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第二十九話「魔人狩り」
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翌日の朝、山荘の前に全員が揃って馬に乗るシンジを見送った。
「森の中は獣道ぐらいしかないから馬の扱いには注意して、近場から潰していくわ」
「了解だ、ユーカ、うまく誘導してくれよ」
シンジは馬上から四人を見まわして答える。
「任せて、予定通り私が中心になって、四人で結界を張ってシンジを補助するから、皆、力を貸してね」
「はいっ」
レイチェル、エミリー、リリィの三人は声をそろえて返事をした。
馬を操って森に入ると、ほどなく結界が張られたのを感じた。
「うん、なかなかやるじゃないか……、こっちだな」
シンジは指示された方向へ、木々の間を縫ってゆっくりと馬を走らせる。
魔人の気配を感じて馬を降り、森の中を進むと普通サイズの魔人が背中を向けて立っているのが見えた。
「最初の頃に魔人と出会った時みたいな感じだな」
シンジが剣を抜くと、魔人もこちらに気が付いてふり向く。
「初心忘れるべからずだ。実剣でやるか……」
こちらに向かってくる魔人に対して、間合いに踏み込んで、両手で剣を振り下ろと、魔人は真っ二つに裂け、白い光になって消滅した。
「この感触は実剣ならではだよ」
シンジは馬に乗り、次の目標を目指した。
結界の誘導は上手く行っているようだ。レイチェルたちがシンジを導き、ユーカが魔人の居る場所まで先行し誘導する……。といった感触がシンジにも分かった。
またも気配を感じて馬を降りる。次の魔人は本命の三メートル級だった。
「さ~~て……」
こちらに気が付いて向かってくる魔人を横目で見ながら、木々の間に入り込んで走り出すと、魔人もこちらを追いかけて森の中に入って来た。
木の間を縫って走るシンジを追いかける魔人、シンジは立ち止まり、向かって行くそぶりを見せてから方向を変えてまた走り出す。
シンジは更に追いかけて来る魔人に対してふり向き、剣を振り上げ跳びかかった。
突然切りかけられた魔人は咄嗟に右手を突き出すが、その手のひらに食い込んだ剣が腕を縦に切り裂き、シンジは剣を捻り腕の半身を削ぎ落した。
続いて苦し紛れに繰り出された魔人の左手を腕の関節から切り飛ばす。
「解体ショーの始まりだっ!」
シンジは体勢を低くして両手で剣を握り、魔人の足を一刀で両断した。
「さあ、三メートル級の意地を見せろよっ、魔人!」
一旦、間合いをとると、横倒しになった魔人の切断された四股から新たな手足が伸びて、ややサイズダウンしつつも魔人は復活して立ち上がった。
散らばった魔雑魚を吸収して復活するより、体躯が小さくなっても早く復活する方を選んだ魔人の思考力がどれ程かは想像もつかなかったが、良い判断だとシンジは思った。
魔人の背中から黒い突起が飛び出して、蝙蝠の翼の形に広がった。
「させるかよっ!」
シンジが剣を振り下ろすと、魔人の両翼が吹き飛び、胴体が真っ二つに裂けて地面にドサリと倒れ込む。
「結局、飛び道具を使ってしまったなあ……」
空に逃げられると厄介なので、これは仕方ない。シンジは倒れた魔人に歩み寄り、一体の魔人に再生しようとしている半身に剣を突き立てた。
刃の刺し口から白い光が広がり半身が消滅し、残りの半身も同様に処理した。
戦闘跡に飛び散った魔雑魚を処理しながら馬まで戻る。
「残りは二体か……」
続いてもう一体の普通サイズの魔人も順調に見つけ出して同じように倒す。四人の誘導は上手く行っている。最短距離で魔人まで到達している感じだった。
誘導され馬を走らせ気配を読む、……そして、最後の一体、異形の魔人がシンジの前に姿を現した。
「おいおい、聞いてないぞ、ユーカ……!!」
大きさは普通程度とは変わらない、しかしその魔人は通常と同じ漆黒の体にボロボロの鎧を纏い、右手には剣を持っていた。
表情が無い普通の魔人とは違って、赤く細い目、耳まで裂けた口に牙が見える。あの魔王と同じ顔だった。
「ちいっ! こいつが裏の話だったのかよ!」
初めて対処する相手にシンジは一瞬躊躇する。問題は魔人が持っている剣だ。いきなり魔法が炸裂すれば苦戦は必至だ。
その魔人は鎧がぶつかり合う音を響かせながら、真っ直ぐシンジに向かって歩いて来る。
剣を抜きシンジは考えた。こちらから仕掛けるか? 様子を見るか? 結界の強度が上がった。ユーカもこの状況を把握したようだ。
「ええいっ、ままよっ!」
シンジは走り出し相手に向かって剣を振るい、剣圧を飛ばす。魔人も剣をかざし三つの攻撃を軽々と弾いた。
「くっ、そっ! それならっ!」
シンジは飛び上がり、上段から実剣で切りかかった。魔人はシンジの剣を受け、地上に降り立ったシンジと魔人は、剣を組んだまま力まかせに互いを押し合う。
「くそっ!」
後ろ向きに飛び逃げ、剣の組み合いを解いたシンジは悪態をついた。力比べで人間が魔人にかなう訳が無い、間合いを取る為に後ずさりながら、剣圧を幾つも飛ばすと剣で受け切れなかった衝撃波が、魔人の体からいくばくかの魔雑魚を飛び散らせた。
魔人は全装甲の鎧を纏ってはいたが、その姿は敗残兵のごとくボロボロで、幾つものパーツが剥がれ落ちている。その隙間をつけば通常通りの攻撃が通用するとシンジは考えた。
向かってくる魔人から距離をとりつつ、剣の圧力を何度も飛ばし牽制する。
「こいつはどうだ?」
大きく垂直に剣を振り下ろして、大きな三つの三日月の衝撃を繰り出すと魔人はそれを一本の剣では受け切れず、幾つかの装甲が吹き飛び、また魔雑魚が散った。
次々に体を襲う衝撃を受け、事態を察した魔人は肉を切らせながらも剣を振り上げシンジに襲いかかる。
シンジは森の木を盾にしつつ、直接の組み合いを避け、鎧が外れている場所に小さな攻撃を繰り返す。魔人の首は装甲に守られていた。
こちらの攻撃をかわしつつ、剣を振るう魔人の背中から不意に黒い翼が生えた。
「普通サイズで翼が?」
シンジは慌てて剣圧を飛ばすが、魔人の鎧と剣の一振りに攻撃は阻まれた。
「くそっ!」
飛行魔人は悠々と空に舞い上がる。森の木が邪魔になり飛び道具も役に立ちそうはなかった。
空を見上げるシンジは、遥か上空に白い飛行物体を見てとった。
「あれは?」
ユーカの操る竜騎兵が、高空から一気に低空の魔人に襲いかかる。二本の足の、竜の鋭い爪が装甲魔人を鷲掴みにし、鎧が砕け、魔人の翼が引き裂かれるのが見えた。
「よしっ!」
シンジは地上に落ちて来る魔人の下まで走り、自由落下する魔人に向かって、垂直に剣圧を突き上げた。
カウンターで衝撃を喰らった魔人は鎧ごと手足を引きちぎられ、一瞬体が持ち上がる。
「もう一度っ!」
シンジは更に空中にいる魔人に再度攻撃を繰り出す。
壊れかかった鎧と、バラバラになった魔人の体が地面に激突し、飛び散った魔雑魚がゆっくりと降り注いで来た。
シンジが残骸となった魔雑魚を処理していると、近くに降りたユーカがこちらに走って来た。
「シンジ! 大丈夫?」
「ああ、無事だ、助かったよ」
「ごめん、結界ではここまでは分からなかった」
結界は剣や鎧などの装備まで探れないのだから仕方なかった。二人はバラバラになった鎧を集め、シンジは魔人の剣を鞘に納めて自身のベルトに着けた。
ユーカは持って来た大きな布を広げて、その上に鎧を乗せる。
「シンジ、馬の鞍に同じ物があるから持って来て」
「了解、馬を連れて来るよ」
二人は鎧の破片も集めてそれぞれの布に包み、竜騎兵まで移動して鞍に縛り付けた。
「とりあえず山荘まで帰りましょう、道は分かる?」
「大丈夫だ、レイチェルの結界が繋がっている」
山荘に戻るとレイチェルとエミリー、リリィの三人が外に出て待っていた。
「急いで撤収しましょう、こんな魔人が現れたなんて……、早くクリストフに報告しないと」
「シンジ、帰りは私が馬に乗るわ、慣れているし、先に帰って」
「分かった」
シンジが竜騎兵に乗り、三人の娘は馬で屋敷までの帰途を急いだ。
屋敷に到着したシンジたちは納屋に鎧の残骸を運び込み、シンジは魔人の持っていた剣を外す。
「この魔人の装備は後で検分はするとして、新種の魔に遭遇した時は、可及的速やかに組合に報告する事になっているのよ」
「分かっている。三人が帰ってきたら、俺たちはすぐ街に戻る。組合事務所に行くよ」
「頼むわ、鎧と剣は此方で預かるから、もちろん組合が要望すれば渡すから、そう伝えて」
シンジたちは、本来はここでもう一泊する予定だった。
「分かった」
シンジとユーカはクリストフを訪ねて、今日起きた戦闘の状況について説明した。
三人が戻って来たので、荷物をまとめてシンジたち四人は街へと馬を走らせた。組合事務所に着いて馬を返却、事務所に乗り込む。
シンジたちの正装に最初クレアは目を白黒させて笑ったが、シンジの説明ですぐに事態を理解した。
「ともかく上に報告を上げましょう、すぐに東の領地に調査団を送る事になると思う、問題は……」
「そうだ、こんなのが大勢出てきたら厄介だな、それに強力な剣を持っていたら戦士でも苦戦するよ」
「森の中は獣道ぐらいしかないから馬の扱いには注意して、近場から潰していくわ」
「了解だ、ユーカ、うまく誘導してくれよ」
シンジは馬上から四人を見まわして答える。
「任せて、予定通り私が中心になって、四人で結界を張ってシンジを補助するから、皆、力を貸してね」
「はいっ」
レイチェル、エミリー、リリィの三人は声をそろえて返事をした。
馬を操って森に入ると、ほどなく結界が張られたのを感じた。
「うん、なかなかやるじゃないか……、こっちだな」
シンジは指示された方向へ、木々の間を縫ってゆっくりと馬を走らせる。
魔人の気配を感じて馬を降り、森の中を進むと普通サイズの魔人が背中を向けて立っているのが見えた。
「最初の頃に魔人と出会った時みたいな感じだな」
シンジが剣を抜くと、魔人もこちらに気が付いてふり向く。
「初心忘れるべからずだ。実剣でやるか……」
こちらに向かってくる魔人に対して、間合いに踏み込んで、両手で剣を振り下ろと、魔人は真っ二つに裂け、白い光になって消滅した。
「この感触は実剣ならではだよ」
シンジは馬に乗り、次の目標を目指した。
結界の誘導は上手く行っているようだ。レイチェルたちがシンジを導き、ユーカが魔人の居る場所まで先行し誘導する……。といった感触がシンジにも分かった。
またも気配を感じて馬を降りる。次の魔人は本命の三メートル級だった。
「さ~~て……」
こちらに気が付いて向かってくる魔人を横目で見ながら、木々の間に入り込んで走り出すと、魔人もこちらを追いかけて森の中に入って来た。
木の間を縫って走るシンジを追いかける魔人、シンジは立ち止まり、向かって行くそぶりを見せてから方向を変えてまた走り出す。
シンジは更に追いかけて来る魔人に対してふり向き、剣を振り上げ跳びかかった。
突然切りかけられた魔人は咄嗟に右手を突き出すが、その手のひらに食い込んだ剣が腕を縦に切り裂き、シンジは剣を捻り腕の半身を削ぎ落した。
続いて苦し紛れに繰り出された魔人の左手を腕の関節から切り飛ばす。
「解体ショーの始まりだっ!」
シンジは体勢を低くして両手で剣を握り、魔人の足を一刀で両断した。
「さあ、三メートル級の意地を見せろよっ、魔人!」
一旦、間合いをとると、横倒しになった魔人の切断された四股から新たな手足が伸びて、ややサイズダウンしつつも魔人は復活して立ち上がった。
散らばった魔雑魚を吸収して復活するより、体躯が小さくなっても早く復活する方を選んだ魔人の思考力がどれ程かは想像もつかなかったが、良い判断だとシンジは思った。
魔人の背中から黒い突起が飛び出して、蝙蝠の翼の形に広がった。
「させるかよっ!」
シンジが剣を振り下ろすと、魔人の両翼が吹き飛び、胴体が真っ二つに裂けて地面にドサリと倒れ込む。
「結局、飛び道具を使ってしまったなあ……」
空に逃げられると厄介なので、これは仕方ない。シンジは倒れた魔人に歩み寄り、一体の魔人に再生しようとしている半身に剣を突き立てた。
刃の刺し口から白い光が広がり半身が消滅し、残りの半身も同様に処理した。
戦闘跡に飛び散った魔雑魚を処理しながら馬まで戻る。
「残りは二体か……」
続いてもう一体の普通サイズの魔人も順調に見つけ出して同じように倒す。四人の誘導は上手く行っている。最短距離で魔人まで到達している感じだった。
誘導され馬を走らせ気配を読む、……そして、最後の一体、異形の魔人がシンジの前に姿を現した。
「おいおい、聞いてないぞ、ユーカ……!!」
大きさは普通程度とは変わらない、しかしその魔人は通常と同じ漆黒の体にボロボロの鎧を纏い、右手には剣を持っていた。
表情が無い普通の魔人とは違って、赤く細い目、耳まで裂けた口に牙が見える。あの魔王と同じ顔だった。
「ちいっ! こいつが裏の話だったのかよ!」
初めて対処する相手にシンジは一瞬躊躇する。問題は魔人が持っている剣だ。いきなり魔法が炸裂すれば苦戦は必至だ。
その魔人は鎧がぶつかり合う音を響かせながら、真っ直ぐシンジに向かって歩いて来る。
剣を抜きシンジは考えた。こちらから仕掛けるか? 様子を見るか? 結界の強度が上がった。ユーカもこの状況を把握したようだ。
「ええいっ、ままよっ!」
シンジは走り出し相手に向かって剣を振るい、剣圧を飛ばす。魔人も剣をかざし三つの攻撃を軽々と弾いた。
「くっ、そっ! それならっ!」
シンジは飛び上がり、上段から実剣で切りかかった。魔人はシンジの剣を受け、地上に降り立ったシンジと魔人は、剣を組んだまま力まかせに互いを押し合う。
「くそっ!」
後ろ向きに飛び逃げ、剣の組み合いを解いたシンジは悪態をついた。力比べで人間が魔人にかなう訳が無い、間合いを取る為に後ずさりながら、剣圧を幾つも飛ばすと剣で受け切れなかった衝撃波が、魔人の体からいくばくかの魔雑魚を飛び散らせた。
魔人は全装甲の鎧を纏ってはいたが、その姿は敗残兵のごとくボロボロで、幾つものパーツが剥がれ落ちている。その隙間をつけば通常通りの攻撃が通用するとシンジは考えた。
向かってくる魔人から距離をとりつつ、剣の圧力を何度も飛ばし牽制する。
「こいつはどうだ?」
大きく垂直に剣を振り下ろして、大きな三つの三日月の衝撃を繰り出すと魔人はそれを一本の剣では受け切れず、幾つかの装甲が吹き飛び、また魔雑魚が散った。
次々に体を襲う衝撃を受け、事態を察した魔人は肉を切らせながらも剣を振り上げシンジに襲いかかる。
シンジは森の木を盾にしつつ、直接の組み合いを避け、鎧が外れている場所に小さな攻撃を繰り返す。魔人の首は装甲に守られていた。
こちらの攻撃をかわしつつ、剣を振るう魔人の背中から不意に黒い翼が生えた。
「普通サイズで翼が?」
シンジは慌てて剣圧を飛ばすが、魔人の鎧と剣の一振りに攻撃は阻まれた。
「くそっ!」
飛行魔人は悠々と空に舞い上がる。森の木が邪魔になり飛び道具も役に立ちそうはなかった。
空を見上げるシンジは、遥か上空に白い飛行物体を見てとった。
「あれは?」
ユーカの操る竜騎兵が、高空から一気に低空の魔人に襲いかかる。二本の足の、竜の鋭い爪が装甲魔人を鷲掴みにし、鎧が砕け、魔人の翼が引き裂かれるのが見えた。
「よしっ!」
シンジは地上に落ちて来る魔人の下まで走り、自由落下する魔人に向かって、垂直に剣圧を突き上げた。
カウンターで衝撃を喰らった魔人は鎧ごと手足を引きちぎられ、一瞬体が持ち上がる。
「もう一度っ!」
シンジは更に空中にいる魔人に再度攻撃を繰り出す。
壊れかかった鎧と、バラバラになった魔人の体が地面に激突し、飛び散った魔雑魚がゆっくりと降り注いで来た。
シンジが残骸となった魔雑魚を処理していると、近くに降りたユーカがこちらに走って来た。
「シンジ! 大丈夫?」
「ああ、無事だ、助かったよ」
「ごめん、結界ではここまでは分からなかった」
結界は剣や鎧などの装備まで探れないのだから仕方なかった。二人はバラバラになった鎧を集め、シンジは魔人の剣を鞘に納めて自身のベルトに着けた。
ユーカは持って来た大きな布を広げて、その上に鎧を乗せる。
「シンジ、馬の鞍に同じ物があるから持って来て」
「了解、馬を連れて来るよ」
二人は鎧の破片も集めてそれぞれの布に包み、竜騎兵まで移動して鞍に縛り付けた。
「とりあえず山荘まで帰りましょう、道は分かる?」
「大丈夫だ、レイチェルの結界が繋がっている」
山荘に戻るとレイチェルとエミリー、リリィの三人が外に出て待っていた。
「急いで撤収しましょう、こんな魔人が現れたなんて……、早くクリストフに報告しないと」
「シンジ、帰りは私が馬に乗るわ、慣れているし、先に帰って」
「分かった」
シンジが竜騎兵に乗り、三人の娘は馬で屋敷までの帰途を急いだ。
屋敷に到着したシンジたちは納屋に鎧の残骸を運び込み、シンジは魔人の持っていた剣を外す。
「この魔人の装備は後で検分はするとして、新種の魔に遭遇した時は、可及的速やかに組合に報告する事になっているのよ」
「分かっている。三人が帰ってきたら、俺たちはすぐ街に戻る。組合事務所に行くよ」
「頼むわ、鎧と剣は此方で預かるから、もちろん組合が要望すれば渡すから、そう伝えて」
シンジたちは、本来はここでもう一泊する予定だった。
「分かった」
シンジとユーカはクリストフを訪ねて、今日起きた戦闘の状況について説明した。
三人が戻って来たので、荷物をまとめてシンジたち四人は街へと馬を走らせた。組合事務所に着いて馬を返却、事務所に乗り込む。
シンジたちの正装に最初クレアは目を白黒させて笑ったが、シンジの説明ですぐに事態を理解した。
「ともかく上に報告を上げましょう、すぐに東の領地に調査団を送る事になると思う、問題は……」
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