新創生戦記「休学ニートのチートでハーレムな異世界ファンタジー」

川嶋マサヒロ

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第十八話「気まずい結末」

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 怪物退治は終わり、仮設の対策本部に戻ったシンジたちは、一時間ほどを経過と状況を説明した。

「問題はあの怪物が何だったか……ですね」

 シンジの発言に隣の超ベテラン聖女も頷いた。

「確かにあんなのは初めて見たね」

「レイチェルにも見えたのかい?」

「ええ、ぼんやりとですが……」

 超ベテラン聖女は自分の見立てを説明した。
 処理出来ない魔雑魚を地下に封じる事は、昔は時々有った事だ。問題はその魔雑魚の量が多かった事、それともう一つ地下室の中に恐らく罪人か誰か人間を閉じ込めた事、その人間は現実と夢の世界を行き来しながら発狂して死んだのだろうが、その時の恐怖、憎悪、さまざまな感情が魔雑魚を増殖させた事、

「その人間の思念、少しだけど感じたよ……」

 聖女はそう言って話を締めくくった。

 説明は終わり、シンジとレイチェルは戦士組合の事務所まで二人で戻り、建物の裏手で馬を返却した。

「俺は一応、受付に顔を出してみるよ、酒場にちょっと寄るけど、どうする? レイチェル」

「一晩部屋を空けたし、私は帰るわ、明日は早いし、あまり遅くならないでね、シンジ」

「うん」

 戦士組合に着くと営業時間は過ぎていたが、まだ扉は開いていた。今日は残業のようだ。中に入るといつもの受付嬢がカウンターに座っている。

「一報はさっき聞いたわ、とにかく今回は助かった」

「いや、結局、力的にはたいした敵じゃなかった。それに、他の剣士や聖女の協力もあったしね、それにしても……」

 シンジは首を傾げた。

「……あの子供の剣士はずいぶんとランクにこだわっていた感じだったけど、ランクってどんな意味があるんだ?」

「便宜上つけているとか、経験値と言うか、魔雑魚退治だけでもランクは上がるんだけど、人によっては強さを表す階級と誤解している人が多くてね」

「ふーん、今回の件で俺のランクは上がるのかい?」

「特に変わらないわね、もっと色々な案件を受けてくれなくちゃ」

「頑張って地味な仕事を沢山やるよ」


 シンジは一人で、いつもの近所の酒場に立ち寄る。店の客たちは興奮して昨日と今日、西地区で起こった怪物騒ぎの話題で持ちきりだった。
 シンジはカウンターの隅に座りビールを注文する。マスターがカウンターの上にビールジョッキを置いた。

「ところでシンジに動員はかからなかったのかい?」

「動員?」

 マスターは興奮ぎみに話を続けた。

「例の西地区の怪物騒ぎだよ、人をかき集めて作った必死の阻止線も役に立たなかったんだろ、危ないところだったらしいな」

「昨日は魔雑魚退治に行っていて、今日は一応、現場には呼ばれたけど……」

「そうか、とんでもなく強い戦士がやって来て、その怪物を一撃で倒したらしいぞ、見たのか?」

「いや、よく解らないよ、俺は警備要員だったし」

 他の客たちも、こちらの話に乗っかって来た。

「今、この街には戦士が少しと、ランクの低い剣士しか居ないから危なかったらしいねえ」

「ああ、ランクAの剣士程度じゃあ全く歯が立たなかったそうだ」

「そんな化け物を倒すなんて、とれだけ高ランクの戦士だったのかね、まさか騎士は来ないだろうし」

 相槌を打ったマスターがシンジの方を向き直る。

「ところでシンジ、今回の件でランクは上がったのか?」

「俺は成りたての剣士ランクCのままだよ……」

「そうか、立派な剣を持っているのに今回は残念だったなあ、活躍できればランクが上がったかもしれないのに」

「いやあ、俺は魔雑魚退治が得意だから……」

 酒場での怪物退治の話題はまだ続いていた。ランクの誤解も悪くないとシンジは思った。


 早めに店を出て自宅の扉を開けると、リリィが笑顔で立っていた。

「どうしたの?」

「シンジが帰って来るのが見えたのよ、来て」

 手を引かれて部屋に入ると、エミリーがベッドに寝ていて、レイチェルが傍らで同調していた。

「私はアパートの入口ぐらいまでしか見れないけれど、エミリーは表通りまで見えるんだって」

「やっぱり、三人は才能あるよ」

「今日お会いした聖女様のようには行きません」

 レイチェルがエミリーから手を離した。

「エミリー、今度は私にやってみて!」

「ええ」

 リリィが着ていたワンピースを、胸が見えるくらい捲りあげてベッドに横になる。今度はエミリーが同調した。二人はパンツ丸出しではしゃいでいる。

 レイチェルがダイニングテーブルまで来てシンジの前に座った。

「酒場が怪物話で盛り上がっていたよ、俺はよく知らないって、とぼけたけどね」

 シンジの口元が緩んだ。

「そう言えばレイチェルの下着姿を初めて見たよ、現実の世界でもあんなの・・・・なんだ」

 シンジはレイチェルの小さめの下着を思い出した。

「やだ、そんな話なの」

 レイチェルが少し顔を赤くして、言い訳がましく続けた。

「あれはこの間、雑誌でちょっと見かけて、こんなの……って、ちょっと思ったら着けていたのよ、本当、ちょっとよ」

「そうか、小物くらいなら、もう無意識に創造できるのか……」

 シンジは三年前、自分の飛行マントを創造した時の事を思い出し、最近挑戦してみたが上手くいかなかった。
 あの時のシンジは強力な聖母と聖女二人の協力を得ていたので、可能だったのだと今は思っていた。
もしレイチェルとエミリー、リリィの力が上がれば、飛行マントが手に入るのでは……。


 夜、二人きりになり、ベッドの中で話をする。

「あの下着、見られた時は恥ずかしかったです。駄目ですか? 」

「いや、いいさ、でもほとんどこうして裸でいるのに、下着姿で恥ずかしいも、ないもんだ」

「嫌ねえ、もう……」

 一度笑ったレイチェルが真顔になる。

「言わなかったけれど、あの怪物の中の人は少女でした……」

「俺にはそこまで分からなかったよ、最後に、女性の声で、ありがとうって言葉が聞こえた。少女だったのか……」

「はい、私にも聞こえました……、聖女の力を持っている人でした……」

「そうだったのか、ひどい話さ」

「はい……」

 なぜ聖女の力を持った少女が、魔と共に閉じ込められ、その地下室を何故、聖女が封印したのかは今となっては分からない、ただ最後の言葉だけが、彼らに届いた真実だった。

 身震いしたレイチェルがシンジに強く抱きついた。

「慰めて下さい……」

 聖女としての彼女たち三人に、どのような運命が待っているかは、まだ誰にも分からなかった。

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