【短編集】退魔神官と淫魔

茶虎兵

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攻め:淫魔、受け:退魔神官のパターン

退魔神官(受け)と淫魔(攻め)。神官を淫魔が好き勝手して敗北させちゃうパターン。

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「今日こそ退治しますよ、マクシフェート!」

 退魔神官ディカオンは叫んだ。

 場所は、高熟練度レベルダンジョンの深奥。
 ディカオンの目の前には、王族が寝るようなベッドが、鎮座している。迷宮ダンジョンであることを考えれば、異様な光景だ。

 だが、ベッドのあるじは気にしていない。
 上級淫魔マクシフェート。魔族の中でも高位のモンスターである。
 マクシフェートは、見た目は人間の男だ。褐色の肌に、銀髪が映える。魔族の特徴として、額には二本の角が生えている。

「ほう? またか、ディカオン」

 マクシフェートは、ニヤリと笑う。ベッドから起き上がる。肉体にひっかけた細布がたなびく。白い細布は、鍛え上げた筋肉を強調する。

 ディカオンとマクシフェートは長年の敵同士ライバルだ。
 マクシフェートのひそむところ、ディカオンが駆けつける。ディカオンの行くところ、マクシフェートが現れる。
 魔族と神官の関係は、水と油のようだ。

 だが、彼らの事情はすこし違うようで――。

 ***

「あっ、あっ、だめ、だめぇ♥」

 艶っぽく淫らな声が、ベッドの上で響いている。
 ディカオンの声だ。勇ましく啖呵を切った喉は、すでにメス声を上げるだけの器官と化している。

「くひぃっ♥ ちんちん、だめぇ♥ またイくぅ♥」

 ディカオンは既に、聖なる神官服を剥ぎ取られている。白く細身の肉体には、旅で鍛えられついた筋肉が乗っている。
 そんな肉体をビクビクと痙攣させ、ディカオンは絶頂する。

「おやおや、神官殿はこらえ性がないな」

 ディカオンの白い体を組み敷いているのは、マクシフェートだ。
 ディカオンを背後から抱く体位、背臥位で貫いている。太く無骨な指が、ディカオンの陰茎をしごく。陰茎から白い汁が飛ぶ。

「相変わらず早漏だな、ディカオン」
「ち、ちがうっ、ちがうぅぅ♥」
「手コキしたらすぐイく癖に、どこが違うんだろうな?」

 マクシフェートはわずかに指の力を強くする。「ごしゅごしゅ♥」とディカオンの陰茎をこすりあげる。
 ディカオンがマクシフェートの腕の中でのけぞる。

「くひっ♥ またイく♥ イくぅ♥ 出しちゃいけないのにっ、せーし出るぅ♥」

 ディカオンの陰茎が震えた。精液が飛び出し、マクシフェートの手を濡らす。

「はぁ、はぁ……お、お許しください、神よ……」
「お前の神さんもよくよく寛容だな。こんな淫売が神官だなんてな」
「ぶ、侮辱、だぞ……!」

 ディカオンの顔に、怒りが宿る。だが、目元は赤くトロけていて、迫力はない。
 マクシフェートは興奮する。さらにディカオンをいじめてやりたくなる。昂ぶる心が、体の力になる。

「じゃあ、もっと涜神とくしんをしてやろうか?」

 マクシフェートはニヤリと笑い、腰に力を入れる。
 ディカオンの菊座を貫く陽根が、ディカオンの内部を「ぐりん♥」とえぐる。

「んおぉぉっ♥」
「こんなメスみたいなケツ穴のくせに、どこが敬虔な信徒と言える?」
「こ、これは……お、お前のせいで……!」
「そうだなぁ、淫魔の俺のせいか」

 ディカオンは、幾度となくマクシフェートに抱かれている。
 抱かれるうち、ディカオンの肉体は開発された。乳首は勃起して性的興奮を視覚的に伝える。菊座は淫らに膨らみ、マクシフェートの陽根の動きに合わせて、下品に伸縮する。

「そ、そうだ……お、お前がいなければ、私はこんな……!」
「じゃあ、こんな体にした責任を取らないとな?」
「な……あ、う、んぉぉぉぅっ♥」

 マクシフェートは腰の動きを速める。
 淫魔の陽根が「ずんずん♥」と、ディカオンの体内をえぐり、押し上げる。

「あっ、あんっ♥ あひっ♥ だめっ♥ だめぇ♥」
「アヒアヒ喘ぎやがって、こんなエロ神官殿にはおしおきだなぁ?」
「い、いやだっ♥ おしおきイヤッ♥ やめて、やめてぇ♥」

 ディカオンは白い肉体に汗を飛ばす。
 マクシフェートが笑う。彼の陽根が、ディカオンの体内で膨らむ。

「ひっ、中で大きくなってる♥ やだ、やだ、出さないでっ♥」
「そんなメス声でやめろと言われてもな……ククッ」

 マクシフェートはひときわ強く腰を打ち付けた。陽根から、容赦なく精液をほとばしらせる。

「オラッ、飲め! ケツ穴で飲め、ディカオン!」
「んひぃぃぃぃ♥ 熱いっ、おしり熱いぃぃぃ!♥」

 ディカオンが派手に悲鳴を上げる。同時に、陰茎から何度目かの射精をする。半透明に薄まった精液が、「ぴゅっ♥ ぴゅっ♥」と飛ぶ。

「はぁ……はぁ……♥ か、神よぉ……♥」
「まーた神さん頼みか。こっち向け」
「へ……? だ、ダメ、キスはダメ……♥」

 拒むディカオンの言葉もむなしく、マクシフェートが唇を重ねる。

「ん……ディカオン……」
「あむ、ちゅ……れろ……はふ……♥」

 マクシフェートは唇を離し、満足げに笑った。

「よかったぜ、ディカオン」
「う、うう……♥ ゆ、許さないからなぁ……♥」

 ディカオンが力なく凄みながら、気絶する。
 マクシフェートは愛おしげにキスをして、ディカオンを抱きしめる。

「いつか、本当に俺のものにしてやるよ」

 マクシフェートは笑った。笑い声が、ダンジョンの深奥に響き渡った。
 上級淫魔たる彼が本気を出せば、ディカオンを魔に堕とすことは容易だ。だがそれだけはしていない。ディカオンが神官を続けられているのは、マクシフェートが手加減していることも大きい。

「愛してる、ディカオン」

 ディカオンだけが知らない。
 マクシフェートの企みは、始まったばかりだ。


 ――おわり
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