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第5回活動報告:仮想通貨の詐欺集団を捕まえろ
裁判所の決定(その1)
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(14) 裁判所の決定
ジャービット・エクスチェンジは民事再生法の適用を裁判所に申請している。
私たちがミーティングした翌日、ジャービット・エクスチェンジの申請代理人ビルが裁判所にスポンサーが決定したことを伝えた。
ホセたちは裁判所が民事再生法の適用を認可すると思っていたようだが、ビルは裁判所から申請の取下げを打診された。
裁判所が申請の取下げを打診したのは、スポンサー(i5)が出資するのはK諸島の法人なので、ジャービス王国の裁判所の管轄ではないからだ。
裁判所からすれば、外国の話をジャービス王国に持ち込まないでほしい、ということだろう。当然のことだ。
私が裁判官だったとしても同じことを言うだろう。
また、ジャービット・エクスチェンジは銀行借入がないし、ジャービット・コインを保有している投資家は債権者ではない。
債務返済を調整する必要のある債権者がいないから、民事再生手続の必要がないのだ。
※民事再生手続は、民事再生法に基づき、経済的に行き詰まった会社について債権者等の同意の下に再生計画を策定・遂行し、会社の事業の再建を図ることです。
裁判所が民事再生法の適用を認可しないだろうことは、最初から分かっていたことだ。でも、ホセたち会社の現経営陣には無駄なことをしたという認識はない。
ジャービット・エクスチェンジが民事再生法の申請をしたから、私たちはスポンサーとして名乗りを上げた。
現経営陣としても、ベンチャー投資を残しつつ、うまく事業承継ができた。
今回の民事再生法の適用申請は、ホセたちにとっては『事業承継してくれる人を募集!』という広告のようなものだったのだろう。
このため、ジャービット・エクスチェンジは民事再生法の適用申請を取下げ、ジャービット株式の売買契約と株主割当増資を引受けることになった。
形態としては、普通のM&Aと同じだ。
その後、ジャービットは発行する暗号資産を、ジャービス・ドルに連動するステーブルコインに変更したが、暗号資産の名称はジャービット・コインのままだ。
国王が、「ジャービスに似ているから、そのままでいいじゃないか」とダジャレを気に入ったからだ。その一言で、ジャービット・コインの名称の継続使用が決定した。
そして、i5がジャービットに出資して3カ月後に、ジャービット・エクスチェンジは内部調査部の隣に引っ越してきた。
役職員の人数も少ないし、家賃を払うのがもったいないというのが理由だ。
内務省に引っ越しする案も出たが、チャールズは『親会社が面倒を見るのが当然だ』と言って総務省に押し付けた。
こうしてジャービット・エクスチェンジは内部調査部の隣にやってきた。
ホセたちは暇になると内部調査部にやってきて、ミゲルと喋っている。
ホセたちはミゲルより一回り上の世代だが、話が合うようだ。
ミゲルは内部調査部のお年寄り専任担当者として活躍している。お年寄りに捕まると話が長いから、仕事が進まない。だから、他のメンバーはミゲルにともて感謝している。
意外だったのは、ホセたちに会いに、若いベンチャー経営者がよく訪問してくることだ。ベンチャー業界ではホセたちは有名人らしく、チーム『ホセイドン』と呼ばれているようだ。ギリシア神話の海と地震を司る神『ポセイドン』をもじった造語だ。
ホセは長年ベンチャー投資をしているから、昔は『ドン(首領)』と呼ばれていたらしい。それが『ホセドン』に変わり、最終的に『ホセイドン』に落ち着いた。
実にくだらない話だ・・・。
<続く>
ジャービット・エクスチェンジは民事再生法の適用を裁判所に申請している。
私たちがミーティングした翌日、ジャービット・エクスチェンジの申請代理人ビルが裁判所にスポンサーが決定したことを伝えた。
ホセたちは裁判所が民事再生法の適用を認可すると思っていたようだが、ビルは裁判所から申請の取下げを打診された。
裁判所が申請の取下げを打診したのは、スポンサー(i5)が出資するのはK諸島の法人なので、ジャービス王国の裁判所の管轄ではないからだ。
裁判所からすれば、外国の話をジャービス王国に持ち込まないでほしい、ということだろう。当然のことだ。
私が裁判官だったとしても同じことを言うだろう。
また、ジャービット・エクスチェンジは銀行借入がないし、ジャービット・コインを保有している投資家は債権者ではない。
債務返済を調整する必要のある債権者がいないから、民事再生手続の必要がないのだ。
※民事再生手続は、民事再生法に基づき、経済的に行き詰まった会社について債権者等の同意の下に再生計画を策定・遂行し、会社の事業の再建を図ることです。
裁判所が民事再生法の適用を認可しないだろうことは、最初から分かっていたことだ。でも、ホセたち会社の現経営陣には無駄なことをしたという認識はない。
ジャービット・エクスチェンジが民事再生法の申請をしたから、私たちはスポンサーとして名乗りを上げた。
現経営陣としても、ベンチャー投資を残しつつ、うまく事業承継ができた。
今回の民事再生法の適用申請は、ホセたちにとっては『事業承継してくれる人を募集!』という広告のようなものだったのだろう。
このため、ジャービット・エクスチェンジは民事再生法の適用申請を取下げ、ジャービット株式の売買契約と株主割当増資を引受けることになった。
形態としては、普通のM&Aと同じだ。
その後、ジャービットは発行する暗号資産を、ジャービス・ドルに連動するステーブルコインに変更したが、暗号資産の名称はジャービット・コインのままだ。
国王が、「ジャービスに似ているから、そのままでいいじゃないか」とダジャレを気に入ったからだ。その一言で、ジャービット・コインの名称の継続使用が決定した。
そして、i5がジャービットに出資して3カ月後に、ジャービット・エクスチェンジは内部調査部の隣に引っ越してきた。
役職員の人数も少ないし、家賃を払うのがもったいないというのが理由だ。
内務省に引っ越しする案も出たが、チャールズは『親会社が面倒を見るのが当然だ』と言って総務省に押し付けた。
こうしてジャービット・エクスチェンジは内部調査部の隣にやってきた。
ホセたちは暇になると内部調査部にやってきて、ミゲルと喋っている。
ホセたちはミゲルより一回り上の世代だが、話が合うようだ。
ミゲルは内部調査部のお年寄り専任担当者として活躍している。お年寄りに捕まると話が長いから、仕事が進まない。だから、他のメンバーはミゲルにともて感謝している。
意外だったのは、ホセたちに会いに、若いベンチャー経営者がよく訪問してくることだ。ベンチャー業界ではホセたちは有名人らしく、チーム『ホセイドン』と呼ばれているようだ。ギリシア神話の海と地震を司る神『ポセイドン』をもじった造語だ。
ホセは長年ベンチャー投資をしているから、昔は『ドン(首領)』と呼ばれていたらしい。それが『ホセドン』に変わり、最終的に『ホセイドン』に落ち着いた。
実にくだらない話だ・・・。
<続く>
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