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01 吉原と、とある出来事
001 私はきっと、朱色の水溜まりで生まれた何か… 1
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意地悪く閉じ込めて「出して!」と懇願されて、閉じ込められた者を嘲笑う。そんな事を繰り返してきた私の姉は、[普通なら2~3ヶ月もすれば、綺麗に自然治癒する筈の漆かぶれ]を丁度良い[玩具]と[判断した]と思われる。姉の弟で私の兄、その友達も、姉と同じ軽い気持ちで、それに参加したのだろう。
だから、自分達がした仕打ちで…肌や体毛の総てが真っ白になったり…、私の顔や体に薄気味悪い凹凸を作り、色濃く色鮮やかに紅く色素沈着して、事ある事に出血する様な傷が残ってしまう等…、思いもしなかったのだろうな……。
私がまだ、身の回りの人と変わらぬ姿をしていた頃の御話。
子供の与り知らぬ[とある事情]で、私には[先行投資]と言うモノが与えられ、年端も行かぬ私に習い事をさせ、父[鉄男]は目を細め、髪を撫で、私の頑張りだけを褒め称えていたと伝え聞く。何も知らなかった姉と兄は、知らなかったからこそ、納得出来なかった事だろう。
そんな状態で、父親から「妹の顔や体に、残るような怪我をさせぬよう面倒を見ろ」と言われていた私の姉、私より5年早く産まれた[当時9歳]の[ハツ]は…、何時も、その為に余計に鬱憤を溜め…、隠れて私に意地悪する事で、それを晴らしていた…と、私より3歳年上の兄[ハル]から聞いている……。姉が気に入っていた着れなくなった綺麗な色の着物を私が着ていた事も気に食わず、何時も怒っていたらしい。だから、その日も「ハツは自分に命令したんだ」と、ハルは私に事ある事に語っていた。
父に仕事を習い。[漆のかぶれは、時が経てば治る]と仕事の中で経験していたハルは、その日、仕事場から仕事で使う[粘り気のある液状の漆の入った陶器の椀]を姉のハツに頼まれ持ち出す事に、何の躊躇も無かったらしい。
ハルの友達で[ハツ]が大好きな[コウ]の方は…、ハツに「タエをダマしてでもツれてキてね♪」と頼まれ、訳も分からず大喜びで参加したのだとハルは言っていた…、が、しかし…、ハル曰く…、何時も通り、私が走って逃げたり、隠れたりしていた程度なら…、[コウ]は巻き込まれていなかったかもしれないそうだ…、あの日、姉がコウを巻き込んだのは…、私に楽器を触らせてくれたり、字や絵を描く事を教えてくれている火傷の跡のある隣の[ユメねぇ~ちゃん]の家に、私が逃げ込んだ所為…、だから…、「コウは悪くない」と言う……。
兄は何時も、姉に対する事は口を閉ざし、[自分と自分の友達は何も悪くない]と繰り返す。須く私の所為だと言いたいのだろうか?と言うのは…、置いておいて……。
取り敢えず、その頃の私は、女の子みたいに綺麗な顔立ちの[コウ]の事が本当に大好きだったそうだ。で、当時の私は、隠れて抓ったり叩いたりする姉[ハツ]を嫌い。そんな姉の味方をする兄[ハル]の事も嫌っていた。と近所の人が言っていた。
その日、私は[コウちゃん]に、「一緒に遊ぼ」と誘われ大喜びしていたと皆が言う。ユメねぇ~ちゃんが心配して止めるも「大丈夫だよw」と言って、[嬉しそうな顔して、コウと手を繋いで一緒に行ってしまった]と、ユメ姐さんも言っていた。
私が[跳ね橋]の架かる[お歯黒ドブ]の近くまで、手を繋ぎコウに寄って連れて来られると…、ハツは、そんな私に対して「バカなコねw」と笑いながら、年齢差から来る体格差を利用して私を背後から捕獲し、跳ね橋近くの留守がちな詰め所、番屋の横の倉庫の中へと私を物の様に放り込んだそうだ……。そして、ハルとコウに私の手足を縛らせ、後ろで押さえているように命じて、「イヤだ!もうヤめて!」と私が言うと、私の頬を拳で殴ったらしい。そして、少し静かになった私の顔や体に、嬉しそうにボタボタと漆の粘液を滴らせ…最後には首筋から服の中に漆の粘液を流し込み、そのまま倉庫に私を閉じ込めた…との事……。
その時に、私が発したと言う私の助けを求める声や悲鳴は、この場に居る者以外の誰の耳にも届く事は無かったのであろう。
だから、自分達がした仕打ちで…肌や体毛の総てが真っ白になったり…、私の顔や体に薄気味悪い凹凸を作り、色濃く色鮮やかに紅く色素沈着して、事ある事に出血する様な傷が残ってしまう等…、思いもしなかったのだろうな……。
私がまだ、身の回りの人と変わらぬ姿をしていた頃の御話。
子供の与り知らぬ[とある事情]で、私には[先行投資]と言うモノが与えられ、年端も行かぬ私に習い事をさせ、父[鉄男]は目を細め、髪を撫で、私の頑張りだけを褒め称えていたと伝え聞く。何も知らなかった姉と兄は、知らなかったからこそ、納得出来なかった事だろう。
そんな状態で、父親から「妹の顔や体に、残るような怪我をさせぬよう面倒を見ろ」と言われていた私の姉、私より5年早く産まれた[当時9歳]の[ハツ]は…、何時も、その為に余計に鬱憤を溜め…、隠れて私に意地悪する事で、それを晴らしていた…と、私より3歳年上の兄[ハル]から聞いている……。姉が気に入っていた着れなくなった綺麗な色の着物を私が着ていた事も気に食わず、何時も怒っていたらしい。だから、その日も「ハツは自分に命令したんだ」と、ハルは私に事ある事に語っていた。
父に仕事を習い。[漆のかぶれは、時が経てば治る]と仕事の中で経験していたハルは、その日、仕事場から仕事で使う[粘り気のある液状の漆の入った陶器の椀]を姉のハツに頼まれ持ち出す事に、何の躊躇も無かったらしい。
ハルの友達で[ハツ]が大好きな[コウ]の方は…、ハツに「タエをダマしてでもツれてキてね♪」と頼まれ、訳も分からず大喜びで参加したのだとハルは言っていた…、が、しかし…、ハル曰く…、何時も通り、私が走って逃げたり、隠れたりしていた程度なら…、[コウ]は巻き込まれていなかったかもしれないそうだ…、あの日、姉がコウを巻き込んだのは…、私に楽器を触らせてくれたり、字や絵を描く事を教えてくれている火傷の跡のある隣の[ユメねぇ~ちゃん]の家に、私が逃げ込んだ所為…、だから…、「コウは悪くない」と言う……。
兄は何時も、姉に対する事は口を閉ざし、[自分と自分の友達は何も悪くない]と繰り返す。須く私の所為だと言いたいのだろうか?と言うのは…、置いておいて……。
取り敢えず、その頃の私は、女の子みたいに綺麗な顔立ちの[コウ]の事が本当に大好きだったそうだ。で、当時の私は、隠れて抓ったり叩いたりする姉[ハツ]を嫌い。そんな姉の味方をする兄[ハル]の事も嫌っていた。と近所の人が言っていた。
その日、私は[コウちゃん]に、「一緒に遊ぼ」と誘われ大喜びしていたと皆が言う。ユメねぇ~ちゃんが心配して止めるも「大丈夫だよw」と言って、[嬉しそうな顔して、コウと手を繋いで一緒に行ってしまった]と、ユメ姐さんも言っていた。
私が[跳ね橋]の架かる[お歯黒ドブ]の近くまで、手を繋ぎコウに寄って連れて来られると…、ハツは、そんな私に対して「バカなコねw」と笑いながら、年齢差から来る体格差を利用して私を背後から捕獲し、跳ね橋近くの留守がちな詰め所、番屋の横の倉庫の中へと私を物の様に放り込んだそうだ……。そして、ハルとコウに私の手足を縛らせ、後ろで押さえているように命じて、「イヤだ!もうヤめて!」と私が言うと、私の頬を拳で殴ったらしい。そして、少し静かになった私の顔や体に、嬉しそうにボタボタと漆の粘液を滴らせ…最後には首筋から服の中に漆の粘液を流し込み、そのまま倉庫に私を閉じ込めた…との事……。
その時に、私が発したと言う私の助けを求める声や悲鳴は、この場に居る者以外の誰の耳にも届く事は無かったのであろう。
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