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衝撃的な…
しおりを挟む衝撃的なニュースが政府から発表された。
『地球に巨大隕石が衝突するため、地球消滅まであと一週間です。』
それまで平和だった世界は大パニックを起こした。
近所では食料や水などを大量に車に積み込み、どこかへ逃げようとやっきになっている。
これは夢なんだと現実逃避する者
自暴自棄になって荒れる者
自分のやりたいことをやり尽くすと言ってどこかへ旅に出る者
人の行動は様々だ。
俺は 篠崎 勤
頭は中の下の下、ギリギリ奇跡の大学合格をした自称フツメン…だ。
勉強や顔とかは駄目でも、性格だけは良いと祖母からお墨付きなのに、女子はそういうところには目を向けてくれない。
生まれてから女子にモテたことは一度もないから、彼女いない歴 = 年齢が寂しい。
あの衝撃のニュースが報道されてから、テレビ画面の左上は通常時刻表示されている場所が今では地球滅亡までのカウントダウンが24時間表示されるようになり、いつでも確認できるようになっている。
ニュースキャスターと天文観測の専門家が毎日毎日一生懸命巨大隕石の情報を流していた。
どうでもいい情報だがTVの放送があるだけで少し気が紛れる。
俺も初めの頃はみんなと一緒になってパニックになっていたが、ふと気がついたんだ。
『地球消滅』と言っているのにどこに逃げるつもりなんだろう? と
地球が消えてしまうんだから逃げ場所なんか どこにもないのに。
みんながパニックになっている中、俺はと言うと案外冷静だ。
なんでこんなに冷静かと言うと 親友の西野清貴おかげで……
じゃない!
今から遡ること2時間前に家に突入してきた西野のせいで頭の中が冷静にならざるを得なかったんだ。
西野清貴は大学で頭脳明晰、品行方正、おまけに医者の息子で、切れ長の目に黒く短くカットされた髪は清潔感と男らしさを見せつけてくれる。
テニスサークルに入っているせいか引き締まった体ではあるが、背は俺より少し低くて175センチ。
イケメンなのに彼女がいないからキャンパス内では常に女子が群がっている。
その上、性格が良いから男にも人気がある。
俺の親友なんて本当に不思議なくらいだった。
そんな男が地球消滅のニュースが流れたその日のうちに、俺のアパートに飛び込んで目の前で土下座している。
「ちょっ、西野、何してんだよ。」
「篠崎、一生のお願いだ。頼む。Hさせてくれっ!!」
…………は?
「…………はははっ、何言ってんだよ。よくもこんな時に変な冗談を言えるなっ!!」
「ずっと好きだったんだ。お前を愛してるんだ。1回だけでいいから、Hさせてくれっ!!」
「すっ?! あ、愛し…??………?!… 絶対に嫌だっ!!」
俺は衝撃的な告白にパニックになりながらも、家から西野を追い出して目の前でドアを締めた。
薄いドアの向こうで西野の声が部屋の中に入ってくる。
『篠崎、嘘や冗談じゃないよ。俺本気だから……また来る。』
ドアの前から遠ざかっていく足音に気が抜けて、俺はドアに頭を擦り付けるようにズルズルと座り込んだ。
「………西野のバカヤロー」
地球が消滅するまで、あと6日
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