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2章
43話 月を背に語る決意
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ハルトは苦しさを感じて目を覚ました。
ルナとヒナタがハルトの上に抱き着いて寝ていたからだ。
「こいつら……」
変な時間に目が覚めてしまい、すぐには寝れなそうなのでトイレついでに少し城を歩いていた。
夜の城内はとても幻想的で月の明かりに照らされた窓枠の影が廊下に綺麗な模様を映し出していた。
少し歩くとバルコニーにたどり着いた。
そこから見える月は何とも言えない優しい雰囲気をしていた。
「とても綺麗でしょう」
急に後ろから声が聞こえてきたのでハルトは驚いた。
「ここから月を眺める時間が、私の一番好きな一時なのです」
そういいつつ姿を現したのはサタナキアだった。
「ええ、とても綺麗ですね。心が洗われるようです」
サタナキアはハルトの隣に立ち一緒に二人で月を見上げながら話をした。
「ふふ。気に入って頂けたようでなによりです。……ハルトさん」
「はい」
「あなたはこの世界のことをどう思っていますか?」
「うーん。初めは魔物や魔獣の存在に驚きましたし、戦いが日常の世界に少々驚きました。でも今は、マナリスのことを省いて考えるなら、とても綺麗で平和な世界だな、と思います」
「そうですか。仮に……仮にですよ。人と魔族が全面的に争うことになり、どちらかを必ず守らなければならない状況になったとしたら、ハルトさんはどちらを守ると考えますか」
「そうですね。昼間にも話したように俺はどちらの味方でもありません。もし必ずどちらかを守らなければならない状況が来ると分かっていたなら、そうなる前に戦いを止めたいですね」
「それでも止められないとしたら……?」
「……リーザスの街の人も、サタナキアさん達も、もう俺にとっては大切な人達です。とてもどちらか片方なんて選べませんよ」
そしてハルト振り返り、サタナキアの目を見て信念を込めて言い切った。
「必ずどんな手を使ってでも止めて見せます」
月を背にし、そう言い切ったハルトの姿はとても綺麗でサタナキアには輝いて見えた。
サタナキアはそんなハルトを見つめたまま固まっていた。
「サタナキアさん?」
「す、すみません。急に変な質問をしてしまって」
「いえ、もし実際にそんな状況に直面したら困惑したと思います。そういう可能性があることを事前に示してくれたのでぶれない心構えが出来ました。ありがとうサタナキアさん」
覚悟を決めた表情から笑顔に変わり自身に礼を言うハルトを見てサタナキアは顔を真っ赤にして慌ててハルトから目をそらした。
(ど、どうしたんでしょう!私……!何故か体が火照って……!ハルトさんの顔をまともに見れません……!こんなこと300年生きてきましたけど一度も……!)
「サタナキア……さん?大丈夫ですか?」
「だ!大丈夫です!そろそろ寝なくてはアモン達に怒られてしまいます。それではハルトさんまた明日」
「はぁ。おやすみなさい」
サタナキアは速足でその場を去って行った。
「俺もそろそろ戻らないと俺がいないことに二人が気が付いたらまずいな……」
ハルトも部屋に戻り二人を起こさないようにそーっとベッドに入り朝までゆっくりと眠った。
ルナとヒナタがハルトの上に抱き着いて寝ていたからだ。
「こいつら……」
変な時間に目が覚めてしまい、すぐには寝れなそうなのでトイレついでに少し城を歩いていた。
夜の城内はとても幻想的で月の明かりに照らされた窓枠の影が廊下に綺麗な模様を映し出していた。
少し歩くとバルコニーにたどり着いた。
そこから見える月は何とも言えない優しい雰囲気をしていた。
「とても綺麗でしょう」
急に後ろから声が聞こえてきたのでハルトは驚いた。
「ここから月を眺める時間が、私の一番好きな一時なのです」
そういいつつ姿を現したのはサタナキアだった。
「ええ、とても綺麗ですね。心が洗われるようです」
サタナキアはハルトの隣に立ち一緒に二人で月を見上げながら話をした。
「ふふ。気に入って頂けたようでなによりです。……ハルトさん」
「はい」
「あなたはこの世界のことをどう思っていますか?」
「うーん。初めは魔物や魔獣の存在に驚きましたし、戦いが日常の世界に少々驚きました。でも今は、マナリスのことを省いて考えるなら、とても綺麗で平和な世界だな、と思います」
「そうですか。仮に……仮にですよ。人と魔族が全面的に争うことになり、どちらかを必ず守らなければならない状況になったとしたら、ハルトさんはどちらを守ると考えますか」
「そうですね。昼間にも話したように俺はどちらの味方でもありません。もし必ずどちらかを守らなければならない状況が来ると分かっていたなら、そうなる前に戦いを止めたいですね」
「それでも止められないとしたら……?」
「……リーザスの街の人も、サタナキアさん達も、もう俺にとっては大切な人達です。とてもどちらか片方なんて選べませんよ」
そしてハルト振り返り、サタナキアの目を見て信念を込めて言い切った。
「必ずどんな手を使ってでも止めて見せます」
月を背にし、そう言い切ったハルトの姿はとても綺麗でサタナキアには輝いて見えた。
サタナキアはそんなハルトを見つめたまま固まっていた。
「サタナキアさん?」
「す、すみません。急に変な質問をしてしまって」
「いえ、もし実際にそんな状況に直面したら困惑したと思います。そういう可能性があることを事前に示してくれたのでぶれない心構えが出来ました。ありがとうサタナキアさん」
覚悟を決めた表情から笑顔に変わり自身に礼を言うハルトを見てサタナキアは顔を真っ赤にして慌ててハルトから目をそらした。
(ど、どうしたんでしょう!私……!何故か体が火照って……!ハルトさんの顔をまともに見れません……!こんなこと300年生きてきましたけど一度も……!)
「サタナキア……さん?大丈夫ですか?」
「だ!大丈夫です!そろそろ寝なくてはアモン達に怒られてしまいます。それではハルトさんまた明日」
「はぁ。おやすみなさい」
サタナキアは速足でその場を去って行った。
「俺もそろそろ戻らないと俺がいないことに二人が気が付いたらまずいな……」
ハルトも部屋に戻り二人を起こさないようにそーっとベッドに入り朝までゆっくりと眠った。
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