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第2回活動報告:カルテルを潰せ
根回しをしよう(その2)
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(6)根回しをしよう <続き>
「それで、今日は何の用か?」と国王は俺に聞いてきた。
ついさっき電話したところなのだが、売店にガリガリ君を買いに行って、俺の要件を忘れている。
「先ほどお電話したと思いますが、ジャービス王国の銅価格が高騰していまして、その対策についてご相談に来ました。」と俺は答えた。
「そうだった。銅価格の件だ。」国王は俺の要件を思い出したようだ。
国家のインフレ対策よりも、ガリガリ君の方が優先順位は高いのだろう。今日は暑いから仕方がない。
「立ち話もなんだから、そこに座ろうか。」と言って国王は木陰のベンチを指さした。
ガリガリ君を外で食べてしまいたいようだ。
きっと、王宮に戻るとエアコンが効きすぎていて、寒いのだろう。
大きめのベンチに4人腰掛けると、心地よい風を感じた。夏は暑いが、木陰は涼しい。
国王がガリガリ君を完食するまで時間が掛かりそうだから、銅取引の件を説明してしまおうと俺は考えた。
俺が国王に、ジャービス王国の銅取引の現状、価格を安定化させるための対策である『カルテル潰し作戦』を説明すると、国王はそれなりの理解を示した。
国内の銅価格が国際価格から乖離しており、一連の対応は国民のためになると思ったのだろう。
話を聞いた国王は、俺に対して「急激なインフレの抑制は、国家として重要だ。進めてくれ。」と言った。
「ただ、一つ条件がある。」と国王は付け加えた。
「条件とは何ですか?」と俺は国王に質問した。
「ジャービス王国政府が、インフレ抑制のために銅取引の適正化に乗り出した、とマスコミに公表したい。」と国王は言った。
国王としては、『政府が国民のために、銅価格の高騰について対策を講じた』と言いたいらしい。
でも、『カルテル潰し作戦』を始める前に公表してしまうと、国内商社に俺たちの作戦がバレてしまう。国内商社は全力で妨害してくるだろう。事前公表は避けなければならない。
「対策を講じる前に公表してしまうと、カルテルの関係者に我々の作戦が読まれてしまいます。事前に対策を打ってくるでしょうし、取引の妨害もしてくるでしょう。銅価格を正常化するためには、内密に計画を遂行する必要があります。」と俺は国王の意見に反対した。
国王は少し不満そうだ。
「じゃあ、賛成しない。銅の輸入資金も出さない。外務省、国軍、内務省にも協力しないように言っておく。」と国王は言い出した。
少しでも気に入らないと、こういうこと言い出す。俺は『カルテル潰し作戦』を成功させるために、落としどころを考えた。
「それでは、こういうのはどうでしょう。」と俺は国王に言った。
「何だ?」
「作戦実施前に公表してしまうと、銅価格の正常化に差し障ります。さらに、もし作戦を公表した後で、銅価格の正常化に失敗してしまったら、国民に『政府は無能だ』と思われるかもしれません。」
「それはそうだな。失敗する可能性も考慮する必要があるな。国民の支持率が下がるのは避けなければならない。」と国王は言った。
国民からの支持率を気にする国王には、効いたようだ。
「そのリスクを考慮して、銅価格の正常化の作戦が成功した後に公表してはいかがでしょうか?国民には、政策が国内市場の健全化に有効に機能したとアピールすることができます。」
「そうか。それなら、事後の公表でよい。銅価格の正常化に向けた作戦も承認する。」と国王は『カルテル潰し作戦』について了解してくれた。
「ありがとうございます。それでは、一連の取引を関係部署と調整して進めます。」と俺は席を立った。
去り際に「国民の税金を使うのだから損失は許さん」と国王から念押しされたが、俺は特に気にしない。いつものことだ。
こうして、俺たちは『カルテル潰し作戦』の決行のための最初のハードルをクリアした。
次は外務省だ!
<続く>
「それで、今日は何の用か?」と国王は俺に聞いてきた。
ついさっき電話したところなのだが、売店にガリガリ君を買いに行って、俺の要件を忘れている。
「先ほどお電話したと思いますが、ジャービス王国の銅価格が高騰していまして、その対策についてご相談に来ました。」と俺は答えた。
「そうだった。銅価格の件だ。」国王は俺の要件を思い出したようだ。
国家のインフレ対策よりも、ガリガリ君の方が優先順位は高いのだろう。今日は暑いから仕方がない。
「立ち話もなんだから、そこに座ろうか。」と言って国王は木陰のベンチを指さした。
ガリガリ君を外で食べてしまいたいようだ。
きっと、王宮に戻るとエアコンが効きすぎていて、寒いのだろう。
大きめのベンチに4人腰掛けると、心地よい風を感じた。夏は暑いが、木陰は涼しい。
国王がガリガリ君を完食するまで時間が掛かりそうだから、銅取引の件を説明してしまおうと俺は考えた。
俺が国王に、ジャービス王国の銅取引の現状、価格を安定化させるための対策である『カルテル潰し作戦』を説明すると、国王はそれなりの理解を示した。
国内の銅価格が国際価格から乖離しており、一連の対応は国民のためになると思ったのだろう。
話を聞いた国王は、俺に対して「急激なインフレの抑制は、国家として重要だ。進めてくれ。」と言った。
「ただ、一つ条件がある。」と国王は付け加えた。
「条件とは何ですか?」と俺は国王に質問した。
「ジャービス王国政府が、インフレ抑制のために銅取引の適正化に乗り出した、とマスコミに公表したい。」と国王は言った。
国王としては、『政府が国民のために、銅価格の高騰について対策を講じた』と言いたいらしい。
でも、『カルテル潰し作戦』を始める前に公表してしまうと、国内商社に俺たちの作戦がバレてしまう。国内商社は全力で妨害してくるだろう。事前公表は避けなければならない。
「対策を講じる前に公表してしまうと、カルテルの関係者に我々の作戦が読まれてしまいます。事前に対策を打ってくるでしょうし、取引の妨害もしてくるでしょう。銅価格を正常化するためには、内密に計画を遂行する必要があります。」と俺は国王の意見に反対した。
国王は少し不満そうだ。
「じゃあ、賛成しない。銅の輸入資金も出さない。外務省、国軍、内務省にも協力しないように言っておく。」と国王は言い出した。
少しでも気に入らないと、こういうこと言い出す。俺は『カルテル潰し作戦』を成功させるために、落としどころを考えた。
「それでは、こういうのはどうでしょう。」と俺は国王に言った。
「何だ?」
「作戦実施前に公表してしまうと、銅価格の正常化に差し障ります。さらに、もし作戦を公表した後で、銅価格の正常化に失敗してしまったら、国民に『政府は無能だ』と思われるかもしれません。」
「それはそうだな。失敗する可能性も考慮する必要があるな。国民の支持率が下がるのは避けなければならない。」と国王は言った。
国民からの支持率を気にする国王には、効いたようだ。
「そのリスクを考慮して、銅価格の正常化の作戦が成功した後に公表してはいかがでしょうか?国民には、政策が国内市場の健全化に有効に機能したとアピールすることができます。」
「そうか。それなら、事後の公表でよい。銅価格の正常化に向けた作戦も承認する。」と国王は『カルテル潰し作戦』について了解してくれた。
「ありがとうございます。それでは、一連の取引を関係部署と調整して進めます。」と俺は席を立った。
去り際に「国民の税金を使うのだから損失は許さん」と国王から念押しされたが、俺は特に気にしない。いつものことだ。
こうして、俺たちは『カルテル潰し作戦』の決行のための最初のハードルをクリアした。
次は外務省だ!
<続く>
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