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第58話 どうにかしてココから外へ(ホロ視点)
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俺は、デンとの対決は、プディのおかげで、何とか勝利? する事ができた。
お次はどうにかして、この家から外に出らなくてはならない。
俺は今まで呑気に家猫をしていたが、本当はすぐにでも雪の元に行きたい。
だからのんびりとしている、この日常の中でも、どうにかして、家を抜け出せないかと常々思っていた。
だから、どうやって抜け出すか、次にどう行動すべきか分かってはいた。
今まで何故、それを実行に移さなかったかって?
まあ、一緒に生活していればある程度、情もわく。
幸太郎、デン、プディ。
もう、皆、家族みたいなもんだ。
まあ、だけど、雪と天秤にかけられると、やっぱり俺は雪を取ってしまうんだろうけど......。
今回の事の様な、ミーの事も、どうにかできないか? 力になれないか? なんて思う自分は甘ちゃんだなと思ったりもする。
雪の元にも、すぐに向かう事が出来ない、そんな俺に何が出来ると言うんだ。
人間の時の自分ならばまだ何かできる事もあったかもしれないとも思うが、手、ではなく、こんな小さな前足になってしまった今では、一体、何が出来る? とも思う。
雪が今でも俺の事を思い出してくれているのか?
とか。
俺は一体、どうやって死んだんだ?
とか。
もしかして、もしかして、あの、辰也としての俺の日常は、全部、全部、夢だったんじゃないか?
とか。
猫としての、生活は一日が長すぎて色々と考える事も多い。
雪に逢いたい。
あの頃にどうにかして戻れないか?
そう、クヨクヨ悩む、そんな日もある。
だけど、俺はあの夢の中で、皆が、色々、それぞれが思い悩みながらだけど、俺の言葉と、自分自身の力で笑顔になっていくのを見て、間近で感じて、もっと、もっと、苦しんでいる人達を笑顔にしたい。
そう思った。
偽善と思われるかもしれない。
だけど、少しでも成長して、そしてまた雪の側に行きたい。
そう思ったんだ。
出窓の網戸から抜けだすのは結構簡単だった。
と言ってもこの手、いや前足だ。
時間もかかったし、ちょびっと網戸も破ってしまった。
いや、ちょびっとと言うのは嘘かもしれない。
幸太郎、ゴメン。
まあ、だけど、これも日頃からお利口にしていた成果だ。
後、デンが眠ってくれている事が大きい。
いつもならちょっとでも危なそうと思ったらデンから阻止されてしまう。
眠っている今ならそれが容易に行う事が出来た。
だけど、俺は弱虫だし怖がりだ。
一歩踏み出す事もやはり躊躇はした。
猫と言っても人間の記憶が鮮明にある俺だから......。
高い。
高すぎて、怖すぎる。
頭の中に、おばあさんと遊び、ミーとはしゃいだあの夢の光景が浮かんだ。
ミーとおばあさんとお嫁さんの悲痛な表情、心の叫びも浮かんだ。
俺は必死だった。
そして、どうにかアパートの裏通りの道路に足をつけた所で、人の気配がした。
振り返ると、そこには......。
雪がいた。
お次はどうにかして、この家から外に出らなくてはならない。
俺は今まで呑気に家猫をしていたが、本当はすぐにでも雪の元に行きたい。
だからのんびりとしている、この日常の中でも、どうにかして、家を抜け出せないかと常々思っていた。
だから、どうやって抜け出すか、次にどう行動すべきか分かってはいた。
今まで何故、それを実行に移さなかったかって?
まあ、一緒に生活していればある程度、情もわく。
幸太郎、デン、プディ。
もう、皆、家族みたいなもんだ。
まあ、だけど、雪と天秤にかけられると、やっぱり俺は雪を取ってしまうんだろうけど......。
今回の事の様な、ミーの事も、どうにかできないか? 力になれないか? なんて思う自分は甘ちゃんだなと思ったりもする。
雪の元にも、すぐに向かう事が出来ない、そんな俺に何が出来ると言うんだ。
人間の時の自分ならばまだ何かできる事もあったかもしれないとも思うが、手、ではなく、こんな小さな前足になってしまった今では、一体、何が出来る? とも思う。
雪が今でも俺の事を思い出してくれているのか?
とか。
俺は一体、どうやって死んだんだ?
とか。
もしかして、もしかして、あの、辰也としての俺の日常は、全部、全部、夢だったんじゃないか?
とか。
猫としての、生活は一日が長すぎて色々と考える事も多い。
雪に逢いたい。
あの頃にどうにかして戻れないか?
そう、クヨクヨ悩む、そんな日もある。
だけど、俺はあの夢の中で、皆が、色々、それぞれが思い悩みながらだけど、俺の言葉と、自分自身の力で笑顔になっていくのを見て、間近で感じて、もっと、もっと、苦しんでいる人達を笑顔にしたい。
そう思った。
偽善と思われるかもしれない。
だけど、少しでも成長して、そしてまた雪の側に行きたい。
そう思ったんだ。
出窓の網戸から抜けだすのは結構簡単だった。
と言ってもこの手、いや前足だ。
時間もかかったし、ちょびっと網戸も破ってしまった。
いや、ちょびっとと言うのは嘘かもしれない。
幸太郎、ゴメン。
まあ、だけど、これも日頃からお利口にしていた成果だ。
後、デンが眠ってくれている事が大きい。
いつもならちょっとでも危なそうと思ったらデンから阻止されてしまう。
眠っている今ならそれが容易に行う事が出来た。
だけど、俺は弱虫だし怖がりだ。
一歩踏み出す事もやはり躊躇はした。
猫と言っても人間の記憶が鮮明にある俺だから......。
高い。
高すぎて、怖すぎる。
頭の中に、おばあさんと遊び、ミーとはしゃいだあの夢の光景が浮かんだ。
ミーとおばあさんとお嫁さんの悲痛な表情、心の叫びも浮かんだ。
俺は必死だった。
そして、どうにかアパートの裏通りの道路に足をつけた所で、人の気配がした。
振り返ると、そこには......。
雪がいた。
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