タンブルウィード

まさみ

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二十三話

無機質にカメラが回る。
照明機材の白熱光が、中央の空間を非日常の舞台に変える。
地下室は頑丈なコンクリ造りで、どんなに叫んでも物音がもれないように徹底されてる。
分厚いコンクリ壁で固められた地下室には、どれも同じ鋳型から出来たような無個性な檻が並ぶ。
捕まっているのはコヨーテ・ダドリーを狙ってトチったマヌケな賞金稼ぎと間抜けな女、事情もわからず付け届けされた間抜けなガキ。
ここにゃ間抜けな人間しかいない、入れ食いのカモの巣窟だ。
みんなこんなはずじゃなかったという顔をして、コヨーテ・ダドリーをなめたツケを払わされてる。
俺にはわからない。
なにもかもがヤツに上手くいきすぎてる、都合よい展開がすぎる。
コヨーテ・ダドリーが汚い商売で悪名轟かせ、賞金首リストに載ったのはごく最近。
そんなポッと出にしちゃ、並外れたツキに恵まれてる。
腕自慢の荒くれ賞金稼ぎどもがダドリーにまんまとしてやられちまうのは何故だ。

子分が優秀?
犬が優秀?
まだ伏せてる切り札が?

いずれにせよ自分を殺しに来た賞金稼ぎを返り討ちにし、悪趣味なスナッフポルノの素材にするあたり完璧イカレちまってる。
更生は手遅れだ。

なんだってあのバカ犬は、こんな庇う価値のねえヤツのために死んだ?
こんなクズの命、救う必要なかったのに。
それでテメェが死んじゃ世話がねえ。

みじめすぎる犬の一生と今の己の境遇を引き比べ、絶望の苦味を噛み締める。
あの犬が余計なマネしなけりゃ今頃は……それは楽観的すぎる。
ダドリーと愉快な仲間たちに包囲された時点で、どのみち詰んでたのだ。
「あッ、が」
鉄格子の向こうで裸に剥かれたスワローが苦しげに身悶える。
薬のせいで様子がおかしい。
静脈に直接注射された媚薬の効果は絶大で、大量の汗が素肌を流れる。
「さすが、効き目抜群だな」
「乳首もペニスもビンビンに勃ってやがる、腰がくびれたやらしー体だ」
親分がゲスなら子分もゲスなダドリーの舎弟どもが舌なめずりせんばかりにスワローに殺到、腰を掴んで引き立て、髪を持って顔を上げさせる。

こんな光景見たかねェ。
ほんの数日前に笑いながら俺を犯してたガキが、ゲス野郎どもにヤられるところなんて見たくねえ。

せめて目を閉じてやるのが慈悲か葛藤が生じるも、そうしろと命じる意志に反し、網膜がスワローの痴態を焼き付ける。
舎弟に弄ばれるスワローの周囲を徘徊し、ダドリーが高らかに手を叩く。
「さあお立ち会い、カメラの向こうのアナタたちは実に運がいい!お目が高い紳士淑女の皆々様に長年ご愛顧いただいたコヨーテ・アグリー・ショーも本日最終回、我々一座はアンデッドエンドを去ることと相成った。されど哀しむなかれ、記念すべき最後の舞台を飾る主役にはとっておきの上玉を用意した」
手下がカメラの角度を調整、ダドリーがもったいぶって退く。
舎弟に組み敷かれ、胸やら腹やらあちこちいじくり倒されるスワローをキザったらしい一礼がてら自信ありげに披露し、簡単な紹介を差し挟む。
「オス、準成犬、推定年齢15歳。体長6フィート0.5インチ、体重136ポンド。体毛はイエローゴールド、瞳はセピアレッド。栄養状態良好、犬種はアングロサクソン系ホワイト。なになに体毛は金じゃない、ブラウンじゃないかって?詐欺表示にあらず、コレはニセモノ。コイツは髪を染めてるんだ、姑息にも。俺にはすぐわかった、これまで何百何千の犬を見てきたと思ってる?コヨーテ・ダドリーを欺けるものか」
先程までの不気味な無口さから一転、躁的な饒舌で謳い上げて、スワローの前髪をぐっと掴む。頭皮が剥がれそうな激痛に呻くスワロー、その毛根をカメラに突き付けて勝ち誇る。
「ほら見ろ金髪だ、天然色のイエローゴールド、やっぱり俺の目に狂いはなかった!なあそうだろ親父、飲んだくれのド変態よか断然鑑定眼が優れてんだ、新天地に移っても上手くやってけるさ、俺にゃあんたにゃねえ商才があるからな」
ダドリーの目がどんよりと濁り、ブツブツと呟き始める。
「残念だな、得意客には金髪のほうがウケがいいんだ。パツキンの人気は安定してるからな……ホースの高圧水流でおとすか?」
「あん……た、ばかじゃねえ……の」
スワローが息も絶え絶えに掠れ声をしぼりだし、辛うじて不敵な笑みを拵える。
「賞金稼ぎの、入れ食いなのに……ッは、わざわざガキ、拾ってきたのかよ」
脂汗が流れ込んで引き歪む双眸が、奥の檻に閉じ込められた子どもを射竦める。
子どもは「ひっ!」と叫び、さらに隅っこへしりぞく。
ダドリーは鼻を鳴らし、スワローの首からぶらさがるタグをいじりだす。
「フェイクにひっかかったな。アレはお前ら……敷地に張りこんでる賞金稼ぎどもに見せて聞かせて油断を誘うお芝居だよ。この業界に食い込んだヤツなら人ひとり入るトランクとマーダーズをすぐ結び付ける。トランクでデリバリーするのがマーダーズの流儀なのさ」
ダドリーの説明は正しい。マーダーズはデリバリーにトランクを愛用してる。
生きた人間をトランクの中に入れ、どうかすると何日もかけて持ち運ぶ。
栄養補給、および排泄用のパックとチューブもちゃんと仕込まれてんだから至れり尽くせりだ。
「まあ、それだけじゃないがな。ウチの顧客はわがままでね、次はブルネットのパーマで乳が垂れた女がいい、次は背中に刺青を入れたマッチョな野郎がいいとリクエストがうるさいんだ。今日で『おしまい』なんだから、可能な限り望みにこたえて憂いなく幕を引きたい」
「そうすれば……こっから消えても、リピーターになるってか……」
待てよ。
夜逃げを敢行するなら、檻の中の連中はどうする気だ?
とてもじゃないがこの人数を連れては移動できない。
スワローが激しく首を振り、タグをもてあそぶダドリーの手を突っぱねる。
「俺のモノにさわるな」
「へえ、どれだ」
「!っあ、」
口輪で顔の下半分を覆われたスワローが仰け反る。
縮れ毛が密生する節くれた手が、仄かに上気した首筋をなで、身体のラインにそって下っていく。
「あらかじめドッグタグをしてるとはいい心がけじゃないか」
「ぅ……はなっ、せ、ころすぞ」
一糸纏わずこじ開けられた股ぐらへ手がしのびこみ、美しいペニスを擦り立てる。
十代半ばを漸くでたばかりの少年の瑞々しい性器が、屈強な男の手で太らされていくのはなんとも卑猥な眺めだ。
透明な雫が鈴口に膨らみ、スワローが切なげに眉をしかめ吐息する。
「……っは……ァ」
「こっちはちゃんとイエローゴールドだな」
「下半身まで染めるか……よ」
「視聴者に見せてやれ、じゃないと納得しないんだ連中は」
しっとり湿った陰毛に指を巻き付け嘲弄。
滴り震えるペニスの上方に生えた淡い金色の翳りを、カメラがズームで撮る。
衆人環視の中、カメラの前で股を開かされる恥辱と怒りはいかほどか。
スワローは全裸だ。
上も下も剥かれ、身に付けているのはゴツい鉄製の口輪とシンプルなドッグタグだけ。
そんなケダモノもどきの倒錯的な姿態が、たまらなく嗜虐心をそそる。
本来の用途じゃ吠え癖を矯正する為に使われる口輪も、突出した美形のスワローが嵌めるとビザールな拘束具に見え、サディストの征服欲を狂おしく滾らせる。
「とぷとぷ先走りがあふれてくるぞ。俺の手が臭い汁でびしょびしょだ」
ダドリーがクツクツ笑い、イエローゴールドの陰毛を冠すペニスをねちっこく捏ね回す。
「ぅっく……よか、ねえぞちっとも……ねむてェ手コキじゃイケねえよ……」
感じてる顔を見られないよう俯くのを許さず、前髪を掴んでカメラを呼ぶ。
「あッあッあぅあっ!?」
ダドリーがぐちゃぐちゃとスワローの股間を捏ね回す。
すっかり勃起したペニスを上下に擦り立て、親指と人さし指の輪っかを亀頭に通し、震える裏筋にまで先走りの汁を丹念に塗り広げていく。
「お飾りの口輪じゃ喘ぎを封じきれない」
「……犬と人間サマじゃ、顎の構造ちがうだろ……」
見たくないと拒絶する理性と、見たいと欲求する本能がせめぎあうなか、汚泥が沸騰するような笑いを低く低く漏らすスワロー。
「コレだとフェラチオできねェな……したら、噛みちぎってやったのに」

コイツ、なんて淫乱なカオで笑うんだ。
心までけだものに堕ちちまったのか?

「……そんな気なくなるまで、後ろで躾けてやる」
ダドリーがいい子で待てをしていた舎弟に顎をしゃくる。
スワローの股間と会陰はカウパーでべとべとだ。物欲しげにひく付く膨らみを覗き込み、一人が喜色を満面にたたえる。
「やっとお許しがでたぜ」
下着をずらし、猛々しい男根を引っ張り出す。
「かわいがってやんよ、ツバメちゃん」
それをふちが削げた肛門にあてがい、腰を抉りこむように挿入。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ゛あァあああああ」
いくら先走りが潤滑油の代わりを果たしても、指でならしもせず突っ込めば当然裂ける。
男のモノはスワローには大きすぎた。
体を引き裂く激痛と圧迫感が馴染むのを待たず、一方的な抽送を開始。
「ぅあっ、あっ、あうっあっ」
スワローの尻をさかんに腰で打ち、奥まで自分自身をねじこんで荒々しく引き抜く。
テクは度外視、肥大した欲望だけが先行するレイプ。
犬の交尾をまねて這わされたスワローが、鎖で可動域を制限された手で咄嗟にタグを握る。
許しを乞うようにも祈りを捧げるようにも見えるポーズで突っ伏すスワローの背後、仲間に先駆けて「躾」を任された男が嬉々として叫ぶ。
「あのストレイ・スワロー・バードを喰っちまった!!見たろお前らコイツのメス穴に俺のがずぶずぶ入ってくの、アハハ相当使い込んでやがるなこりゃ、美味そうに咥え込んではなさねー!」
人いきれでむせ返る地下室に野卑な口笛と哄笑が渦巻く。
「…………」

俺はただ、見ているだけか。
見ているだけしかできないのか。

「ふぐぅー……ふゥー」
隣のドギーが無力感を噛み締め目を背ける。
棒ギグで遮られても言わんとすることはわかる。
俺の視線の先、何フィートと離れてない場所で、スワローが輪姦されてる。
「あッぐ、んぅ、う―――――――――――――ッ!!」
口輪でこもった叫びが悲痛な尾を引き、タグを握り締める手に力がこもる。入れ替わり立ち替わり男たちがのしかかり、乱暴に腰を引き立てペニスをぶちこむ。
「ふっ、うぅ、う゛ーーーーーーーッ」
最初こそ痛がっていたが、三人目が体内で射精する頃には自ら腰を振っていた。
汗でぐっしょり濡れそぼった茶髪から塗料が抜け、本来の金髪が見え隠れする。
口輪を強制された顔面は、生理的な涙と汗と唾液にまみれなお苛烈な反抗心を手放さず、ギラギラと剥き出しの憎悪に輝く。
「ワンって言えよ、ほら」
「客が見てんの忘れんな」
「ケツにペニスぶちこまれてアへって、野良ツバメもたいしたことねえ」
「コイツん中すっげェいい、襞が吸い付いてくる。あのウワサ本当かよ、野良ツバメは体の相性あいさえすりゃ男も女もとっかえひっかえ手あたり構わずだって」
「マジで?性病持ちじゃねえの」
「前使っていいっすかボス」
カメラが上下左右、アングルを変えて結合部を映す。涙の跡が付いた顔もアップで撮る。
ダドリーが意地悪く含み笑い、タグに縋り付く手を踏みにじる。
「奉仕するなら口輪をとってやる」
「蜂の巣にでも突っ込んでな、短小がビッグに腫れ上がって……」
「そうか」
「!!ッぐ、あふっあッあァっあ―――――――――――――――」
激しい抽送が再開、クスリで何十倍も敏感になった直腸を剛直が滑走。
ゴリゴリと粘膜を巻き返す痛みも上回る凄まじい快感にスワローが絶頂、ペニスから精が飛び散る。
目をそらせ――――そらすな――――そらせ!
「見ろよ、メスイキしちまった」
「ケツだけでイけんのかド淫売、しっぽで栓してやろうか」
「あーあ、ほったらかしで可哀想に……前もいじってやんなきゃ、ぷるぷる媚びてんだからよ」
「きゃわいいピンクのおマメ乳首もさわってほしそうにしてんぜ」
「あッ、ぐ、ぬけ、あッあ、も、やめ、ィっく、また」
一人がペニスをしごく。
一人が乳首を抓る。
一人がケツにパンパン突っ込む。
死に物狂いで身をよじり、暴れ、纏わり付く男たちから逃げようとするも肘や足首を掴んで引き戻され、その汚濁を全身に浴びる。
「メス犬らしく孕めオラッ、ケツマンから子犬をひりだぜ!」
「期待のルーキーストレイ・スワロー・バードの華麗なる転落劇、性奴隷デビューのご感想はどうだ?」
「順番守れへそでコいてろ!」
豆粒のように揉み搾った乳首をキツく吸い立て、待ちきれなくなった男がへその窪みで先端をしごきだし、その間もケツではパンパン音がして肛虐の快感を無理矢理にこじ開ける。

なぶりもの。
今のスワローを表すのにこれ以上ふさわしい言葉はない。

「ぁ―――――――――――――――――――――――ッ!!」
クスリのせいだろう、射精は一回じゃすまない。
ペニスは萎えることを知らずすぐ固くなり、カリ太の剛直が前立腺のしこりを叩く都度、切なげにわなないて白濁をまきちらす。
しなやかに仰け反る背筋、振りたくるケツに浮かぶ大臀筋。
「あッあァ、いッぐ、はァ、そこよせ、奥まで……」
無理矢理何度もイかされイかせ、とろけきった表情にぞくぞくする。
スワローは、最高のメス犬を見事に演じきる。
どんな意味があるのかタグだけは絶対に手放さず、頑固に握り締めたまま男たちを交代で受け入れて、プライドの火種をのこす潤んだまなじりで、媚態と痴態をおりまぜた官能的な表情で、再び真っ白な絶頂に駆け上る。
「あッ、いぃ、ふぁ、もっと」
「せかすなメス犬、食いしん坊なケツマンにたんまり子種くれてやっから。カワイイ子犬を産んでくれよ?」
「ははっ傑作だな、なんなら出産ショーもビデオに撮るか」
欲望を孕んだ下卑た哄笑が響く中、自らねだるように尻を突き上げ、熟れた肉襞にずちゅりとペニスを頬張る。
括約筋を通る圧迫感を耐えてやりすごし、前立腺を串刺す衝撃に全身を波打たせ悦に入る。
「でっけえのきた……あっあッあぁ、あァッ」
萎えてはもたげ、萎えてはもたげ。
くり返し搾り取られて透明な上澄みしかでないペニスが啜り泣く。
「ぶっ殺す……ッ」
力ずくでねじ伏せられた目に一瞬憎悪が爆ぜ散るも、前立腺を裏漉しされてあっけなく腰がふやけ、まなじりを伝う涙が意志を溶かす。
快楽漬けに堕ちていくスワローを堪能し、コヨーテ・ダドリーが邪悪に哄笑する。
「純度が高いから利き目も長い。ドライでイキ続ける生き地獄が当分続くぞ」

手を考えろ。
手錠で手首は開けないが指は動く、なら糸を飛ばせる。
スワローに組み付いた男を転ばす?
四肢を縛って制す?
俺の糸に男の首を飛ばすほどの強度は備わってない。固さはワイヤー程度まで調節できるが、それだって不確定要素が多く絶対上手くいく保証はない。
スワローと違って博打に出る度胸はない、このチカラで人を殺す度胸もない。足止めならできる。
けれどよく考えろ、スワローを犯す男の手足を封じたとする、あるいは首に巻き付け窒息させれば周囲に怪しまれる。
俺の異能がバレたら、ミュータントだとバレたら……

この期に及んで自己保身かよ?
目の前で相方が犯されてるってのに、情けなさすぎて笑えてくる。
今回たまたま組んだだけのガキだ、見殺しにしたって心は痛まねえ。車の中とさっきと二回、あそばれた恨みは忘れねえ。
呉哥哥にはどやされるだろうが、知ったことか。
もとはといえばあの人が悪い、あの人の無茶振りが不運の発端だ。
呉哥哥にゃしれっと「ストレイ・スワロー・バードはアンタの見立てにそぐわなかった」と報告すりゃ世はなべてこともなく……

『幸先暗いな、ポジティブに考えろよ』
『リベンジのチャンスだ』

「―――――――――ッ!!」
棒ギグを噛んだまま、額を鉄格子にぶつける。
アイツを見殺して……そんでどうなる、呉哥哥がふんぞり返る事務所におめおめ逃げ帰れるとでも?
ダドリーが今夜中にばっくれる計画ならお荷物は処分してくはずだ。
熱を持って疼く額が、逆に集中力をもたらす。
もう一度よく考えろ、策はあるはずだ……

『歩き方と手でわかる。アイツの左手にゃナイフ使いに特徴的なマメがある、くわえて左利きならすぐ抜けるよう右ポケットに仕込んでやがる。よーく見るとシルエットがちょい角張ってんだろ?』

アイツの観察眼はずばぬけてた。
ピンチからチャンスをひろった。

アイツにできることが、俺にできないとは決まってない。

ただひたすらにヒントを求め、鉄格子の隙間からあちこちへ視線をとばす。
「にが……もっと……」
スワローを絶倫に責め抜く野郎どもは無視。
口輪に精を放たれて、内側に伝い落ちたそれを丁寧に飲み干すスワローも頑張って無視する。
「……!……」
地下室の天井に、蜘蛛がいた。
俺が気まぐれで水たまりからすくってやったのとそっくりの個体だ。
運命を感じ凝視する俺の前で、蜘蛛がぶらさがった糸がするする巻き戻っていく。
反射的に目で追い、糸の先を確かめる。
糸は壁の上方を走る、錆びた配管に繋がっていた。
今は使われてないのか、通風孔代わりにでもなってるのか、赤さびた配管の一部にほんの僅かな破れ目がある。
蜘蛛はその一点の穴へ、細い糸をたどってすみやかに逃げ込んでいく。

ひらめいた。
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