第4王子は中途半端だから探偵することにした

kkkkk

文字の大きさ
123 / 197
第5回活動報告:仮想通貨の詐欺集団を捕まえろ

裁判所の決定(その1)

しおりを挟む
(14) 裁判所の決定

ジャービット・エクスチェンジは民事再生法の適用を裁判所に申請している。

私たちがミーティングした翌日、ジャービット・エクスチェンジの申請代理人ビルが裁判所にスポンサーが決定したことを伝えた。

ホセたちは裁判所が民事再生法の適用を認可すると思っていたようだが、ビルは裁判所から申請の取下げを打診された。

裁判所が申請の取下げを打診したのは、スポンサー(i5)が出資するのはK諸島の法人なので、ジャービス王国の裁判所の管轄ではないからだ。
裁判所からすれば、外国の話をジャービス王国に持ち込まないでほしい、ということだろう。当然のことだ。
私が裁判官だったとしても同じことを言うだろう。

また、ジャービット・エクスチェンジは銀行借入がないし、ジャービット・コインを保有している投資家は債権者ではない。
債務返済を調整する必要のある債権者がいないから、民事再生手続の必要がないのだ。

※民事再生手続は、民事再生法に基づき、経済的に行き詰まった会社について債権者等の同意の下に再生計画を策定・遂行し、会社の事業の再建を図ることです。

裁判所が民事再生法の適用を認可しないだろうことは、最初から分かっていたことだ。でも、ホセたち会社の現経営陣には無駄なことをしたという認識はない。
ジャービット・エクスチェンジが民事再生法の申請をしたから、私たちはスポンサーとして名乗りを上げた。
現経営陣としても、ベンチャー投資を残しつつ、うまく事業承継ができた。

今回の民事再生法の適用申請は、ホセたちにとっては『事業承継してくれる人を募集!』という広告のようなものだったのだろう。

このため、ジャービット・エクスチェンジは民事再生法の適用申請を取下げ、ジャービット株式の売買契約と株主割当増資を引受けることになった。
形態としては、普通のM&Aと同じだ。

その後、ジャービットは発行する暗号資産を、ジャービス・ドルに連動するステーブルコインに変更したが、暗号資産の名称はジャービット・コインのままだ。
国王が、「ジャービスに似ているから、そのままでいいじゃないか」とダジャレを気に入ったからだ。その一言で、ジャービット・コインの名称の継続使用が決定した。

そして、i5がジャービットに出資して3カ月後に、ジャービット・エクスチェンジは内部調査部の隣に引っ越してきた。
役職員の人数も少ないし、家賃を払うのがもったいないというのが理由だ。
内務省に引っ越しする案も出たが、チャールズは『親会社が面倒を見るのが当然だ』と言って総務省に押し付けた。

こうしてジャービット・エクスチェンジは内部調査部の隣にやってきた。
ホセたちは暇になると内部調査部にやってきて、ミゲルと喋っている。
ホセたちはミゲルより一回り上の世代だが、話が合うようだ。

ミゲルは内部調査部のお年寄り専任担当者として活躍している。お年寄りに捕まると話が長いから、仕事が進まない。だから、他のメンバーはミゲルにともて感謝している。

意外だったのは、ホセたちに会いに、若いベンチャー経営者がよく訪問してくることだ。ベンチャー業界ではホセたちは有名人らしく、チーム『ホセイドン』と呼ばれているようだ。ギリシア神話の海と地震を司る神『ポセイドン』をもじった造語だ。

ホセは長年ベンチャー投資をしているから、昔は『ドン(首領)』と呼ばれていたらしい。それが『ホセドン』に変わり、最終的に『ホセイドン』に落ち着いた。
実にくだらない話だ・・・。

<続く>
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

婚約破棄が聞こえません

あんど もあ
ファンタジー
私は、真実の愛に目覚めた王子に王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を宣言されたらしいです。 私には聞こえないのですが。 王子が目の前にいる? どこに? どうやら私には王子が見えなくなったみたいです。 ※「承石灰」は架空の物質です。実在の消石灰は目に入ると危険ですのでマネしないでね!

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...