おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ

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番外編 ポーションメーカー

ポーションの作り方

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私は藤田ユキ、製薬会社と言うか清涼飲料水のメーカーというか、医薬品よりのドリンクメーカーの小塚商会に勤めている。

 数年前にダンジョンが出来てから、小塚商会ではポーション製作に手を挙げている。…だが、このポーションと言うのがサイアク。飲み物とは思えないくらいにマズい。命がかかってないと飲めないほどだ。日々、このマズい代物を効果を落とさずに飲めるようにする研究を続けている。

 ある日、出社すると部署の上司たちが集まっていて、誰一人として業務を開始しない。始業時間になってもざわついた雰囲気のまま、私たちも落ち着かない気持ちでいた。

「なんかねぇ、ダンジョン省の人が来てて、上が集まって会議中らしいよ」と、同期の藤田が言う。同期で同じ部署に配属になった同姓なので、私の方が藤田ユキとフルネームで呼ばれることが多い。正直、なんで私だけフルネームで、と会社の人間にムカついているのは秘密。藤田は良いやつなので、そのへんの含みは自分の中だけで処理したいと思っている。

「ザワついてるよねぇ、なにかあったのかなぁ」

「会社の不祥事とかだったら困るよねぇ」

「えー、こんなの恐ろしすぎる~。この間持ち株増やしたのに」うちの会社は、社員に持ち株制度を勧めている。配当金も少しは出るので、社員からも好評だったりする。

「あっ、部長出てきたよ」

高瀬部長がおそらくダンジョン省の人と一緒に部内にやってきた。

「新しいポーションが出来ました。残念ながら我が社の製品ではありませんが、入手できたので、検証してください」と言って、乾いた薬草の瓶と緑の液体入りペットボトルを出した。

「部長、それは…お茶っ葉に見えるんですが…」

「実際使い方もお茶っ葉のようなものです。では、今日中に検証結果をお願いします」と高瀬部長は言って、ダンジョン省の人と部屋を出ていった。

 私たち部署の5人は、お茶の瓶とペットボトルに集まった。

「使い方もお茶っ葉って、淹れてみる?」

藤田が急須と湯呑み、ポットを持ってきた。5人程度の小さい部署なので、自分たちが飲む茶道具位は置いてあった。実験もするので、水場もある。わざわざ給湯室へ行くより部内にある方が便利なのだ。

 5人で、温めの温度でお茶を淹れ飲んでみた。

「お茶だ」「お茶だね」

 飲んだ感想はみな同じ。普通にお茶。

「これ、ポーションなのよね?」3年先輩の池田さんが言った。

分析表が瓶についていたので、眺めてみる。

初級薬草 水魔法 回復魔法 

「割合はほとんど薬草成分ね」「乾燥してるのに水魔法含んでるんだ」

お茶っ葉の作り方を検索して、みんなで大きな画面で見てみる。

「作り方としては、こんな感じよね?」「でしょうねぇ」

池田さん、中村さん、吉田さんたちと、藤田とで色々と意見を出し合った。

「あとは効果の実証確認かぁ。それにしてもあのマッズイ薬草が飲みやすくなったよね」と、5人で負けたような気持ちになって言った。
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