19 / 22
小休憩
のらりくらりⅡ
しおりを挟む
「いってぇなぁ......。まったく」
コツコツ鋭い階段をそれとは真逆な雰囲気でマイペースに上がる。
形に合わない不規則変化で、ときどきリズムも変えながら。
こつ......こつこつとんとん......こつこつ。
広間にてソファに横たわる、マーシェル。
娯楽なしでは暇なのか、タイタンから抜けて初めてテレビの電源を付けようとした。
「あれ?リモコンない......。あっファットさんのポケットだ」
「なんでそんな物入っているのよ」
彼はマーシェルから見ると一つ上の階。このリビングはコントロールパネルと吹き抜けでつながっている。大きな照明や、今まで出さなかったが響き渡るグランドピアノもある。
まるでのんびりとした別荘のようだ。
この宇宙船「TB-Sα」があれば、家なんかなくても十分生活していけるだろう。
たとえ地球に隕石が降り注いできても、とっとと発射すれば助かる。
そして罪悪感というものがきっちり役目を果たしてくれるだろう。
そんなこんな話をしていると、ファットはやっとの思いで上階のコントロールパネルへ到着。20段ぐらい登るだけだが、何故か息が荒かった。
小指の呪いがまだとけていないのではないか。
「ファットさーん!!リモコン上から投げてきてー?」
「できるかおバカ」
マーシェルのボケがまた発動した。ここ最近頻発していて何かの前兆かもしれない......。と思う人などは、いない。そんな余裕はない。
「ファットさん。どう? フェーズきっちり作動している?」
ざっと心配そうな雰囲気とすっと冷静な心持ちでルーカスは聞いた。
そしてその声が耳に入るとファットは巨大なコントロールパネルから、FEDSのランプと設定ボタンを探し始めた。
「えっと......どれどれ。あっ、これか。ポチっとな」
ボタンを押すと同時に
《ゴオオオオオオオオオオオオングルルルルルルルル》
「ただいまより、冷房18℃で運転を開始します。」
すると大きな冷気を作る機械が、彼女たちが居る部屋の後ろから登場してきた。
「へ??寒いわよ!!そのボタンじゃない!!!ファット、止めて!」
「寒いわ!!あんたのダジャレみたいに!!!」
マーシェルはルーカスに紛れてしれっと彼に悪口を吐いたが、どうやら気付いていないようだ。
「あっ!ごめんごめん今止めます!!!」
もう一度、そのスイッチに手をやった。そわそわと焦りを隠しきれずに。
改めて、スイッチを探すファット。
「うーんと、このボタン。ではないな。どれだろう??」
彼がずっと困っていると、いきなりガイドがコントロールパネルのスクリーンに姿を現した。
「音声認識システムです。スクリーンに向かってお話しください。」
ピコン♪
「あ、えっと......フェーズの場所教えて?」
......ピコ♪
音声認識が完了した。
すると広くて10人くらい入りそうな長さを持つコントロールパネルの一部がチカチカと点滅し始める。今思うと非常に便利な機能だ、この宇宙船に対しては......。
点灯したスイッチは探していた場所とは全く違った逆方向だった。
「よしよし、これか。たしか......スイッチの上にある、ここのランプがついていたら正常だよな......どれどれ............ん?」
―――――――――――――――――――――――
そんなこんなで一行は帰路へ向かおうとする。
まだ大きな災難が降り注ぐことを知らない三人はどこか、のんびり余裕を持った顔つきだった。
コツコツ鋭い階段をそれとは真逆な雰囲気でマイペースに上がる。
形に合わない不規則変化で、ときどきリズムも変えながら。
こつ......こつこつとんとん......こつこつ。
広間にてソファに横たわる、マーシェル。
娯楽なしでは暇なのか、タイタンから抜けて初めてテレビの電源を付けようとした。
「あれ?リモコンない......。あっファットさんのポケットだ」
「なんでそんな物入っているのよ」
彼はマーシェルから見ると一つ上の階。このリビングはコントロールパネルと吹き抜けでつながっている。大きな照明や、今まで出さなかったが響き渡るグランドピアノもある。
まるでのんびりとした別荘のようだ。
この宇宙船「TB-Sα」があれば、家なんかなくても十分生活していけるだろう。
たとえ地球に隕石が降り注いできても、とっとと発射すれば助かる。
そして罪悪感というものがきっちり役目を果たしてくれるだろう。
そんなこんな話をしていると、ファットはやっとの思いで上階のコントロールパネルへ到着。20段ぐらい登るだけだが、何故か息が荒かった。
小指の呪いがまだとけていないのではないか。
「ファットさーん!!リモコン上から投げてきてー?」
「できるかおバカ」
マーシェルのボケがまた発動した。ここ最近頻発していて何かの前兆かもしれない......。と思う人などは、いない。そんな余裕はない。
「ファットさん。どう? フェーズきっちり作動している?」
ざっと心配そうな雰囲気とすっと冷静な心持ちでルーカスは聞いた。
そしてその声が耳に入るとファットは巨大なコントロールパネルから、FEDSのランプと設定ボタンを探し始めた。
「えっと......どれどれ。あっ、これか。ポチっとな」
ボタンを押すと同時に
《ゴオオオオオオオオオオオオングルルルルルルルル》
「ただいまより、冷房18℃で運転を開始します。」
すると大きな冷気を作る機械が、彼女たちが居る部屋の後ろから登場してきた。
「へ??寒いわよ!!そのボタンじゃない!!!ファット、止めて!」
「寒いわ!!あんたのダジャレみたいに!!!」
マーシェルはルーカスに紛れてしれっと彼に悪口を吐いたが、どうやら気付いていないようだ。
「あっ!ごめんごめん今止めます!!!」
もう一度、そのスイッチに手をやった。そわそわと焦りを隠しきれずに。
改めて、スイッチを探すファット。
「うーんと、このボタン。ではないな。どれだろう??」
彼がずっと困っていると、いきなりガイドがコントロールパネルのスクリーンに姿を現した。
「音声認識システムです。スクリーンに向かってお話しください。」
ピコン♪
「あ、えっと......フェーズの場所教えて?」
......ピコ♪
音声認識が完了した。
すると広くて10人くらい入りそうな長さを持つコントロールパネルの一部がチカチカと点滅し始める。今思うと非常に便利な機能だ、この宇宙船に対しては......。
点灯したスイッチは探していた場所とは全く違った逆方向だった。
「よしよし、これか。たしか......スイッチの上にある、ここのランプがついていたら正常だよな......どれどれ............ん?」
―――――――――――――――――――――――
そんなこんなで一行は帰路へ向かおうとする。
まだ大きな災難が降り注ぐことを知らない三人はどこか、のんびり余裕を持った顔つきだった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる