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第十九話「ある再会」
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昨日のゴタゴタがあって、レイチェルはいつもより早めに部屋を出た。今日は怪物事件の報告書をスタッフと作って、その後、現場に行き西出張所で会議との話だった。
リリィは衣料品店の仕事に出かけ、シンジは夜にネオゴッデスの仕事、エミリーの託児所の仕事は休みだった。
「ねえ、シンジ、私たち聖女の力が有るのよね」
「ああ、そうだね」
エミリーがコーヒーのお代りをシンジに差し出して、向かいの席に座った。
「力が有るなら今からでも聖女を目指した方がいいのかしら、託児所の仕事も好きだから続けたいし……」
「うーーん、やりたい事をやればいいんだよ、俺もそうしているしね」
「仕事を続けながら聖女のトレーニングも出来ないかって、三人で話していたの」
「そうか、それなら休みの日に馬で森に入るか、俺の仕事に付き合ってくれれば、色々アドバイスが出来るよ」
「うん」
まだ夕方の早い時間にシンジはネオゴッデスに入った。開店準備をしていたバーテンが、社長が話が有るとの旨をシンジに伝えたので、二階の部屋にサヴェリオを訪ねる。
「昨日はご活躍だったそうですね」
「もう知っているのですか、怪物と言っても何かの形になれない、巨大化した魔雑魚のような相手でしたから……、特に強い敵ではありませんでしたよ」
「地下に封印されていたのですね、地上の悪意と接触していれば巨大な魔人か、魔竜くらいにはなっていたかもしれない、一撃でほぼ消滅させたのは正解でしたね」
サヴェリオはまるで見ていたかの様に感想を話す。
「最悪、私にも出てくれと組合の知り合いから連絡がありましてね、君が行っているなら心配ないと伝えましたよ、昨夜のうちに倒したとの連絡もありました」
サヴェリオは組合にも近いのかとシンジは思った。
「そうそう、例の情報ですが少しだけ集まってきました。確かに奴隷商人の動きはあるようです」
「具体的にはどうなんですか?」
「まだですね、色々声をかけましたからそのうち分かるでしょう、しかし私も反省しなければ、この街の事ばかりに眼が行っていた」
「そうですか、あなたはもう戦わないのですか?」
「そうですね、店の娘たちに危害が及ぶようなら剣を取りますけどね」
サヴェリオはにやりと笑う、一瞬シンジの背筋に冷たい物が走った。
営業が始まり店に集まった客たちも、西地区の怪物騒ぎの件で盛り上がっていた。
「ねえねえ、シンジ、例の怪物は見たの? 誰が倒したのかな? もしかしてシンジ?」
アリーチャが隣に座りって、色々と状況を聞いてくる。サヴェリオは店の人間に何も話をしていないのだろう。
「さあ、俺は何も見れなかったなあ……」
シンジはここでもとぼけた。
仕事を終え、部屋に帰るとレイチェルが出迎えてくれた。エミリーとリリィはベッドに潜り込んでいる。
「シンジ、明日、組合事務所に来てくれないかとの事です。クレアさんからの伝言です」
「クレア? 誰だっけ?」
「嫌だあ、いつも対応してくれている、受付の女性よ、名前、聞いてないの?」
「ああ、彼女か、そう言えば聞いてなかったな」
「きちんと名前を憶えなくてはだめよ、先日の怪物騒ぎの報告書が出来たから、目を通して欲しいって」
「その件か、了解だ。名前の件もね」
レイチェルが服を脱ぎ始めたのでシンジも服を脱ぎ、部屋の明かりを消してエミリーとリリィが消えた、二人だけのベッドに潜り込む。
翌日、皆はそれぞれの仕事、シンジは午後、組合事務所に顔を出した。
「クレア、レイチェルに聞いたよ、報告書が出来たんだって」
「ええ、目を通してサインをお願い、おかしな所があったら指摘してね、初めて名前を呼んでくれたわねえ」
「ああ、レイチェルに怒られたよ、名前ぐらい憶えろってさ」
シンジは何枚かの書類を受け取り読み始めた。
「今日は皇都から調査員が来るのよ、説明、現場確認と今後の対応を協議するの」
「うん、問題無いと思うよ、皇都から調査員とは話が大袈裟だなあ、今後の対応は?」
シンジはペンを取り、対応者の欄にサインをする。すでにアランの名前が記入されていた。
「ええ、まずは街周辺の使われていない建物に、封印されている地下室が有るかどうか調査ね」
シンジは書類を差し出し、クレアはそれを受け取りサインの欄を確認する。
「うん、ありがとう、剣士と聖女のペアで調べるの、それでレイチェルに手伝ってもらえないかなと思って」
「レイチェルに?」
「ええ、危険は伴わない仕事だけど、一応シンジに聞いてからって思って、レイチェルには少し話たんだけどね」
「ああ、構わないんじゃないかな、ただ何かあったら俺を呼んでくれよ」
「うん、あくまで調査よ、封印が発見されたら別途対応だから」
ネオゴッデスへの道すがら、ふと空を見上げると白い鳥が飛んでいるのが見えた。
「ん? あれは鳥……じゃない、竜騎兵だ!」
竜騎兵は組合の建物があると思われる場所に降下して行った。
「皇都の調査員か……」
翌日、いつもと変わらず魔雑魚退治を済ませて、帰り道、三人と待ち合わせているいつもの酒場への道を歩いていると、今となっては懐かしい人を見かけた。
シンジは少し迷ったが、その女性に歩み寄り声を掛けた。
「ローゼじゃないか、久しぶりだね……」
その女性はシンジの事が分からないようで少し首を傾げている。
「俺、いや僕だよ、覚えていないのも無理ないけどさ、三年前の戦士様だよ」
ローゼはシンジの事を思い出したのか、一瞬、表情を引き締めた。
「また、こちらの世界に来られたのですか、確かに戦士様ほどの力が有れば……」
「そうだ、酒場で待ち合わせなんだ、ローゼも来ないか? 会わせたい人たちもいるしさ」
少し考える表情になったローゼに、シンジは話を続けた。
「大丈夫、恨んでなんていないし、昔の事は忘れたよ、会わせたい人は三人の聖女見習いさ、それと組合の報告書にサインした、シンジは僕の事なんだよ……」
ローゼはサインの事に気が付いたのか頷いた。シンジは酒場では自分は弱くて目立たない剣士の立場なので、話を合わせてくれと説明した。
二人が店の扉を開けると、レイチェルたち三人は先に来ていて、こちらを見て少し驚いたような顔をした。
「待たせたね、昔の知り合いに偶然会ってさ、連れて来たよ」
「昔と言うと、三年前の?」
「うん、レイチェル、その時お世話になった聖女、じゃなくて聖母様だ」
「えーーっ、聖母様なのですか!」
三人は口をそろえて叫んだ。マスターと店の客たちが聖母に反応したのか、チラリとこちらを見る。
「早く飲もう、僕たちはビールだけど、ローゼはワインだったね」
シンジは三人を紹介し、なぜローゼがワインなのかも説明する。もう一人のシンジとのエピソードでローゼがワインを飲んでいたからだ。
「ねえねえ、ローゼ様、シンジはどれぐらい強い戦士なんですか?」
「そうですね、この世界の王を目指せるぐらい強いですわ」
「へえ、そんなに……」
エミリーは素直に感心するがリリィが突っ込みを入れる。
「嘘よ~~、巨乳好きのエッチ王ならなれるけど、ねえ、レイチェル」
「やっ、止めなさい、リリィ……」
レイチェルが顔を赤くして、両手を広げて振りながら注意する。
酒場のマスターや客たちは、特にこちらの会話には興味を示さない、この世界の王を目指すはシンジにとっても今や冗談だ。
翌日の早朝、シンジと三人はローゼと共に戦士組合の屋上に居た。一羽の白い竜が上空を旋回してから、皆が居る場所に降り立つ。
「竜騎兵か……、やはり凄い、俺も欲しいな」
ユーカが扱っていた竜騎兵とは少し違うようだった。一回り大きくて頭部に小さな角が有る。背中の鞍も長く四人乗れるようになっていた。
「俺の知っている竜騎兵とはちょっと違うね」
「ええ、速度が出るのです。王都までの時間は三時間ほどですわ」
「ローゼ、俺は誰も怨んじゃいないよ、昔あのままこの世界に居たら、確かに俺はおかしなことになっていたかもしれないしね、握手しよう」
シンジが手を差し出すと、ローゼは微笑みながらその手を握った。
「今の俺はどうかな、何を感じる?」
「とても綺麗な青い光が見えますわ、あの三人の導きでしょう」
「そうだね、あの三人は俺にとって本当の女神いや、聖女だな、ナタリアとアナによろしく言っといてくれ」
「はい、二人も驚きますわ」
ローゼは竜騎兵の鞍に乗り、こちらに向かって会釈をする。翼がゆっくりと羽ばたき、竜騎兵は垂直に上昇した。
「ナタリアとアナって誰なの?」
リリィがシンジに聞く、知らない名なので気になるのだろう、レイチェルとエミリーもこちらを見ていた。
「三年前にローゼと三人で、俺を助けてくれていた聖女様たちさ」
「三人共巨乳だったんだ?」
「そう、俺の因縁だな、なぜかそうなるんだ」
三人は互いにそれぞれの胸を見て笑う、上空を一度旋回した竜騎兵は進路を西に向け、あっと言う間に飛び去り見えなくなった。
リリィは衣料品店の仕事に出かけ、シンジは夜にネオゴッデスの仕事、エミリーの託児所の仕事は休みだった。
「ねえ、シンジ、私たち聖女の力が有るのよね」
「ああ、そうだね」
エミリーがコーヒーのお代りをシンジに差し出して、向かいの席に座った。
「力が有るなら今からでも聖女を目指した方がいいのかしら、託児所の仕事も好きだから続けたいし……」
「うーーん、やりたい事をやればいいんだよ、俺もそうしているしね」
「仕事を続けながら聖女のトレーニングも出来ないかって、三人で話していたの」
「そうか、それなら休みの日に馬で森に入るか、俺の仕事に付き合ってくれれば、色々アドバイスが出来るよ」
「うん」
まだ夕方の早い時間にシンジはネオゴッデスに入った。開店準備をしていたバーテンが、社長が話が有るとの旨をシンジに伝えたので、二階の部屋にサヴェリオを訪ねる。
「昨日はご活躍だったそうですね」
「もう知っているのですか、怪物と言っても何かの形になれない、巨大化した魔雑魚のような相手でしたから……、特に強い敵ではありませんでしたよ」
「地下に封印されていたのですね、地上の悪意と接触していれば巨大な魔人か、魔竜くらいにはなっていたかもしれない、一撃でほぼ消滅させたのは正解でしたね」
サヴェリオはまるで見ていたかの様に感想を話す。
「最悪、私にも出てくれと組合の知り合いから連絡がありましてね、君が行っているなら心配ないと伝えましたよ、昨夜のうちに倒したとの連絡もありました」
サヴェリオは組合にも近いのかとシンジは思った。
「そうそう、例の情報ですが少しだけ集まってきました。確かに奴隷商人の動きはあるようです」
「具体的にはどうなんですか?」
「まだですね、色々声をかけましたからそのうち分かるでしょう、しかし私も反省しなければ、この街の事ばかりに眼が行っていた」
「そうですか、あなたはもう戦わないのですか?」
「そうですね、店の娘たちに危害が及ぶようなら剣を取りますけどね」
サヴェリオはにやりと笑う、一瞬シンジの背筋に冷たい物が走った。
営業が始まり店に集まった客たちも、西地区の怪物騒ぎの件で盛り上がっていた。
「ねえねえ、シンジ、例の怪物は見たの? 誰が倒したのかな? もしかしてシンジ?」
アリーチャが隣に座りって、色々と状況を聞いてくる。サヴェリオは店の人間に何も話をしていないのだろう。
「さあ、俺は何も見れなかったなあ……」
シンジはここでもとぼけた。
仕事を終え、部屋に帰るとレイチェルが出迎えてくれた。エミリーとリリィはベッドに潜り込んでいる。
「シンジ、明日、組合事務所に来てくれないかとの事です。クレアさんからの伝言です」
「クレア? 誰だっけ?」
「嫌だあ、いつも対応してくれている、受付の女性よ、名前、聞いてないの?」
「ああ、彼女か、そう言えば聞いてなかったな」
「きちんと名前を憶えなくてはだめよ、先日の怪物騒ぎの報告書が出来たから、目を通して欲しいって」
「その件か、了解だ。名前の件もね」
レイチェルが服を脱ぎ始めたのでシンジも服を脱ぎ、部屋の明かりを消してエミリーとリリィが消えた、二人だけのベッドに潜り込む。
翌日、皆はそれぞれの仕事、シンジは午後、組合事務所に顔を出した。
「クレア、レイチェルに聞いたよ、報告書が出来たんだって」
「ええ、目を通してサインをお願い、おかしな所があったら指摘してね、初めて名前を呼んでくれたわねえ」
「ああ、レイチェルに怒られたよ、名前ぐらい憶えろってさ」
シンジは何枚かの書類を受け取り読み始めた。
「今日は皇都から調査員が来るのよ、説明、現場確認と今後の対応を協議するの」
「うん、問題無いと思うよ、皇都から調査員とは話が大袈裟だなあ、今後の対応は?」
シンジはペンを取り、対応者の欄にサインをする。すでにアランの名前が記入されていた。
「ええ、まずは街周辺の使われていない建物に、封印されている地下室が有るかどうか調査ね」
シンジは書類を差し出し、クレアはそれを受け取りサインの欄を確認する。
「うん、ありがとう、剣士と聖女のペアで調べるの、それでレイチェルに手伝ってもらえないかなと思って」
「レイチェルに?」
「ええ、危険は伴わない仕事だけど、一応シンジに聞いてからって思って、レイチェルには少し話たんだけどね」
「ああ、構わないんじゃないかな、ただ何かあったら俺を呼んでくれよ」
「うん、あくまで調査よ、封印が発見されたら別途対応だから」
ネオゴッデスへの道すがら、ふと空を見上げると白い鳥が飛んでいるのが見えた。
「ん? あれは鳥……じゃない、竜騎兵だ!」
竜騎兵は組合の建物があると思われる場所に降下して行った。
「皇都の調査員か……」
翌日、いつもと変わらず魔雑魚退治を済ませて、帰り道、三人と待ち合わせているいつもの酒場への道を歩いていると、今となっては懐かしい人を見かけた。
シンジは少し迷ったが、その女性に歩み寄り声を掛けた。
「ローゼじゃないか、久しぶりだね……」
その女性はシンジの事が分からないようで少し首を傾げている。
「俺、いや僕だよ、覚えていないのも無理ないけどさ、三年前の戦士様だよ」
ローゼはシンジの事を思い出したのか、一瞬、表情を引き締めた。
「また、こちらの世界に来られたのですか、確かに戦士様ほどの力が有れば……」
「そうだ、酒場で待ち合わせなんだ、ローゼも来ないか? 会わせたい人たちもいるしさ」
少し考える表情になったローゼに、シンジは話を続けた。
「大丈夫、恨んでなんていないし、昔の事は忘れたよ、会わせたい人は三人の聖女見習いさ、それと組合の報告書にサインした、シンジは僕の事なんだよ……」
ローゼはサインの事に気が付いたのか頷いた。シンジは酒場では自分は弱くて目立たない剣士の立場なので、話を合わせてくれと説明した。
二人が店の扉を開けると、レイチェルたち三人は先に来ていて、こちらを見て少し驚いたような顔をした。
「待たせたね、昔の知り合いに偶然会ってさ、連れて来たよ」
「昔と言うと、三年前の?」
「うん、レイチェル、その時お世話になった聖女、じゃなくて聖母様だ」
「えーーっ、聖母様なのですか!」
三人は口をそろえて叫んだ。マスターと店の客たちが聖母に反応したのか、チラリとこちらを見る。
「早く飲もう、僕たちはビールだけど、ローゼはワインだったね」
シンジは三人を紹介し、なぜローゼがワインなのかも説明する。もう一人のシンジとのエピソードでローゼがワインを飲んでいたからだ。
「ねえねえ、ローゼ様、シンジはどれぐらい強い戦士なんですか?」
「そうですね、この世界の王を目指せるぐらい強いですわ」
「へえ、そんなに……」
エミリーは素直に感心するがリリィが突っ込みを入れる。
「嘘よ~~、巨乳好きのエッチ王ならなれるけど、ねえ、レイチェル」
「やっ、止めなさい、リリィ……」
レイチェルが顔を赤くして、両手を広げて振りながら注意する。
酒場のマスターや客たちは、特にこちらの会話には興味を示さない、この世界の王を目指すはシンジにとっても今や冗談だ。
翌日の早朝、シンジと三人はローゼと共に戦士組合の屋上に居た。一羽の白い竜が上空を旋回してから、皆が居る場所に降り立つ。
「竜騎兵か……、やはり凄い、俺も欲しいな」
ユーカが扱っていた竜騎兵とは少し違うようだった。一回り大きくて頭部に小さな角が有る。背中の鞍も長く四人乗れるようになっていた。
「俺の知っている竜騎兵とはちょっと違うね」
「ええ、速度が出るのです。王都までの時間は三時間ほどですわ」
「ローゼ、俺は誰も怨んじゃいないよ、昔あのままこの世界に居たら、確かに俺はおかしなことになっていたかもしれないしね、握手しよう」
シンジが手を差し出すと、ローゼは微笑みながらその手を握った。
「今の俺はどうかな、何を感じる?」
「とても綺麗な青い光が見えますわ、あの三人の導きでしょう」
「そうだね、あの三人は俺にとって本当の女神いや、聖女だな、ナタリアとアナによろしく言っといてくれ」
「はい、二人も驚きますわ」
ローゼは竜騎兵の鞍に乗り、こちらに向かって会釈をする。翼がゆっくりと羽ばたき、竜騎兵は垂直に上昇した。
「ナタリアとアナって誰なの?」
リリィがシンジに聞く、知らない名なので気になるのだろう、レイチェルとエミリーもこちらを見ていた。
「三年前にローゼと三人で、俺を助けてくれていた聖女様たちさ」
「三人共巨乳だったんだ?」
「そう、俺の因縁だな、なぜかそうなるんだ」
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