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「ユウヒ」
「あ、ダッドさん。どうかしましたか?」
騎士様達のストレス発散酒盛りが終了し、食堂の後片付けをしているとダッドさんから声をかけられた。
「少し聞きたいことがあってな。あとどれくらいかかりそうだ?」
「もうすぐ終わりますよ!」
ハロルが先輩に引きずられて行く直前まであらかたまとめてくれていたお陰で、そんなに時間はかからなさそうだった。
「ちょっとだけ待ってもらってもいいですか?」
「ああ。終わったら声をかけてくれ」
「分かりました!」
ダッドさんは頷くと受付の裏に戻っていった。
聞きたいことってなんだろう?
俺は首を傾げながら、急いで後片付けと掃除を終えてダッドさんの元に向かった。
「お待たせしました!」
「ああ。本当に早かったな」
「フィルトさんの所に返す酒瓶をまとめるだけでしたから。それで、訊きたいことってなんですか?」
「お前のスキルだが、あれはどこまで使えるんだ?」
「真贋スキルのことですか?」
俺が持つ真贋スキルは、名前の通りに物の真贋を見極めることができる。
「どういう見え方をしているのかって聞いた方がいいか」
「見え方……えっと、説明が難しいんですけど、俺が真贋スキルを使う時はまず命じなきゃいけないんです」
「命じる? 誰に」
「誰、というか、スキルに対して……? ここの説明が口では難しいんですよね……。心の中で、これは何々か否か見極めよと言ってスキルを発動させれば、真実か否かを情報と一緒に教えてくれます。物の名称や作られた時期、作られた場所。時には詳しい情報も」
「鑑定スキルとは違うんだよな?」
「鑑定スキルは真贋を問う必要はないんです。ただスキルを使って見るだけで、あらゆる情報を見ることができます。真贋スキルは、基本的にそれが本物か偽物かを簡単に分かるだけです。でも、もっと使って経験を積めば、さらに見えるものも増えるかもしれないですね」
スキルは使えば使うほど練度が上がってその効果も上がる。レベルアップするってことだ。
けれど俺の真贋スキルはそこまでレベルが高くない。
なにせ本当に持て余しているくらい、俺にとっては使い所があまりないスキルなのだ。使うとすれば、フィルトさんに頼まれた時か、時々来る露店の客引きの口上に引っかからないようにする時くらいしかない。
だからフィルトさんにはよく、宝の持ち腐れって言われてしまう。
「真贋スキルのことを聞きたかったってことなら、見て欲しい物があるんですか?」
「あー……フィルトがな、ちょっと気になる物があるって言ってるんだ」
「また骨董品ですか?」
「いや、違う。持ち込んできた奴は森で拾ったって言っていたらしい。見た目が古臭いから骨董品だと思って持ってきたらしいが、フィルトが見たところ材質は最近なんだと。でも何か分からないからお前の真贋スキルで情報を見られないかと思ってな」
この街には鑑定なんて貴重なスキル持ちはいないからな、とダッドさんは肩を竦めた。
「なるほど。事情は分かりました。その謎の物体の憶測はついていないんですか? せめてその憶測が合っているか合っていないかってやらないとスキルを使えないんですけれど……」
「憶測か……」
これが真贋スキルの面倒なところだ。認識が合っているか合っていないかを確かめることがこのスキルの本質であるため、それが何か全く分からなくても憶測を立てなければならない。
しかも、その憶測は適当ではいけないという制約がある。例えば、見るからに剣だと分かる物をあれはスコップかと聞いてもスキルは発動しない。
スキルの使用者本人が本当にそういう物じゃないかと思っていないといけないのだ。
つまり、真贋スキルは使用者の思考ありきで使えるということ。鑑定スキルのように万能ではないという理由はここにもある。
ただ、真贋スキルは鑑定スキルと同じ系統のスキルに分類されていて、使い方によっては鑑定スキルに遜色ない力を発揮する、と言われている。
だからこんな風にこのスキルを頼られるなら、もうちょっと頑張ってスキルのレベル上げようかなぁ……
※あけましておめでとうございます!!
2025年はお世話になりました!
2026年も頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします……!
「あ、ダッドさん。どうかしましたか?」
騎士様達のストレス発散酒盛りが終了し、食堂の後片付けをしているとダッドさんから声をかけられた。
「少し聞きたいことがあってな。あとどれくらいかかりそうだ?」
「もうすぐ終わりますよ!」
ハロルが先輩に引きずられて行く直前まであらかたまとめてくれていたお陰で、そんなに時間はかからなさそうだった。
「ちょっとだけ待ってもらってもいいですか?」
「ああ。終わったら声をかけてくれ」
「分かりました!」
ダッドさんは頷くと受付の裏に戻っていった。
聞きたいことってなんだろう?
俺は首を傾げながら、急いで後片付けと掃除を終えてダッドさんの元に向かった。
「お待たせしました!」
「ああ。本当に早かったな」
「フィルトさんの所に返す酒瓶をまとめるだけでしたから。それで、訊きたいことってなんですか?」
「お前のスキルだが、あれはどこまで使えるんだ?」
「真贋スキルのことですか?」
俺が持つ真贋スキルは、名前の通りに物の真贋を見極めることができる。
「どういう見え方をしているのかって聞いた方がいいか」
「見え方……えっと、説明が難しいんですけど、俺が真贋スキルを使う時はまず命じなきゃいけないんです」
「命じる? 誰に」
「誰、というか、スキルに対して……? ここの説明が口では難しいんですよね……。心の中で、これは何々か否か見極めよと言ってスキルを発動させれば、真実か否かを情報と一緒に教えてくれます。物の名称や作られた時期、作られた場所。時には詳しい情報も」
「鑑定スキルとは違うんだよな?」
「鑑定スキルは真贋を問う必要はないんです。ただスキルを使って見るだけで、あらゆる情報を見ることができます。真贋スキルは、基本的にそれが本物か偽物かを簡単に分かるだけです。でも、もっと使って経験を積めば、さらに見えるものも増えるかもしれないですね」
スキルは使えば使うほど練度が上がってその効果も上がる。レベルアップするってことだ。
けれど俺の真贋スキルはそこまでレベルが高くない。
なにせ本当に持て余しているくらい、俺にとっては使い所があまりないスキルなのだ。使うとすれば、フィルトさんに頼まれた時か、時々来る露店の客引きの口上に引っかからないようにする時くらいしかない。
だからフィルトさんにはよく、宝の持ち腐れって言われてしまう。
「真贋スキルのことを聞きたかったってことなら、見て欲しい物があるんですか?」
「あー……フィルトがな、ちょっと気になる物があるって言ってるんだ」
「また骨董品ですか?」
「いや、違う。持ち込んできた奴は森で拾ったって言っていたらしい。見た目が古臭いから骨董品だと思って持ってきたらしいが、フィルトが見たところ材質は最近なんだと。でも何か分からないからお前の真贋スキルで情報を見られないかと思ってな」
この街には鑑定なんて貴重なスキル持ちはいないからな、とダッドさんは肩を竦めた。
「なるほど。事情は分かりました。その謎の物体の憶測はついていないんですか? せめてその憶測が合っているか合っていないかってやらないとスキルを使えないんですけれど……」
「憶測か……」
これが真贋スキルの面倒なところだ。認識が合っているか合っていないかを確かめることがこのスキルの本質であるため、それが何か全く分からなくても憶測を立てなければならない。
しかも、その憶測は適当ではいけないという制約がある。例えば、見るからに剣だと分かる物をあれはスコップかと聞いてもスキルは発動しない。
スキルの使用者本人が本当にそういう物じゃないかと思っていないといけないのだ。
つまり、真贋スキルは使用者の思考ありきで使えるということ。鑑定スキルのように万能ではないという理由はここにもある。
ただ、真贋スキルは鑑定スキルと同じ系統のスキルに分類されていて、使い方によっては鑑定スキルに遜色ない力を発揮する、と言われている。
だからこんな風にこのスキルを頼られるなら、もうちょっと頑張ってスキルのレベル上げようかなぁ……
※あけましておめでとうございます!!
2025年はお世話になりました!
2026年も頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします……!
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