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連載
ホウ・レン・ソウ
「さて……と、これはすぐに当主に相談したほうがいい。父に会いにいかないとね。場合によっては、しばらく部活を休むことになる。なるべく早く復帰するから!」
言い終わるのが早いか、ジーニーは走り出してしまった。善は急げという考え方なのだろう。
適当に濁されるより全然いいけれどトントン拍子に話が進み、残されたシンはぽかんとしてしまう。
(これは……思ったより早く解決するかも?)
事件が起きてからの解決が超スピードすぎて、シンが状況についていけない。まだ完全には解決には至っていないが、突破口は間違いなく開けたはずだ。
頬を掻いて、微妙に肩透かしした気持ちを落ち着ける。
「あの、シン君。エリシアに何かあったんですか?」
「んー、エリシア自身じゃなくてそのお兄さんがトラブルに巻き込まれちゃったみたい」
声高に言うことではないので、声量を落として経緯を説明する。
レニは同年代ということもあり、ジーニーの叔父(勘当寸前)の蛮行に心底軽蔑の眼差しをしていた。
「それにしてもシン君……エリシアとお米を引き取りに行くだけで、なんでそんなトラブルに巻き込まれているんですか」
予想外のトラブルにレニが頭を抱えている。自覚があったシンも反論できない。
ごもっともである。信用できる相手で、シンが熱望している品を貰いに行くだけだから、レニも同行しなかった。同行者も信用していたし、行く場所も安全だと思っていたのである。
(隠密行動の得意な護衛は、別でつけさせてもらいましたが)
レニは護衛として、そこだけは譲れない。
学園外でノーガードだけはダメだ。護衛ゼロ、ダメ絶対の精神である。シンの様子だと護衛が出て行く事態ではなかったのだろう。
「あー……でも、ミリア様たちに相談しちゃった」
行動の順番を間違えたかもしれない。シンが頭を抱えているけれど、レニとしてはそちらに連絡がいっているなら安心である。
こちらより何枚も上手で、先を読んで行動してくれるはずだ。
「ミリア様に黙って動いていたほうが、後で大変ですよ。拗ねられちゃいます」
「そう? 迷惑はかけたくないけれど、手に余る気がしたからさ」
シンは申し訳なさそうだが、ミリアは大のお気に入りであるシンが頼ってこないほうが気にするだろう。レニの目から見ても、ミリアはシンを溺愛している。
ドーベルマン夫妻は、気遣いができる賢い子供が好きなのだ。原因は多分、実子が脳筋ノンデリだから。そこで普段メンタルがゴリゴリ削られる分、シンの心配りがクリティカルヒットしている。
「あ、そうだ。ミリア様に新しい化粧水を渡しに行かなきゃな。寒くなれば、乾燥対策や冷え性対策……クリームや入浴剤とかもこれから必須だろうし」
そういうところだ。ミリアがシンを気に入るのは。レニはアルカイックスマイルを浮かべながら、シンがいつ気づくのか見守るのであった。
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