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03 吉原柄の法被と銀狐
028 無い物強請り 1
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京白粉の鉛白の方が化粧品として主流だった。この御時世。
小さな子供が母親や乳母の頬に触れ口にして死ぬ事の多い。もとても美味しく甘い毒。甘汞は伊勢白粉だけでは無く…、肌のシミ、そばかすを取って白くする内服薬…、蚤、虱の駆除薬……。それに近しい昇汞は、消毒薬。水銀粉とも呼ばれる汞粉は駆梅剤、梅毒の薬。利尿薬。下剤。堕胎薬の成分としても流通していて、水銀も鉛に劣らず結構、身近な物だった。
日本に中国から遣唐使が派遣されて来ていた時代から、美しさを求める者は鉛白や甘汞に手を出し…、蚤や虱を持ち込む客の多い切見世等では、質の悪い物出も気にする事無く、更に甘汞を流用し…、手を出し過ぎ、副作用を発症した者は、病に陥る顔色を隠す為…、毒の白粉を更に厚く塗って、体調を悪化させて行く…、そんな負のスパイラルに突入している事が、情報を集めると浮き彫りに成っていく……。
但し、それを言って[鉛白や甘汞には毒が有る事]を伝えても、副作用を発症してしまった者達は勿論、手放さずに最期の時まで使い続け、化粧で化けるビフォーアフターを目の当たりにした美しさを求める者達は、甘い誘惑を放つ毒に手を出さずには居られないらしい。
若さや新鮮味を失い。売り上げが落ちると皆、挙って鉛白や甘汞に手を出し[破滅ロードまっしぐら]である。
因みに最近、あちこちで噂を拾い集めても、引っ掛かるのは白粉と、梅毒とかの性病の話ばかり。明らか媚薬で死んでる者達が存在しているのに変だなぁ~…と、思っていたら…、私の見目目立つ姿、白い髪に紅く広がる傷跡、吉原柄の法被等の服装が仇と成っていて、その話を私の周囲の者に話さない条件で、取引が行われていたと言う事だ。
そんな情報を拾って来たのは、何もしなくても暗闇に同化できる黒兵衛…、最近、隠密行動に目覚め…、忍者ごっこをして遊んでいる時に偶然、耳にしたらしい……。
困った私はココで愚策に出てしまう。茜様に御伺いを立てた後、訳を話し情報収集を孝造に依頼してしまったのだ。その為、孝造は幼少期からの思い人と再会し…、軽い媚薬で再加熱した思いに突き動かされ…、孝造も仕事で使っている白い顔料や…、その他、危険性のある物の知識に、その毒性の有る物質まで彼女に提供してしまう……。その上で逆にコチラの情報を流し、私には媚薬に関して嘘の情報を掴ませてくれた……。最悪な結果だ。
御陰で調査は難航し、主犯格が薬と病に冒され、判断を誤るまで、その尻尾すら掴む事が出来なかった。
私は、昔と違って孝造が自分の味方であると勘違いして孝造を選び、人選を間違い。その間違いを確かめる過程で…、実の兄も実の父親の様に姉に貢いでいる事を知る……。
それを知った時、何と称して良いのか分からないけど、私の中で何かが壊れ熱を失った。私は[兄に対しても思い違いをしていた事]に気付き、兄や、その親友の孝造に何かを求める事を諦める。
兄や、その親友の孝造も、実の父親と同様、[あの人]の為に私を犠牲にする可能性の高い生き物なのだと、やっと理解できたのだ。
そうだ、彼等にとって私は、あの人以上の価値は無いのだろう。あの人が自分達の近くに存在しないから、代用品として私に接していたのかもしれない。そう思ったら、どんな言訳より、しっくりと来る。
気付けば、思い出せなかった想い出が私の中で駆け巡っていた。あの人に取上げられる事に抵抗する事すら出来なかった幼い私が「なんで?どうして?」と泣くので、私も誰も居ない場所で声を殺し泣いて、その痕跡を消してから茜様に報告に行き、再出発する事にする。人間、やり直しは何時だって出来るのだ。
取り敢えず。手始めに、幼かった頃の私を救済しよう。
あの人が自身の人生を悔い改め、人生のやり直しを選んでいなければ…、私の喜びや幸せを壊したがるだろうし…、それを壊しに来た時に出鼻を挫けば…、もう、自分があの人の支配から脱却し、自由になったと実感できるであろう……。
これは諸刃の剣で、失敗すれば酷い目に遭うし、下克上を許さない[あの人]の逆鱗に触れ、ずっと嫌がらせをされるだろうけど、何もしないで不意打ちで幸せを壊されるより良いだろう。
私は意を決し、兄や孝造との雑談の中に[あの人が食い付きそうな餌]を撒く。そこへ更に孝造に[嘘の情報]を掴ませ、目立つ私が囮と成り、罠に掛かった賊を秋之丞の直属の部下達に狩って貰う日々が暫く続いたある日。
あの人は、私を標的とせず。私と関係ない所で罪を重ねた。
コレは私が想定して対処しておかなければイケナイ案件だったかもしれない。
小さな子供が母親や乳母の頬に触れ口にして死ぬ事の多い。もとても美味しく甘い毒。甘汞は伊勢白粉だけでは無く…、肌のシミ、そばかすを取って白くする内服薬…、蚤、虱の駆除薬……。それに近しい昇汞は、消毒薬。水銀粉とも呼ばれる汞粉は駆梅剤、梅毒の薬。利尿薬。下剤。堕胎薬の成分としても流通していて、水銀も鉛に劣らず結構、身近な物だった。
日本に中国から遣唐使が派遣されて来ていた時代から、美しさを求める者は鉛白や甘汞に手を出し…、蚤や虱を持ち込む客の多い切見世等では、質の悪い物出も気にする事無く、更に甘汞を流用し…、手を出し過ぎ、副作用を発症した者は、病に陥る顔色を隠す為…、毒の白粉を更に厚く塗って、体調を悪化させて行く…、そんな負のスパイラルに突入している事が、情報を集めると浮き彫りに成っていく……。
但し、それを言って[鉛白や甘汞には毒が有る事]を伝えても、副作用を発症してしまった者達は勿論、手放さずに最期の時まで使い続け、化粧で化けるビフォーアフターを目の当たりにした美しさを求める者達は、甘い誘惑を放つ毒に手を出さずには居られないらしい。
若さや新鮮味を失い。売り上げが落ちると皆、挙って鉛白や甘汞に手を出し[破滅ロードまっしぐら]である。
因みに最近、あちこちで噂を拾い集めても、引っ掛かるのは白粉と、梅毒とかの性病の話ばかり。明らか媚薬で死んでる者達が存在しているのに変だなぁ~…と、思っていたら…、私の見目目立つ姿、白い髪に紅く広がる傷跡、吉原柄の法被等の服装が仇と成っていて、その話を私の周囲の者に話さない条件で、取引が行われていたと言う事だ。
そんな情報を拾って来たのは、何もしなくても暗闇に同化できる黒兵衛…、最近、隠密行動に目覚め…、忍者ごっこをして遊んでいる時に偶然、耳にしたらしい……。
困った私はココで愚策に出てしまう。茜様に御伺いを立てた後、訳を話し情報収集を孝造に依頼してしまったのだ。その為、孝造は幼少期からの思い人と再会し…、軽い媚薬で再加熱した思いに突き動かされ…、孝造も仕事で使っている白い顔料や…、その他、危険性のある物の知識に、その毒性の有る物質まで彼女に提供してしまう……。その上で逆にコチラの情報を流し、私には媚薬に関して嘘の情報を掴ませてくれた……。最悪な結果だ。
御陰で調査は難航し、主犯格が薬と病に冒され、判断を誤るまで、その尻尾すら掴む事が出来なかった。
私は、昔と違って孝造が自分の味方であると勘違いして孝造を選び、人選を間違い。その間違いを確かめる過程で…、実の兄も実の父親の様に姉に貢いでいる事を知る……。
それを知った時、何と称して良いのか分からないけど、私の中で何かが壊れ熱を失った。私は[兄に対しても思い違いをしていた事]に気付き、兄や、その親友の孝造に何かを求める事を諦める。
兄や、その親友の孝造も、実の父親と同様、[あの人]の為に私を犠牲にする可能性の高い生き物なのだと、やっと理解できたのだ。
そうだ、彼等にとって私は、あの人以上の価値は無いのだろう。あの人が自分達の近くに存在しないから、代用品として私に接していたのかもしれない。そう思ったら、どんな言訳より、しっくりと来る。
気付けば、思い出せなかった想い出が私の中で駆け巡っていた。あの人に取上げられる事に抵抗する事すら出来なかった幼い私が「なんで?どうして?」と泣くので、私も誰も居ない場所で声を殺し泣いて、その痕跡を消してから茜様に報告に行き、再出発する事にする。人間、やり直しは何時だって出来るのだ。
取り敢えず。手始めに、幼かった頃の私を救済しよう。
あの人が自身の人生を悔い改め、人生のやり直しを選んでいなければ…、私の喜びや幸せを壊したがるだろうし…、それを壊しに来た時に出鼻を挫けば…、もう、自分があの人の支配から脱却し、自由になったと実感できるであろう……。
これは諸刃の剣で、失敗すれば酷い目に遭うし、下克上を許さない[あの人]の逆鱗に触れ、ずっと嫌がらせをされるだろうけど、何もしないで不意打ちで幸せを壊されるより良いだろう。
私は意を決し、兄や孝造との雑談の中に[あの人が食い付きそうな餌]を撒く。そこへ更に孝造に[嘘の情報]を掴ませ、目立つ私が囮と成り、罠に掛かった賊を秋之丞の直属の部下達に狩って貰う日々が暫く続いたある日。
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