18 / 39
第十六話「謎の怪物」
しおりを挟む
ある日、仕事を終えたシンジが戦士組合に戻ると、事務所の中は騒然としていた。
「何かあったのかい?」
シンジは落着かない表情の、いつもの受付嬢に声を掛けた。
「仕事に失敗したのよ、覚えている? 以前張り出してあった森の奥にある昔の屋敷の調査、地下室があって何かが封印されていたのよ、剣士たちが全滅したの……」
受付嬢は頭を抱えた。
「今、戦士と剣士、補助を動員して西地区の森と街との間に、阻止線を作っている最中なの」
「西地区? レイチェルの居る出張所の管轄じゃないか?」
「ええ、今、診療所で救出された聖女に付き添ってくれているわ、組合の担当者が聞き取りをしている最中で……」
「様子を見てくる!」
「ちょっと待って!」
シンジは制止を振り切り、組合事務所の裏手にある診療所に向かった。中に入ると廊下で話をしているレイチェルと、組合の担当者らしき男が目に入った。
男はその場を離れ、一人になったレイチェルにシンジは駆け寄る。
「シンジ!」
「レイチェル、何があったんだ?」
「それが……」
病室に入ると一人の女性がベッドに横になっていた。彼女が救出された聖女のようだ。
「屋敷の中に封印された地下室が有って、剣士が扉を開けてしまったのです。この聖女様が結界を最大まで上げたのですが、剣士様たちは全員倒されてしまったようです」
「この聖女は限界を超えて力を使ったんだな、それぐらいなら大丈夫、明日になれば元気になるよ……」
交代の女性スタッフがやって来て、シンジたちに事務所に来るようにと伝えた。
「困った事になりました……」
事務所の打合せ室で、先ほど診療所で会った担当者の男が切りだした。
今回の案件は数百年間放置されていた森の奥の屋敷の調査で、最近、近くでたびたび魔人らしき姿が目撃されたので実施されたとの事だった。
チームのメンバーは戦士が一名、剣士二名に、聖女が一名だった。戦士一名、聖女は経験も豊富で魔人数体なら安全に退治できるはずだったのだ。事実、聖女の結界で魔人は普通サイズ、三体が確認され、それは戦士と剣士が問題無く処理した。
問題は地下室が有り、それは封印されていて、聖女は結界で事前に見つける事が出来なかった事、剣士の一人が深い考えも無く扉を開けてしまった事、その地下に封印されていた何かが、聖女が限界まで結界を張ったにも関わらず、戦士と剣士たちを倒してしまった事。
「人出不足で阻止線は張れませんでした。せいぜい警戒線を作るぐらいです……」
担当者の声は悲痛だった。街の近くで数百年間沈黙していたパンドラの箱を、わざわざ開けてしまったのだ。
「もちろん俺が行ってもいいけど、敵の正体が不明なのが引っかかるな、正直な話、普通の魔人なら百体相手だって負ける気がしないけど、数百年前のとんでもない怪物が出てきたらちょっと分からないな……、ところで封印って初めて聞いたけど、何なのですか?」
「それは……」
担当者の説明によれば、かつて強力な剣が無い場合、完全に退治出来なかった小さな魔雑魚を地下や洞窟の奥に閉じ込め、聖女の結界の力で封じ込めていた事があったそうだ。
シンジとレイチェルそれぞれは馬を駆り、西地区の仮設の対策本部が設置された現場に急いだ。
近くの農家の納屋で、関係者らしき人間が机を囲み、深刻な表情で話し合っていた。
「ちよっと、ここで待っていてね」
レイチェルが顔見知りのスタッフの元へ駆けて行く、少しの間話をすると一人の金髪碧眼の少年を伴い戻って来た。今回の件で呼ばれた剣士と紹介する。まだシンジより三、四歳は若い少年剣士だ。
「アランと言います。剣士でランクAです」
「シンジだ、俺は剣士ランクCだよ」
誰でも最初はランクCから始めるそうだが、この若さで剣士ランクAとはずいぶん真面目で仕事熱心だな、とシンジは思った。
「この近くに私たちの宿舎が用意してあって、そこに聖女様が待っているそうです。こっちよ、シンジ」
三人は歩きながら話をした。
「聖女の手当てがついたなら安心だな、レイチェルの出番は無しだよ」
シンジは最悪、レイチェルの助けも必要かと思っていたのでほっとした。
「それがそうでもないのよ、正確には元聖女様で、年齢は八十歳だとか……」
「えーーっ、いくらなのでも高齢すぎやしないかい?」
「私をサポートしてくれるそうです……、ここね」
レイチェルが一軒家の前で立ち止まり、扉をノックして三人は中に入る。中で待っていたのは意外にも若い、三十歳前後に見える女性だった。
「あの、聖女様は……?」
「私が聖女です」
「???」
「ああ、せっかく容姿も創造できるのだしね、ちょっと若造りしているのよ」
シンジとレイチェルは顔を見合わせた。
「それじゃあお嬢ちゃん、ベッドに横になって」
レイチェルは頷いてケープと靴を脱ぎ、ベッドに横になった。
「アラン、少し外に出ていてくれないか、終わったら呼ぶから」
「はい……」
アランが外に出ると自称老婆の聖女は、レイチェルのベルトを外して、ワンピースを胸まで捲りあげる。下半身の小さな下着が丸見えになり、胸の大きな塊がこぼれ落ちて揺れた。
「あっ、あの……」
聖女がレイチェルの腹に両手を当てる。
「この少年に見られるのは嫌? ……あら、二人の間柄なら問題は無いでしょうに……」
「レイチェル、俺と抱き合っている時と同じようなイメージだよ、体の力を抜いてこの聖女様の光を探り同調するんだ」
「はい……」
「うん、そうそう、解ってきたね、これから結界を張るから、何か見えるかい?」
「森が見えます。あっ、先に進んでいる……、これが結界? 屋敷が見えてきました」
「そう、中に入るから、どう?」
「はい、大きな部屋の中に入りました。床に光が三つ見えますが……」
「そこが、剣士たちが倒れていた場所よ、この三人は明日の朝、戻って来るかも、地下への扉はあそこね、近づくから……」
「んっ、んんっ、扉が少し開いています。先へ行くのですか?」
レイチェルは眉を寄せた。
「いいえ、この扉の先には何かを感じる?」
「はい、怖いです。何かが居ます」
「今夜はここまでにしようかね、はい、終わりよ」
聖女は両手を離し、レイチェルは顔を赤くして、胸の半分まで捲りあげられていた服を下ろす。シンジは外に出てアランを呼んだ。
「さて、状況は変わらずで、何かはまだ地下室に留まっている……か、聖女様、レイチェルと二人で力は発揮できるのかな?」
「大丈夫、この娘は戦士との同調に慣れているようね」
レイチェルが顔を赤く染めて下を向く。
「ただ私は、見た目は若いけど八十歳だから、防御の方はあまり期待しないでね、この娘さんもそこまではまだ無理よ」
聖女はシンジとアランの方を見て言った。
「まあ、即席のチームだし、しょうがないよ、状況さえ分かれば後は俺たちでなんとかするさ」
「防御が期待出来ないのに、ランクAとランクCで得体のしれない怪物と戦うのですか……」
アランが難しい顔で呟くとレイチェルが説明した。
「組合は状況が難しければ撤退やむなしとしています。それから明日の戦闘予定は昼で、それまでに応援を呼ぶ予定です」
レイチェルはアランに宿舎を案内する為、二人で外に出て行った。
「あの娘の中に、あなたの光が少し残っていたわね、魔王と戦った事があるの?」
「分かるんですか? もしかしてあなたも戦った事が……」
「まさか、若いころ魔王と戦って名前を売ろうって戦士が何人か居てね、全員帰って来なかったのよ」
「そうですか……」
「いえ、私が組んでいた戦士が昔戦ったって言ってたわ、その人の感じと同じだったのよ」
「その戦士は無事だったんですか?」
「ええ、一撃を加えた後、すぐに逃げたんだってさ、いい? 戦いは逃げるが勝ちよ」
八十歳の超ベテラン聖女はそう言って笑った。
「何かあったのかい?」
シンジは落着かない表情の、いつもの受付嬢に声を掛けた。
「仕事に失敗したのよ、覚えている? 以前張り出してあった森の奥にある昔の屋敷の調査、地下室があって何かが封印されていたのよ、剣士たちが全滅したの……」
受付嬢は頭を抱えた。
「今、戦士と剣士、補助を動員して西地区の森と街との間に、阻止線を作っている最中なの」
「西地区? レイチェルの居る出張所の管轄じゃないか?」
「ええ、今、診療所で救出された聖女に付き添ってくれているわ、組合の担当者が聞き取りをしている最中で……」
「様子を見てくる!」
「ちょっと待って!」
シンジは制止を振り切り、組合事務所の裏手にある診療所に向かった。中に入ると廊下で話をしているレイチェルと、組合の担当者らしき男が目に入った。
男はその場を離れ、一人になったレイチェルにシンジは駆け寄る。
「シンジ!」
「レイチェル、何があったんだ?」
「それが……」
病室に入ると一人の女性がベッドに横になっていた。彼女が救出された聖女のようだ。
「屋敷の中に封印された地下室が有って、剣士が扉を開けてしまったのです。この聖女様が結界を最大まで上げたのですが、剣士様たちは全員倒されてしまったようです」
「この聖女は限界を超えて力を使ったんだな、それぐらいなら大丈夫、明日になれば元気になるよ……」
交代の女性スタッフがやって来て、シンジたちに事務所に来るようにと伝えた。
「困った事になりました……」
事務所の打合せ室で、先ほど診療所で会った担当者の男が切りだした。
今回の案件は数百年間放置されていた森の奥の屋敷の調査で、最近、近くでたびたび魔人らしき姿が目撃されたので実施されたとの事だった。
チームのメンバーは戦士が一名、剣士二名に、聖女が一名だった。戦士一名、聖女は経験も豊富で魔人数体なら安全に退治できるはずだったのだ。事実、聖女の結界で魔人は普通サイズ、三体が確認され、それは戦士と剣士が問題無く処理した。
問題は地下室が有り、それは封印されていて、聖女は結界で事前に見つける事が出来なかった事、剣士の一人が深い考えも無く扉を開けてしまった事、その地下に封印されていた何かが、聖女が限界まで結界を張ったにも関わらず、戦士と剣士たちを倒してしまった事。
「人出不足で阻止線は張れませんでした。せいぜい警戒線を作るぐらいです……」
担当者の声は悲痛だった。街の近くで数百年間沈黙していたパンドラの箱を、わざわざ開けてしまったのだ。
「もちろん俺が行ってもいいけど、敵の正体が不明なのが引っかかるな、正直な話、普通の魔人なら百体相手だって負ける気がしないけど、数百年前のとんでもない怪物が出てきたらちょっと分からないな……、ところで封印って初めて聞いたけど、何なのですか?」
「それは……」
担当者の説明によれば、かつて強力な剣が無い場合、完全に退治出来なかった小さな魔雑魚を地下や洞窟の奥に閉じ込め、聖女の結界の力で封じ込めていた事があったそうだ。
シンジとレイチェルそれぞれは馬を駆り、西地区の仮設の対策本部が設置された現場に急いだ。
近くの農家の納屋で、関係者らしき人間が机を囲み、深刻な表情で話し合っていた。
「ちよっと、ここで待っていてね」
レイチェルが顔見知りのスタッフの元へ駆けて行く、少しの間話をすると一人の金髪碧眼の少年を伴い戻って来た。今回の件で呼ばれた剣士と紹介する。まだシンジより三、四歳は若い少年剣士だ。
「アランと言います。剣士でランクAです」
「シンジだ、俺は剣士ランクCだよ」
誰でも最初はランクCから始めるそうだが、この若さで剣士ランクAとはずいぶん真面目で仕事熱心だな、とシンジは思った。
「この近くに私たちの宿舎が用意してあって、そこに聖女様が待っているそうです。こっちよ、シンジ」
三人は歩きながら話をした。
「聖女の手当てがついたなら安心だな、レイチェルの出番は無しだよ」
シンジは最悪、レイチェルの助けも必要かと思っていたのでほっとした。
「それがそうでもないのよ、正確には元聖女様で、年齢は八十歳だとか……」
「えーーっ、いくらなのでも高齢すぎやしないかい?」
「私をサポートしてくれるそうです……、ここね」
レイチェルが一軒家の前で立ち止まり、扉をノックして三人は中に入る。中で待っていたのは意外にも若い、三十歳前後に見える女性だった。
「あの、聖女様は……?」
「私が聖女です」
「???」
「ああ、せっかく容姿も創造できるのだしね、ちょっと若造りしているのよ」
シンジとレイチェルは顔を見合わせた。
「それじゃあお嬢ちゃん、ベッドに横になって」
レイチェルは頷いてケープと靴を脱ぎ、ベッドに横になった。
「アラン、少し外に出ていてくれないか、終わったら呼ぶから」
「はい……」
アランが外に出ると自称老婆の聖女は、レイチェルのベルトを外して、ワンピースを胸まで捲りあげる。下半身の小さな下着が丸見えになり、胸の大きな塊がこぼれ落ちて揺れた。
「あっ、あの……」
聖女がレイチェルの腹に両手を当てる。
「この少年に見られるのは嫌? ……あら、二人の間柄なら問題は無いでしょうに……」
「レイチェル、俺と抱き合っている時と同じようなイメージだよ、体の力を抜いてこの聖女様の光を探り同調するんだ」
「はい……」
「うん、そうそう、解ってきたね、これから結界を張るから、何か見えるかい?」
「森が見えます。あっ、先に進んでいる……、これが結界? 屋敷が見えてきました」
「そう、中に入るから、どう?」
「はい、大きな部屋の中に入りました。床に光が三つ見えますが……」
「そこが、剣士たちが倒れていた場所よ、この三人は明日の朝、戻って来るかも、地下への扉はあそこね、近づくから……」
「んっ、んんっ、扉が少し開いています。先へ行くのですか?」
レイチェルは眉を寄せた。
「いいえ、この扉の先には何かを感じる?」
「はい、怖いです。何かが居ます」
「今夜はここまでにしようかね、はい、終わりよ」
聖女は両手を離し、レイチェルは顔を赤くして、胸の半分まで捲りあげられていた服を下ろす。シンジは外に出てアランを呼んだ。
「さて、状況は変わらずで、何かはまだ地下室に留まっている……か、聖女様、レイチェルと二人で力は発揮できるのかな?」
「大丈夫、この娘は戦士との同調に慣れているようね」
レイチェルが顔を赤く染めて下を向く。
「ただ私は、見た目は若いけど八十歳だから、防御の方はあまり期待しないでね、この娘さんもそこまではまだ無理よ」
聖女はシンジとアランの方を見て言った。
「まあ、即席のチームだし、しょうがないよ、状況さえ分かれば後は俺たちでなんとかするさ」
「防御が期待出来ないのに、ランクAとランクCで得体のしれない怪物と戦うのですか……」
アランが難しい顔で呟くとレイチェルが説明した。
「組合は状況が難しければ撤退やむなしとしています。それから明日の戦闘予定は昼で、それまでに応援を呼ぶ予定です」
レイチェルはアランに宿舎を案内する為、二人で外に出て行った。
「あの娘の中に、あなたの光が少し残っていたわね、魔王と戦った事があるの?」
「分かるんですか? もしかしてあなたも戦った事が……」
「まさか、若いころ魔王と戦って名前を売ろうって戦士が何人か居てね、全員帰って来なかったのよ」
「そうですか……」
「いえ、私が組んでいた戦士が昔戦ったって言ってたわ、その人の感じと同じだったのよ」
「その戦士は無事だったんですか?」
「ええ、一撃を加えた後、すぐに逃げたんだってさ、いい? 戦いは逃げるが勝ちよ」
八十歳の超ベテラン聖女はそう言って笑った。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる