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第25話
しおりを挟む教室に入るとみんなが俺の身体を心配して温かく出迎えてくれた。
すかさず高橋と山崎がズル休みと大名行列の話をして、クラスメイトにも協力するようにを取り付けた。
そして、昼休みになり、今日はいつもの4人で屋上を貸し切って昼食を取っている時だった。
「は~い!皆さぁん、注目!俺からみんなに重大発表がありま~す。」
ウキウキした大きな声で麗矢が皆の箸の手を止めた。
「なんだよ。麗矢、重大発表って」
「私、東條麗矢はついに大好きな人と恋人同士になりましたあ❤」
「えええええええーーーーーーーっ!」
「マジかっ!」
「マジだよン❤」
………なんだよ。なんで今頃こんな事言うんだ。
俺が休んでいた時に言えばいいのに……。
みんなの前で泣く事はないが、流石にこれはキツイ……箸を握る手から力が抜ける。
「それもこれも襟章の伝説のお陰なんだ♪山崎知ってる?」
「?なにソレ、知らない。」
「俺、知ってる。交換すると永遠に愛が続くとかなんとか…」
「さすが物知りの高橋。」
「へえー、そーなんだ。」
山崎は興味がないようですぐに弁当を食べ始める。
「それがさ~~❤俺もさ、半信半疑だったんだけど襟章交換したんだよ~❤」
知ってるよ、そんな事……。
「そんなの女子の作り話だろう。」
「そうそう」
「と・こ・ろ・が❤襟章効果絶大でさー!」
俺には関係ない事だと飯を一口に運ぶが、食べ物の味がまるでしない。そんな人の気持ちも知らずに幸せに浮かれている麗矢の自慢は続く。
「襟章は、いつ交換したんだよ。」
「文化祭の日だよん♪丁度、目の前にその人のブレザーがあったんで俺のと交換しちゃった❤」
「えっ、無断で取り替えたのかっ?」
「オイ、それ泥棒だろうがっ!」
「同じものを取り替えただけだからいいじゃない❤大丈夫大丈夫❤」
「大丈夫じゃないよ!」
「まったくお前は~~」
山崎と高橋は麗矢の行動にお怒り気味だ。
「まーまー、聞いてよ。それでさ、交換したらすぐに効果が出てね。次の日、向こうから告白されちゃった❤」
「嘘ぉー!マジで?」
交換して、すぐか…そんな良いことがあったのに…
生徒会室で……最悪な事を命令したんだな………俺は
「それでね。二人っきりの部屋で告白されて大胆に迫られちゃったんだよ~。」
「おおー!」
彼女と二人きり…なんてそんな話聞きたくない。
聞こえないように弁当に集中してご飯を掻き込む。
「長いソファに押し倒されちゃって~」
「おおおおおっ!」
……んん?…長ソファ?押し倒された?
「服を脱がされちゃって~」
「うおおおおおおおっ!」
……あれ?
なんかおかしくないか?
「上に乗っかられて、そのままHしちゃいました❤」
「ぶ――――――――――――――――――――っ!」
お、俺の事かっっっ!
思いっきり吹き出した後、ゴホゴホと咽る俺に山崎が本気で怒る。
「琉仁汚ないし、ご飯が勿体ないよっ!」
「ごめん…」
「それ、騎乗…❤マジか」
「マジマジ❤」
ニコニコの麗矢は俺に向かってVサインを出している。
「なあなあ、それでHどうだったんだよ。」
「それがさー、もー俺の恋人ったら最高っ❤幸せだよン❤俺、いーっばいしちゃったから恋人の腰が………」
「わあああああっ!やめんかっ!」
慌てて遮るが高橋の好奇心は止まらない。
「なんだよ。琉仁、いいじゃねえか。今後の参考にHの話聞きたいだろ。お前も❤」
「あんなの参考になるかっっ」
「あんなの?」
「あえっ、いや、その俺は、聞きたくない…かなー?」
高橋の追求を曖昧にごまかす。
だって自分のHの話なんか聞きたい奴はいないだろう?それにあの日は俺もどうかしていたんだ。
ついさっきまでセフレだと思っていたのに、王様の命令だって解消しようとしていたんだぞ。
それなのに麗矢の口から恋人なんて言われて、地獄から天国というか、ああもう、今はちょっと訳が分からないパニック状態だ。
「琉仁は真面目だからな~~。顔真っ赤だ~~。」
「……そうだね。リューの言う通りやめるよ。」
「えー俺は聞きたーい。」
「やっぱ好きな人との大切な事をみんなに話すの良くないよな~~❤話したいし自慢したいけど内緒にするよ❤これだけは言える俺の恋人は可愛くて色っぽくて最高なんだ❤」
「彼女の写真見せろよ。あるだろ写真。」
「やだよ。高橋に横恋慕されたら困るから、もう言わない❤まあ俺が言いたいのは襟章パワー半端ねえって事❤絶対、試す価値あるぜ!」
「ど、泥棒を友達に進めるなっ!」
俺は麗矢の頭をぱぐっと殴りつけた。
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