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No02 次期君主は山猫を飼いたいらしい
010 次期君主は山猫を飼いたいらしい
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子供の頃、天葬の山で『山猫』と出会い。スリルと感動、自分自らの手で[手に入れる喜び]を知った領主の息子、長男のジエンは…、シャンマオに感化され、自由に自ら走り回り、健康的で野性味を持ち…、正一品、四妃の一位たる領主の唯一の正妻、貴妃の座に座る母親の才色兼備と、父親から文武両道の才を受け継ぎ…、一見、無駄な肉無しの抜きん出たスリムボディで、知的な男らしいイケメンに育ったのだが…、話してみると何処かしらヤンチャな犬っぽい…、万人受けする種類の大人の男に成っている……。但し、今日のジエンは、誰も寄せ付けずに一人、不貞腐れていた。
領主である父ダオレンが、寵妃の婕妤の願いを聞き入れ…、婕妤が婕妤の弟妹の再会の邪魔に成ると判断した[ジエン]への情報を…婕妤に願われる儘に遮断……。結果、父親に口止めされた次男、頭首継承順位4番のドウンは、禁止令を解かれるまで口を閉ざしてしまい。
ジエンは、[シャンマオ]に再会していたのにも関わらず[気付けない]と言う失態を犯してしまったのだった。これは、2度目の失態である。
一度目は[シャンマオの双子の兄]と最初に出会った頃。
シャンマオとの素っ気ない出会いから…、ジエンが努力して仲良くなって…シャンマオと再会の約束をした日…、夜の闇の中、有無を言わせず屋敷に連れ帰られ…、その後、シャンマオに会いに行きたくて、何度か屋敷を抜け出し、天葬の山へ行こうとして失敗…、繰り返し倉に閉じ込められたりしていた頃の話だ……。
その時期に[シャンマオの兄]は、腹違いの弟の一人、ドウンからジエンへの贈り物として届いた。
男の象徴を切り取られ、無理矢理に宦官にされた[シャンマオの兄]は、恨み憤り絶望の中にあって[一族が殺処分と成った事]をジエンの所為だと勘違いしていた。ジエンもその時に殺処分の事を初めて知り、シャンマオが死んでしまった可能性に気付いて動揺し、当時ジエン7歳と[シャンマオの兄]5歳の感情のみで交わした言葉は支離滅裂、会話には成り得なかった。
翌朝、ジエンは頭を冷やし…、ドウンから貰った贈り物[シャンマオの双子の兄]の所在を尋ねたら…、殺処分になってはいなかったが…、何時の間にか…、当時ですらまだ11歳、自分の父親が唯一自ら選んだ寵妃[婕妤]の所有物になっていた……。
つまり、自分に懐かなかったが為に隙を突かれ、[シャンマオの双子の兄]は、領主である自分の父親を介して『婕妤の仔猫』になっていたのだ。
あの頃は自分へのプレゼントを横取りされた事に納得が出来ず、ジエンは「本人が本気で嫌がっているから」と言われても、何度も通って返却を求めていた。が…、その時、偶然耳にした[シャンマオ生存の可能性]に小躍りして、諦め…、シャンマオが大切にしていた[シャンマオの兄シーツー]と仲良くなりたくて、シャンマオ捜しと同じ年数、努力しているのだが、効果ゼロ…寧ろ嫌われたままって言うのが続いている……。勿論、自分の母親と折り合いの悪い婕妤とも、仲良くなれそうにはない。シャンマオが婕妤の物になってしまえば、自分が手に入れられなくなってしまう事は確実であろう。
だからこそ、婕妤には譲れないし、今回の事をジエンは悔しく思っている。
[シャンマオの双子の兄]が婕妤に「僕の双子の片割れのシャンマオは生きている。」と告げたのを物陰から耳にして約15年程…、只管ずっと探し続けていた[シャンマオ]の近況を…ジエンが知る事が出来たのは、園遊会終了後……。シャンマオが後宮を後にし、婕妤付きの宦官が尾行を失敗して、シャンマオの行方が不明となった後のだったのである。
今回、ジエンは…、「領主の仔猫が婕妤を護って斬られ死に掛けている」と言う噂は大袈裟で、[大した怪我をしていなかった]と誤解して喜び…、宦官に混じって、春の宴の舞を踊ったのが『シャンマオ』だと思いもしなかったのだ……。
[シャンマオの兄シーツー]の怪我の具合も気になるが、ジエンは自分自身の思い人に気付けなかった自分に対して苛立ちを禁じ得なかった。
ただ、シャンマオはまだ、婕妤の所有物ではない。ジエンは、如何すれば穏便にシャンマオを手に入れられるか?を悩み悩んで…、[次こそは先に捕まえれば良い]と、仕事と武芸の訓練の合間休まずに…、今まで以上に必死になって、シャンマオの足取りを捜し続けた……。その数週間後、ジエンが寝る間と食事の時間を惜しんでいる事を心配した母親に呼び出され、不機嫌を悪化させた帰りに偶然、ジエンは後宮内で倒れ、ある意味で運良く、後宮の医局に担ぎ込まれたのであった。
領主である父ダオレンが、寵妃の婕妤の願いを聞き入れ…、婕妤が婕妤の弟妹の再会の邪魔に成ると判断した[ジエン]への情報を…婕妤に願われる儘に遮断……。結果、父親に口止めされた次男、頭首継承順位4番のドウンは、禁止令を解かれるまで口を閉ざしてしまい。
ジエンは、[シャンマオ]に再会していたのにも関わらず[気付けない]と言う失態を犯してしまったのだった。これは、2度目の失態である。
一度目は[シャンマオの双子の兄]と最初に出会った頃。
シャンマオとの素っ気ない出会いから…、ジエンが努力して仲良くなって…シャンマオと再会の約束をした日…、夜の闇の中、有無を言わせず屋敷に連れ帰られ…、その後、シャンマオに会いに行きたくて、何度か屋敷を抜け出し、天葬の山へ行こうとして失敗…、繰り返し倉に閉じ込められたりしていた頃の話だ……。
その時期に[シャンマオの兄]は、腹違いの弟の一人、ドウンからジエンへの贈り物として届いた。
男の象徴を切り取られ、無理矢理に宦官にされた[シャンマオの兄]は、恨み憤り絶望の中にあって[一族が殺処分と成った事]をジエンの所為だと勘違いしていた。ジエンもその時に殺処分の事を初めて知り、シャンマオが死んでしまった可能性に気付いて動揺し、当時ジエン7歳と[シャンマオの兄]5歳の感情のみで交わした言葉は支離滅裂、会話には成り得なかった。
翌朝、ジエンは頭を冷やし…、ドウンから貰った贈り物[シャンマオの双子の兄]の所在を尋ねたら…、殺処分になってはいなかったが…、何時の間にか…、当時ですらまだ11歳、自分の父親が唯一自ら選んだ寵妃[婕妤]の所有物になっていた……。
つまり、自分に懐かなかったが為に隙を突かれ、[シャンマオの双子の兄]は、領主である自分の父親を介して『婕妤の仔猫』になっていたのだ。
あの頃は自分へのプレゼントを横取りされた事に納得が出来ず、ジエンは「本人が本気で嫌がっているから」と言われても、何度も通って返却を求めていた。が…、その時、偶然耳にした[シャンマオ生存の可能性]に小躍りして、諦め…、シャンマオが大切にしていた[シャンマオの兄シーツー]と仲良くなりたくて、シャンマオ捜しと同じ年数、努力しているのだが、効果ゼロ…寧ろ嫌われたままって言うのが続いている……。勿論、自分の母親と折り合いの悪い婕妤とも、仲良くなれそうにはない。シャンマオが婕妤の物になってしまえば、自分が手に入れられなくなってしまう事は確実であろう。
だからこそ、婕妤には譲れないし、今回の事をジエンは悔しく思っている。
[シャンマオの双子の兄]が婕妤に「僕の双子の片割れのシャンマオは生きている。」と告げたのを物陰から耳にして約15年程…、只管ずっと探し続けていた[シャンマオ]の近況を…ジエンが知る事が出来たのは、園遊会終了後……。シャンマオが後宮を後にし、婕妤付きの宦官が尾行を失敗して、シャンマオの行方が不明となった後のだったのである。
今回、ジエンは…、「領主の仔猫が婕妤を護って斬られ死に掛けている」と言う噂は大袈裟で、[大した怪我をしていなかった]と誤解して喜び…、宦官に混じって、春の宴の舞を踊ったのが『シャンマオ』だと思いもしなかったのだ……。
[シャンマオの兄シーツー]の怪我の具合も気になるが、ジエンは自分自身の思い人に気付けなかった自分に対して苛立ちを禁じ得なかった。
ただ、シャンマオはまだ、婕妤の所有物ではない。ジエンは、如何すれば穏便にシャンマオを手に入れられるか?を悩み悩んで…、[次こそは先に捕まえれば良い]と、仕事と武芸の訓練の合間休まずに…、今まで以上に必死になって、シャンマオの足取りを捜し続けた……。その数週間後、ジエンが寝る間と食事の時間を惜しんでいる事を心配した母親に呼び出され、不機嫌を悪化させた帰りに偶然、ジエンは後宮内で倒れ、ある意味で運良く、後宮の医局に担ぎ込まれたのであった。
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