【R18】水底から君に、愛をこめて花束を。

蒼琉璃

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二十話 蜉蝣②

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 悪樓は、美雨を優しい瞳で見ていた。
 淫靡な愛撫とは対象的で、柔らかな表情は、よけいに、美雨の羞恥心を煽る。
 美雨の腟内なかをしとどに潤わせるように、悪樓の中指と薬指が、花芯クリトリスの裏にある、上層壁を指の腹で撫でた。焦らすように優しく引っ掻くと、美雨はビクビクと体を震わせ、すがるように彼の手に触れる。
 これ以上そこに触れられると、理性が飛んでしまいそうだ。

「はぁっ、んんっ、あっ、ああっ……あふっ、はぁっ……あくるさ、んんっ、あっ、あんっ、はぁっ、それ、すごく……感じ……てっ」
「美雨、もう痛くはないか? 愛らしい肉芽の裏は良く感じるようだ。貴女の表情を見れば、すぐにそれが分かる。まるで水が湧くように、腟内なかが潤んでいくな」

 悪樓に耳元で熱っぽく囁かれると、それだけで美雨は、彼の指を締め付けた。悪態は決して激しく、乱暴に動かさない。優しく愛でるようにそこを指の腹で擦られると、美雨はぎゅっと瞳を閉じて喘いだ。

「んぁっ! はぁぁっ、いたくな、きもちいいっ、はぁっ、んっ、あ、あ、だめ、いっちゃう、いっちゃいますぅっ」
「嗚呼、本当に食べてしまいたくなる。何度気をやっても構わぬ。私を欲して、気がおかしくなってしまうほど、何度でも頂きまで追い詰めてやりたい」

 美雨は涙を流しながら、悪樓の胸元に顔を埋めると、両足をM字に立てたまま、絶頂に達した。
 じわりと愛液が溢れて、悪樓の笑う吐息が聞こえたかと思うと、今度は花芯を舌で舐めながら指を動かす。小さな粒の付け根から、やわらかい舌で揉むように、上下左右に舐められると、まるで男性器のようにそれが、固く勃起する。
 悪樓が舌で愛撫する裏を指で押すと、涙と涎が出るほど、美雨は快感に体を震わせた。

「あっ、ああっ、はぁっ、あっ、あくるさっ、んんっ、ひっ、あ、――――ッッ! はぁっ、あっ、あっあっあ、こんなに、気持ちよかったら、わたし……わたしっ」

 悪樓さんと一つになったら、どうなってしまうのと口にしようとした瞬間に、花芯に優しく歯を立てられて、絶頂に達する。ひくひくと蠢く美雨の腟内なかから指を抜くと、悪樓が美しい指先を、上品に舐めた。
 対照的に乱れた美雨は、シーツに愛液を垂らして必死に呼吸を整えている。

「貴女の蜜は美味。美雨、私の男根を指で撫でてくれぬか? 恥じらう嫁御寮を見るのが、堪らなくいやらしい気持ちになる……」
「え、で、でも」
「美雨……。そう恥ずかしがらずに、私に触れて欲しい」

 胸板に抱き寄せられ、美雨は耳朶を噛まれながら、恥ずかしい『お願い』をされた。美雨は戸惑い、真っ赤になったが、愛する人の願いは叶えたい。気持良くなって欲しいと思う。
 着物から取り出された、勃起したそれをじっと見るのさえ恥ずかしいけれど、自分を思ってこんな状態になった悪樓のことを考えると、純粋に嬉しかった。

(悪樓さん、大きくなってる……。こんなに綺麗な顔してるのに、やっぱり男の人なんだよね。で、でもどうしたらいいのかな。こ、擦ればいい?)

 悪樓には、存分に気持良くなってもらいたいが、残念ながら美雨には陰茎が、どうすれば気持良くなるかなんて、調べるような機会もなければ、考えたこともなかった。
 美雨は、おそるおそる陰茎に触れてみる。そこだけは熱く、生命力に満ち溢れていて、まるで別の生き物のように筋が脈打っていた。
 戸惑っていると、悪樓が美雨の手を掴み、肉棒を片手で包むように持たせる。美雨の小さな手では、とても握れない大きさだ。悪樓は熱っぽい瞳で吐息を漏らすと、彼女に口付けをする寸前に囁いた。

「美雨、そのまま貴女の指で擦ってくれ。上手くやろうと考えずとも良い。貴女が触れるだけで、私は感じる」
「は……い。んんっ……」

 綺麗な銀色の瞳で見つめられると、無意識に美雨は頷いた。大きな陰茎の表面を指で擦る。すると、悪樓は美雨にキスをして、舌先が絡まるとお互い角度を変えながら、唾液を交換し合う。
 悪樓の指が、また濡れた美雨の秘部を撫で、腟内なかに指を挿入すると、口付けの合間に、美雨の甘い呼吸が漏れた。

「あっ、ん、はぁ……はぁっ、ゃ、だめ、悪樓さ、ん」
「はぁ……っ、ほら、指が止まっている。嫁御寮、どうか私を気持ちよくしておくれ。お願いだ」
「ひっ、んっ、ああっ、いじわるっ」

 指でまた花芯の裏を擦られると、唇を離して美雨は抗議した。悪樓の陰茎を優しく擦り、二人の淫らな吐息が、ねっとりと口腔内で絡まる。
 拙い指先で擦られると、悪樓の陰茎が喜びでひくひくと蠢いた。何度か、表面と先端を往復して美雨は扱く。けれど、腟内なかを指で愛撫され、耐えきれず、頭が真っ白になって絶頂に達する。
 倒れそうになって、抱きとめられると、気付けば美雨の指は、悪樓の放った白濁した液体に塗れていた。
 いつも、彼に快感を教えられているので、こうして自分の指で達した悪樓を見ると、美雨は嬉しくなってしまう。美雨の指を手ぬぐいで綺麗にする悪樓を見ながら、彼女はおそるおそる訊ねた。

「はぁ……はぁ。あの、悪樓さん……気持ちよく、なりましたか? 痛くなかったですか」
「嗚呼、とても良かった。私の男根を擦り、恥じらう貴女を見ると、もっと苛めたくなる。美雨……貴女が愛しくて、まだおさまらぬ。もう少し私に付き合ってくれまいか」

 悪樓は、妖艶に笑うと美雨の体を再び寝かせて、精液のついた先端を、美雨の無垢な花弁に添わせた。美雨の愛液を纏わせながら、花芯クリトリスを根元から擦る。
 腟内なかに挿れるよりも、素股の方が恥ずかしく、淫靡に思えた。

「やぁぁんっ、はぁっ、ぅ、んんっ、はぁっ、あくるさ……あっ、んっ……はぁっ、ひっぁ、んぁぁ、ぁ、はぁっ、これ、えっち、すぎて、もうむりっ」
「はぁ……。こんなに女陰を濡らして、いけない娘だ。美雨、段々と睦み合うことの喜びを覚え、恐れがなくなってきたな。はぁっ………ん。喜ばしいことだ」

 愛液で濡れた陰裂を、ゆっくりと竿の表面でなぞると、美雨は唇を震わせた。ぬるぬると、愛液と竿が擦れる音が、静かな部屋に響き、悪樓の艷やかな吐息と美雨の喘ぎ声、そして悪樓の上半身に汗が滲むのが見えた。
 花弁の表面と陰茎の表面を擦り合わせて、蒸れるような熱っぽい空間の中で、お互いの快楽を蕩けながら高め合う。とても、恥ずかしくていけないことをしているようで、美雨は興奮した。

「あくる……っ、さん、欲しい、です……っ」
「ふふ……。美雨、欲しくなってきたか。もう少しの辛抱だ、もうすぐで初夜を迎えられる」
「はぁっ、んっ……あ、ああっ、んぁ、気持ちいい……あくるさっ……早く、一つになりたいですぅっ」

 悪樓は乱れた自分の着物を、腰まで脱ぐと美雨を淫靡に見つめながら、開いた陰裂の表面をなぞり、先端で花芯クリトリスを突いた。美雨が生まれ変わるまで、どれほど禁欲を強いられたことか。
 彼女の物欲しそうなおねだりは、悪樓の理性をいとも簡単に飛ばしそうになった。けれど、悪樓は先走る液体を先端から垂らし、ひたすらに表面をにゅるにゅると、擦り合わせる。

「可愛いな、貴女は。しかし、まだお預けだ。きちんと夫婦にならねば……。貴女の決意が固まらなければ、奪えないっ………はぁっ!」
「~~~~ッッ!!」

 陰茎の先端と竿が、美雨の瑞々しい花弁をぐっと滑った瞬間に、白濁した液体が放たれ、同時に美雨も達した。
 美しい無垢な花弁に、悪樓は白い残滓をかけると、ぞくぞくと嗜虐心をくすぐられ、彼は妖艶に微笑む。
 悪樓は呼吸を乱す美雨を、互いに秘部をぴったりと、重なり合わせたまま抱きしめた。美雨はぎゅうっと悪樓の背中に抱きつくと、切なく瞳を閉じる。

(悪樓さんに抱かれたい、一つになりたい。結衣ちゃんになんて渡したくない。早く、本当のお嫁さんになりたいよ。悪樓さんと生きていけるなら、もうなにも怖くないもん)

 悪樓の少し冷たい体温も香りも、離したくない。寿命が短くなっても、自分だけのものであって欲しいと願うほど、悪樓に強く惹かれていた。彼女の心の声が聞こえたのか、悪樓は美雨を熱っぽく見つめると、珍しく貪るように激しく口付けた。

「美雨。日付を跨いだ。あと一夜明ければもうすぐだ。花嫁衣装も用意させてある。ずっとこの日を指折り待ち望んでいた」
「はい……。悪樓さん。私も楽しみです」

 美雨が頷くと、二人はもう一度口付けて指を絡めた。切ない悪態の瞳を見るたびに、胸が締め付けられる。美雨は何度生まれ変わっても、同性であっても、この人を愛すると強く確信した。

✤✤✤

 ――――悪樓が屋敷に戻る、一時間ほど前のこと。
 陽翔は、友人たちと屋敷に戻ると風呂に入った。祭りでの苛立ちを静めるために、海の方へ向かう。悪樓と言い争いになってから、穂香ともなんとなく気まずくなり、他の仲間たちにも気遣われているようで、居心地が悪い。

「ほんと、マジでありえねぇな。はぁ、こんなことになるんだったら、美雨とやっとけば良かったな」

 陽翔は悪態をつきながらタバコに火をつけ、浜辺を歩いていた。自分に好意を寄せる美雨に、安心していたのかもしれない。なんせ、幼稚園の時に結婚しようといった約束の言葉を、覚えているような、純粋さだ。
 陽翔はスポーツ万能で明るく、勉強も平均より上、整った容姿で同級生はおろか、上級生からも人気の的だった。
 思春期のまっただなか、選び放題で女には困らなかったので、美雨など眼中になかった。けれど、美雨のように一緒にいて、疲れない女、わがままを言わない女、そして自分の欲求を飲んでくれる女は、そうそういない。
 地味で、目立たないようにしているが、美雨は顔もそれなりに可愛いし、胸も大きい。大人しい性格はつまらないが、悪態と絡んでいる姿を思い出して、陽翔のスイッチが入った。

「付き合いも長いし。なんだかんだあいつが一番、俺のことよく分かってんだよな。あんなエロい体してんなら、余裕で合格ラインじゃん」

 どうやって美雨を取り戻すか。
 仄暗い視線を前方に向け、陽翔は悪知恵を働かせる。タバコの灯りと月光、そして提灯の明かりを頼りに浜辺を歩く。不意に何気なく遠くを見ると、なにか波の間にキラキラと光るものが浮かんでは消えているのに気付いた。
 不審に思って、陽翔はそちらに向かい慌てて岩に隠れ、息を殺す。

「なんだありゃ……クジラ? イルカ?」

 そんなものではない。見たこともない大きな魚だ。青い夜光虫の中に泳ぐ幻想的な巨大な魚は、一瞬リュウグウノツカイのようにも見えたが、それ以上に巨大で、長く、角のような赤い背ビレが生えている。
 まるで、海竜。海を泳ぐ龍のように見えた。
 銀色と赤色の尻尾が見え、大きく波を叩く音がしたかと思うと、しばらくして静かになり、夜光虫の青い光に彩られて、海から人影が上がってきた。

「……っ!」

 陽翔は見つからないように様子を伺う。
 月明かりの下、銀色の髪を靡かせ、腕や背中に鱗が生えた悪樓が、全裸で均整の取れた体を濡らし、砂浜に上がってくるのが見える。
 そしてあっという間に人間離れした銀髪が黒く染まり、着物を身に纏く。髪も濡れた様子もなく、何事もなかったかのように普通の人間になると、月明かりの中、網元の本家に向かって歩いていった。陽翔は岩で身を隠しながら体を震わせ、怯える。

「なんだあれ……なんなんだあれ。あいつ、化け物………化け物だ」
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