そう言いながら、私は自分の荷物を置いておいたベンチの方へ体を向ける。その時雪にブーツの足が取られてしまい、バランスを崩した。

「あぶない!」

 驚いたヒロさんが、慌てて私に手を伸ばした。

 私はとっさに彼の手を掴んだ。しかし間に合わなかった。積もった雪の上に、そのまま背中を下にして倒れ込んでしまった。ヒロさんを道連れにして。

「ごめんなさいっ!」

 急いで体を起こそうとして、はっとした。背中にたくましい腕の感触があった。

 ヒロさんが抱き止めてくれた――?

「大丈夫だった?」

 顔のすぐそばで私を気遣う彼の声がして、飛び出そうになるほど心臓がドクンと高鳴った。
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