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第二十四話「聖女の三人」
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朝、シンジが組合に行くとアランが仕事依頼の掲示板を眺めていた。
「珍しいな、こんな所に」
シンジが後ろから声をかけると、アランは振り向く。
「おはようございます。西が暇なんで、たまにはこちらで魔雑魚処理の仕事でもと思って……、先日はお世話になりました」
「いや、仕事だからな、たまにって毎日何をやってるんだい?」
シンジは掲示板を見ながら話を続けた。
「西地区では調査が中心で、時間がある時は一人で戦闘訓練です」
「まあ、俺もアランぐらいの時は毎日森に行って特訓してたなあ」
「そうですか! 何の特訓をしたんですか?」
「ああ、雷撃魔法の応用を色々と考えていたな、おっと、東地区で二カ所の魔雑魚退治の依頼か、これは俺が頂くよ」
シンジは掲示板からメモを取り外す。
「魔法 ですか……?」
「魔雑魚退治は戦士の基本だよ、頑張りな」
シンジは受付に向かい、アランは呆気に取られてシンジを見つめていた。
シンジが組合事務所を出てから、アランは西の魔雑魚退治の依頼メモを持って受付に行く、受付嬢はアランの登録証を見てノートを探した。
「西地区の一件でシンジのサポートをしてくれた方ですか、いつもは西の出張所なのに、今日はこちらに来て頂いたのですね」
「例の怪物事件以来、普通の調査は中止されていて、暇なんです」
「そうね、怪我をした戦士や聖女は、もう復帰したんでしょ?」
「はい、そろそろ地下封印の調査も始まるそうです」
「馬は西地区の出張事務所で借りた方が良いわよねえ、こちらではノートを作っていないのね、ポイントは小切手を切るから西で加算して下さい」
「はい、あの……、シンジさんってどんな人なんですか? ランクは戦士のCなのに」
「ランクと強さは関係無いですからね、一応分かっているとは思うけど……」
受付嬢はランク制度について改めてアランに説明する。ついでに隣街のメンヒスでの、シンジの仕事の事なども説明した。
「とにかくシンジは強いのよ、たいして本気を出していないのにねえ」
シンジは東へ向けて馬を走らせる。内容は相変わらずの、農地での魔雑魚退治だ。
今日は仕事が終わったら聖女の衣装を売っている、いつだったか仕事の帰りに一度立ち寄った店に行く予定だった。
街道を逸れて脇道に入り農道を進む、森の突き当たりまで進むと左側の牧草地に魔雑魚がいくつか浮かんでいた。
「あの店はポイントが必要なんだよな、今日も稼ぐか」
二カ所の仕事をこなし、午後遅く組合の事務所に戻るとレイチェルが受付に座っていた。
「来てたんだ」
「はい、調査スケジュールの調整です」
受付のクレアは書類を見ていた。シンジも隣の椅子に座る。
「うん、了解、戦士や聖女も全員復帰したし、レイチェルが手伝ってくれるから助かるわ」
クレアが書類から目を上げて、眼鏡を指で押さえる。
「無理はさせないでくれよ」
「大丈夫よ」
クレアがシンジのノートに今日のポイントを加算した。
「例の東の領地の件はどうなったのかな?」
「正式な回答はまだだけど感触は良いわね、二、三日で連絡が来るわ」
「そうか! それじゃあ三人に休みを調整をお願いしておくか……、実はこれから四人で聖女用の衣装を買いに行くんだ」
紹介した組合としても正装で行ってくれるのは大歓迎だとクレアは言う、シンジとレイチェルは顔を見合わせた。正装まで用意するとは、話が少々大袈裟になってきたようだ。
近くの託児所に行きエミリーと合流してから、三人でリリィの働いているお店に向かう、ちょうど仕事が終わるころの時間だ。
店の近くで待っているとリリィが出て来た。
「お待たせ~~、四人で買い物なんて初めてね」
「そうだね、さあ、行こうか」
街の表通りをしばらく歩き、路地入って少し奥に進むと小さな武器屋が見えた。
「ここなんだけどね、武器より衣装が充実しているんだ」
扉を開けると、以前居た小さな女の子が店番をしていた。
「いらっしゃいませ、あっ、この間の……」
「うん、買いに来たよ」
「ありがとう、ございます」
少女は笑顔で頭を下げた。レイチェルたち三人はハンガーに掛けられて並ぶ衣装に目が釘付けだ。
「これが聖女の衣装ですか、とても素敵ですが……」
レイチェルは少々困惑ぎみだ。
「ユーカを見てよ、あれぐらいでもこの世界では普通みたいだよ、まあ、俺はもっと落ち着いた感じが好きだけどね」
「凄い、かっこいいよ、これ私たちが着れるの?」
「でも、私たちは見習いだし……、ちょっと恥ずかしいかも」
今、着ている普段着から、この煌びやかな衣装に着替える事にリリィは肯定的だが、エミリーは少し抵抗が有るようだ。
「うーーん、どうなのかなあ?」
シンジが店の女の子の方を向く。
「王宮に出入りする時に着られると、この街の戦士様や聖女様も買われていかれました。好評のようですが……」
「ほらほら、俺もこの一張羅の上に着る正装の上着とマントを買うよ」
四人は女の子のアドバイスを受けながら、色々と意見を言い合って衣装を選んだ。試着するレイチェルたちの姿はなかなかだとシンジは思ったが……。
「やっぱり胸がきついですね……」
「お直しは一日あれば出来ますから、あの……、三人とも胸が少し強調されてしまいますが……」
「良いじゃないの!」
「シンジはそればかりですね」
レイチェルは鏡に映る自身の姿を見て満更でもない様子だ。
衣装に合わせて靴も選ぶ、他にも若干のアクセサリーも置いてあったが、さすがに今回は購入を見送った。
鏡の前でポーズをとる三人は、シンジの目から見ても立派な聖女だった。
「珍しいな、こんな所に」
シンジが後ろから声をかけると、アランは振り向く。
「おはようございます。西が暇なんで、たまにはこちらで魔雑魚処理の仕事でもと思って……、先日はお世話になりました」
「いや、仕事だからな、たまにって毎日何をやってるんだい?」
シンジは掲示板を見ながら話を続けた。
「西地区では調査が中心で、時間がある時は一人で戦闘訓練です」
「まあ、俺もアランぐらいの時は毎日森に行って特訓してたなあ」
「そうですか! 何の特訓をしたんですか?」
「ああ、雷撃魔法の応用を色々と考えていたな、おっと、東地区で二カ所の魔雑魚退治の依頼か、これは俺が頂くよ」
シンジは掲示板からメモを取り外す。
「魔法 ですか……?」
「魔雑魚退治は戦士の基本だよ、頑張りな」
シンジは受付に向かい、アランは呆気に取られてシンジを見つめていた。
シンジが組合事務所を出てから、アランは西の魔雑魚退治の依頼メモを持って受付に行く、受付嬢はアランの登録証を見てノートを探した。
「西地区の一件でシンジのサポートをしてくれた方ですか、いつもは西の出張所なのに、今日はこちらに来て頂いたのですね」
「例の怪物事件以来、普通の調査は中止されていて、暇なんです」
「そうね、怪我をした戦士や聖女は、もう復帰したんでしょ?」
「はい、そろそろ地下封印の調査も始まるそうです」
「馬は西地区の出張事務所で借りた方が良いわよねえ、こちらではノートを作っていないのね、ポイントは小切手を切るから西で加算して下さい」
「はい、あの……、シンジさんってどんな人なんですか? ランクは戦士のCなのに」
「ランクと強さは関係無いですからね、一応分かっているとは思うけど……」
受付嬢はランク制度について改めてアランに説明する。ついでに隣街のメンヒスでの、シンジの仕事の事なども説明した。
「とにかくシンジは強いのよ、たいして本気を出していないのにねえ」
シンジは東へ向けて馬を走らせる。内容は相変わらずの、農地での魔雑魚退治だ。
今日は仕事が終わったら聖女の衣装を売っている、いつだったか仕事の帰りに一度立ち寄った店に行く予定だった。
街道を逸れて脇道に入り農道を進む、森の突き当たりまで進むと左側の牧草地に魔雑魚がいくつか浮かんでいた。
「あの店はポイントが必要なんだよな、今日も稼ぐか」
二カ所の仕事をこなし、午後遅く組合の事務所に戻るとレイチェルが受付に座っていた。
「来てたんだ」
「はい、調査スケジュールの調整です」
受付のクレアは書類を見ていた。シンジも隣の椅子に座る。
「うん、了解、戦士や聖女も全員復帰したし、レイチェルが手伝ってくれるから助かるわ」
クレアが書類から目を上げて、眼鏡を指で押さえる。
「無理はさせないでくれよ」
「大丈夫よ」
クレアがシンジのノートに今日のポイントを加算した。
「例の東の領地の件はどうなったのかな?」
「正式な回答はまだだけど感触は良いわね、二、三日で連絡が来るわ」
「そうか! それじゃあ三人に休みを調整をお願いしておくか……、実はこれから四人で聖女用の衣装を買いに行くんだ」
紹介した組合としても正装で行ってくれるのは大歓迎だとクレアは言う、シンジとレイチェルは顔を見合わせた。正装まで用意するとは、話が少々大袈裟になってきたようだ。
近くの託児所に行きエミリーと合流してから、三人でリリィの働いているお店に向かう、ちょうど仕事が終わるころの時間だ。
店の近くで待っているとリリィが出て来た。
「お待たせ~~、四人で買い物なんて初めてね」
「そうだね、さあ、行こうか」
街の表通りをしばらく歩き、路地入って少し奥に進むと小さな武器屋が見えた。
「ここなんだけどね、武器より衣装が充実しているんだ」
扉を開けると、以前居た小さな女の子が店番をしていた。
「いらっしゃいませ、あっ、この間の……」
「うん、買いに来たよ」
「ありがとう、ございます」
少女は笑顔で頭を下げた。レイチェルたち三人はハンガーに掛けられて並ぶ衣装に目が釘付けだ。
「これが聖女の衣装ですか、とても素敵ですが……」
レイチェルは少々困惑ぎみだ。
「ユーカを見てよ、あれぐらいでもこの世界では普通みたいだよ、まあ、俺はもっと落ち着いた感じが好きだけどね」
「凄い、かっこいいよ、これ私たちが着れるの?」
「でも、私たちは見習いだし……、ちょっと恥ずかしいかも」
今、着ている普段着から、この煌びやかな衣装に着替える事にリリィは肯定的だが、エミリーは少し抵抗が有るようだ。
「うーーん、どうなのかなあ?」
シンジが店の女の子の方を向く。
「王宮に出入りする時に着られると、この街の戦士様や聖女様も買われていかれました。好評のようですが……」
「ほらほら、俺もこの一張羅の上に着る正装の上着とマントを買うよ」
四人は女の子のアドバイスを受けながら、色々と意見を言い合って衣装を選んだ。試着するレイチェルたちの姿はなかなかだとシンジは思ったが……。
「やっぱり胸がきついですね……」
「お直しは一日あれば出来ますから、あの……、三人とも胸が少し強調されてしまいますが……」
「良いじゃないの!」
「シンジはそればかりですね」
レイチェルは鏡に映る自身の姿を見て満更でもない様子だ。
衣装に合わせて靴も選ぶ、他にも若干のアクセサリーも置いてあったが、さすがに今回は購入を見送った。
鏡の前でポーズをとる三人は、シンジの目から見ても立派な聖女だった。
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