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jyouyama

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あの日

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彼が私を好きになったのは顔が可愛いと思ったから。あとお風呂をお風呂って言うところ、たまたまお互いのことを「君」と呼んだかららしい。もしかしたらまだ他にもあるかもしれないけれど書いている私が小っ恥ずかしくなるから聞くのも書くのもやめておく。付き合ってから1年と1ヶ月が経ったけれど彼はまだ車でキスをすると「なんか、照れる」と言う。半年前かな、そのくらいにも信号で車を止めているときにキスするとすごく照れていた。3週間会えなかった後の私の地元でのデートの時はコインロッカーの隅でたくさんキスしてきたのに。その時照れはなかったのだろうか。私が彼を好きになったのは、いつなんだろう。会ったこともない彼と毎日LINE通話して、バイト頑張ってね、お疲れ様、今日通話できる?、って何回もそんな時間を重ねていくうちに君からの好意を何となく、察した。その時彼は彼女の東京のホストとの浮気が発覚して、別れて、傷心した傷を癒そうと、忘れようと、本意は分からないからなんとも言えないが多分そんなことを思いながら出会い系アプリに登録して色んな女の人と遊びまくって、そういうことをしまくって、仕事して、隙間時間にひたすら右スワイプをしていた。後で聞いた話だと私の地元にも1回女と会うために真夜中に車をぶっぱなして来ていたらしい。その時期大学を他の人より早めに合格した私は冬休みがとても長く暇に感じていて、友達がお遊び感覚でしていたアプリを登録して、何となく、かっこいい人だけ右スワイプしていた。卒業前1回だけマッチした人と出会って、焼肉に連れていってもらった。初めての焼肉。初めてのデートっぽいやつ。目の前にはイケメン。私は浮かれていたし多分それは相手に伝わっていたと思う。彼は大学生で髪を染めて、ピアスをあけて。なにかきらきらしていて、笑顔で話しかけてくれて、とてもかっこよくみえた。好きなバンドを教えられ、そこから毎日そのバンドの曲を聞くようになった。焼肉は奢ってもらった。焼肉屋のガム食べてみ、と帰り道に言われ渡されたガムを食べてみた。ネチョネチョしていて歯に張り付く。美味しくない、と言うと今日1番の笑顔でだよな、と笑いその場で別れて家に帰った。本当に優しくて、ちょっと意地悪してきて、今までの18年間男性との恋愛経験が無かった私はその人のことを一瞬で好きになった。もう1回会いたいなと思ってメッセージを送った。返事はずっと返ってこなかった。その時の私は肌のスキンケアとか、メイクとか、ヘアケアとか、脱毛とか、服のセンスとか。何もわからなくて、何もしてなくて、あの人からするとただ芋くさい子供に見えていたんだと思う。そんなことがあってすぐ、私は無事に高校を卒業した。仲のいい友達はみんな県外の大学に行くとかですぐに引っ越してしまった。友達がいなくて寂しい私は、またもアプリを開いてしまった。右スワイプ、右スワイプ、たくさんの人とマッチしてLINEとInstagramを交換して、メッセージを送りまくった。卒業した日にアプリを再開し次の日には既に10人ほどとメッセージを送りあっていた。その日はバイトで、夕方にバイトが終わったあとに私のバイト先まで来てくれた3歳上の人と初めてラブホテルに行った。全然タイプじゃなかったし、自分何してるんだろとか思いながら、お風呂に入って、勝手がわからなくて髪も洗って、バスローブとか知らないから服をしっかり着て、ベッドに向かった。髪洗ったの??洗わなくてもいいんだよ笑とか言われたからすぐ髪乾かしてきます、っていってドライヤーを手に取って乾かした。風量が弱くて半乾きのまま、その男に抱かれた。気持ちがいいとかわからなくて、声の出し方とか、何もわからなくて、いわばマグロ、というやつだった。それからその人とは3回ほど会って、やった。3週間で、10人とした。電車で30分の場所とか、家とか、どこでも行った。たくさんした。毎回お酒を買ってもらった。気持ちいいとかはまだ全然わからなかった。嫌いなバイトをしながら息抜きみたいにそんなことをして過ごしていたら、ある日彼とマッチした。最初送られてきたメッセージは本当に意味がわからなくて、何言ってるのか分からないふざけすぎた言葉だった。なんて返したかは覚えていないけれど、何となく彼との話は広がって、何となく、LINE交換して、Instagramも交換して、メッセージを送りあって、通話するようになった。初めて通話したのは、他の男の人とカーセックスをして、お酒と、煙草を買ってもらった後。歩きながら通話をした。彼も、たしか他の女の人と会ってきた後だったと話していた気がする。今まで何人と会ったとか、何人とセックスしたとか、やっぱりそんな話から始まった。初めて通話した時の彼の声からの印象は可愛い男の子だったからそういうことをしているのが何となく違和感もあったりした。2、3日通話したりメッセージを送りあったりしていたら、何となく、彼からの好意が伝わってきた。一緒に某テーマパークに行きたいとか、会って遊びたいとか。私はこの人も身体の関係だろうなと本気で思って疑わなかったから、県外だしなぁ、いつかね、とか言って話をそらして他の男の人の話をしていた。「今度肉じゃが作ってくれるっていう人の家行くんだ、お泊まりしてくる、楽しみ」と言ったら彼は通話を切った。もしかして、と思いかけ直したらやはり嫉妬をしていた。彼からの好意は少しずつ大きくなってきていた。結局そのお泊まりも行ったし、幼なじみが京都に引っ越したので遊びに行ったりもした。それでも毎日彼からはメッセージが届いて、通話も何回もして、自撮りとか日常の写真とか、動画とか、たくさん送られてきた。そしてはっきりと嫉妬の意を言葉で伝えられた。私は恋愛経験ないし、会ったことないし、なんだかよく分からない、あなたのことはでも嫌いじゃないしむしろ好意は少なからず持っている、なんとなくそういうことを伝えた。この時点でアプリは消した。なんとなく、付き合うことになった。初めての彼氏。私は会ってもいないのに付き合うってなんだんだろうとか疑問に思いながら過ごしていた。ある日バイトがいつもより2時間早く終わった時に、彼も、仕事が早上がりで、夕方に会うことになった。私は一旦家に帰って汗臭い体を洗い流し、万が一の時のために毛を隅々まで剃り、保湿をして、化粧はよく分からないからコンシーラーと眉毛だけ描いて、前髪を少しだけ切って彼と会った。特急電車に乗って来てくれた彼は、すらっとしていて格好良くて、優しくて、でも会った瞬間腰に手を回してきたから少し怖かった。人との距離の詰め方、おかしくない?怖い!とか思いながらプリクラを撮って、スターバックスへ行って抹茶フラペチーノを飲みながら街を散歩した。まだ少し肌寒い季節だった。彼はフラペチーノを飲んで凍えている私に持ってきていたシャツを羽織らせてくれて、私の手を握って彼のジャケットのポケットに入れてくれた。彼の手は私と同じ大きさで、足も同じ大きさ、身長にしては小さい手だったけど握った時すごく心地良かった。2人でカフェに入って彼はカルボナーラ、私はクラムチャウダーを頼んだ。セットにホットジンジャーティーを頼み、食後にそれを飲んだ。少し辛いなと思っていたら私の目の前でもっと辛そうにしている彼がいた。彼は甘党だった。彼の話は特別面白い訳では無いけど、行動が面白くて、少しわがままだけど頼らせてくれる、なんだか色んな表情があって、たくさん笑って、にこにこしていて、少し強引なところもあって、優しくて、優しくて。元々ちょろい私はこの日に、あ、好きだなと思った。彼は君といたら素がでちゃう、と言った。私もそうだった。こんなに安心出来る人が初めてで、自分でもびっくりした。帰り際、ウエディングドレスが飾られているビルの人がいないところで、マスクを下げられ軽くキスをされた。今日会えてよかった。楽しかった。と、また会おうねと約束して駅でお別れした。帰りの電車に揺られている途中、ふと、ホテル、行ってないな、今日1回もそういう話出なかったな、また会いたいな、そんなことを思いながら家に帰った。
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