余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

藤森フクロウ

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連載

異世界のお米

 テイランの異世界召喚乱発の影響で、日本文化がちらほら継承されている。異世界人を探すよりそちらから攻めたほうがいいかも知れない。
 同級生のビャクヤなんて、名前が日本語だ。カツオブシの件もそうだが人間より、獣人のほうが詳しいかもしれない。
 早速、ビャクヤに米について聞いてみた。

「うーん、稲作はやっとったけど俺の田舎もこっちと似たような米やったで?」

 ビャクヤ・ナインテイルは狐耳とふさふさの尻尾が印象的な狐獣人だ。毛先の赤い金髪を丸く結った、赤い目の美少年である。
 彼は関西系の訛りを思わせる、色々入り混じった独特の言葉を使う。
 ビャクヤの祖国はテイランだ。その国は異世界人召喚を多用していた過去があり、彼らの影響で日本を思わせるものが残っている。

「え、ビャクヤのところもパラパラ系なの? お稲荷さんに入れづらくない?」

「だからきっちり包むか、モチ米巾着にするかやな」

「モチ米はあるのかよ」

「あるで」

 それはそれで食べたいが、肝心の種籾が持っていないそうだ。
 勉学のための移住という建前で、ティンパインに来たビャクヤ。稲作をするつもりは当然ないので、持っていなくても仕方がない。

「米については親父に聞いてみるわ」

 ビャクヤの実家であるナインテイルならあるかもしれない。テイランからティンパインに移住しており、現在はタニキ村に住んでいる。そちらに手紙を送ることになった。

「タニキ村にいったんだ」

「ビャクレンっちゅーおっさんや。手紙だと、ガキンチョどもに尻尾を掴まれ追い回されとるらしい」

「あー」

 何とも言えない声になるシンである。ビャクヤも散々やられていたので、やりそうだ。
 タニキ村は小さな集落なので、子供も限られている。シンが思い浮かべたのは、隣家のカロルとシベル。領主のところのジャックあたりだ。
 揃いも揃って元気で物おじしない性格だし、ビャクヤへの態度からして獣人への恐怖心はなさそうだ。

「一番ええ尻尾やからって追い回されとるから、まんざらでもないんやない?」

 他人事のビャクヤである。自分がターゲットにされないなら、いいらしい。



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