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第一章「わが家にアヤメちゃんがやってきた!」
第三話「顔と名前を覚えてもらいましょう」
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櫻子が舌のボタンを押すと、人形の電源が入った。
ブウゥゥ~ン……
小さな起動音が、その体内から発生する。
閉じていた人形の目蓋が「パッ」と上がって、大きな茶色の瞳が現れた。
「お人形さんが目を覚ましたわ!」
「はい、お嬢様。電源が入ると、目蓋が開きます」
人形は「パチッパチッ」と、瞬きをしている。
「人形の目は、照明の役割も果たします。例えばですが…、ちょっと失礼致します」
中年男性が両扉の横に取り付けられた照明スイッチまで歩いて行き、天井のシャンデリアや壁掛けの飾り電灯などの明かりを全て消した。
窓のカーテンが閉まっているので居間の中は暗くなり、暖炉の揺らいだ炎だけが灯っている。
人形は一旦、目蓋を閉じる。
一拍ほど置いて目蓋を上げると、人形の両目から瞳が消えて照明に切り替わり、オレンジ色の淡い光を放ち始めた。
「お母様、お人形さんの目が…」
櫻子が濱子に抱きつき、濱子も櫻子の手を握る。
「こうして夜間に常夜灯として、お使いになれますし…」
人形の両目から放つ光は、オレンジ色から白色に変化して徐々に強くなってゆく。
「きゃっ、眩しい!」
櫻子と濱子は自分達の目を守るように、二点の白く眩い光から顔を背け、手で遮る。
「このように、懐中電灯の代わりにもなります」
中年男性が居間の照明スイッチを点ける。居間が明るくなると、人形は目蓋を閉じた。
再び目蓋を開けると、両目は元の茶色の瞳に切り替わっていた。
「部屋が明るくなれば、また普通の目に戻ります。両目から出す光の明るさは、主人の命令に従って調節します。例え、急な停電になったとしても、主人に寄り添って足元を照らし続け、安全に移動できるようお手伝いします」
説明をしながら、中年男性は照明スイッチから離れて、人形のそばに戻った。
「…はぁ」
櫻子と濱子は、軽く溜め息を吐く。
「ちょっぴり…吃驚しましたけれど、いざという時に便利ですし心強いですわねぇ」
「あ、お母様!見て!」
櫻子が人形を指差す。
濱子も人形を見ると、辺りを見渡すかのように首を上下左右に動かしている。
暫く首を動かした後、櫻子と濱子に瞳を向けて止まった。
櫻子と濱子は人形と目が合い、息を呑む。
「初メマシテ」
人形が口を開く。
「喋ったわ!」
「まあ!何てこと!?」
櫻子と濱子が仰天する。
「只今、充電中デス。着座デノ御挨拶、ドウカ、御許シ下サイマセ」
ゆっくりと丁寧に、人形が言葉を発してゆく。
「女中〈童顔〉型・壱号」
中年男性が人形に呼び掛ける。
「ハイ。製造責任者ノ、小林様」
自分の型番号で呼ばれた人形は、小林の方へ顔を向ける。
「此処ハ、何処デショウ?」
「ここは今日から、お前がお仕えする滉月様のお宅だ。こちらが奥様。そして、お嬢様。お前の『ご主人様』となられる方々だ」
「奥様。御嬢様」
再び人形の顔が櫻子と濱子の方を向いて、言葉を復唱する。
「では、奥様」
「え?はい」
「奥様のお名前を教えて頂けますか?」
中年男性が濱子に質問し、若い男性の方は背広のポケットから、メモ帳とボールペンを取り出している。
「私?私は、『濱子』と申します」
「漢字は、どのように書きますか?」
「『さんずい』に『うかんむり』、右下に『貝』という字を書いた『濱』に、『子供』の『子』と書きますの」
濱子が空中に右手の人差し指で、「濱」の文字を書いて見せる。
「なるほど。よし、壱号。奥様のお名前は『滉月 濱子』様だ」
中年男性が人形に名前を伝える。
若い男性がメモ帳を開き、ボールペンで『滉月 濱子』と書いて、人形の顔の前に掲げて見せる。
「滉月、濱子、様」
人形がメモ帳を見つめ、濱子の名前を復唱する。
「お嬢様のお名前もよろしいですか?」
「はい!私の名前は、『滉月 櫻子』です!」
櫻子が右手を真っ直ぐ上げて、張り切って答える。
「左が『木へん』でしょ?右は『貝』が二つある方の『櫻』に、『子供』の『子』よ」
櫻子も濱子の真似をして、空中に『櫻』の文字を大きく書いてゆく。
「お母様にも私にも、名前に『貝』という字が入っているのよ。お人形さん、解るかしら?」
「ああ、左様でございますねえ。人形は平仮名と片仮名、そして粗方の漢字も理解出来ますので、きちんと紙などに書いて教えれば問題ございません。壱号、聞いたかい?お嬢様のお名前は『滉月 櫻子』様だ」
若い男性が、今度は『滉月 櫻子』と書いた紙を人形に見せる。
「滉月、櫻子、様」
「そうだ。奥様とお嬢様のお顔とお名前を、しっかりと覚えるように」
「承知シマシタ。只今カラ、記録ヲ開始シマス」
人形はニ、三度瞬きをした後、メモ帳から櫻子と濱子に視線を移し、目蓋を大きく開けて「ジッ」と見つめる。
「あっ、お人形さんの目が大きくなったわ!」
「はい、お嬢様。人形が只今、奥様とお嬢様のお顔を記録中です。恐れ入りますが暫くそのままで、動かずにお願い致します」
櫻子と濱子は言われた通り、その場で動きを止めた。
カシャカシャカシャカシャカシャ……
小さな機械音が、人形の体内から聞こえてくる。
その状態が、一分ほど続いた。
機械音が消えると、人形は見開いていた目蓋を下ろした。
「奥様、お嬢様。どうぞお楽になさって下さい」
櫻子と濱子は体の力を抜いた。
人形は暫し、目を閉じたまま。
「記録、完了シマシタ」
次に目蓋を上げると、人形の目は通常の大きさに戻っていた。
「滉月、濱子、様。櫻子、様。此ノ度ハ、私、『女中〈童顔〉型・壱号』、ヲ、御購入頂キマシテ、誠ニ、有難ウ御座イマス」
人形は口を「パクパク」と動かしながら、言葉を発し続ける。
「誕生シタバカリノ、不束ナ、『カラクリ人形』、デハ御座イマスガ、ドウゾ宜シク、御願イ致シマス」
人形が言葉を終えると座ったまま、櫻子と濱子に対して一礼した。
「あらま、礼儀正しいお人形さんだこと」
「うふっ、どういたしまして。こちらこそ、どうぞよろしくね」
櫻子は、「ニッコリ」と人形に笑いかけた。
その時、外から車が敷地内に入ってくる音が聞こえてきた。
「あっ、お父様だわ!」
そう言うと、櫻子は居間を飛び出した。
「主人が帰って来ましたわ。少々、お待ちになって」
「はい、奥様」
男性二人が同時に返事をした後、濱子は静静と歩いて、居間を出て行った。
櫻子が小走りで玄関に向かう。
先に櫻子が玄関に到着し、姿勢良く立つ。後から来た濱子が櫻子の隣に並ぶと、「ガラガラ」と玄関の引き戸が開いた。
入ってきたのは山高帽を被った、スマートな紳士だった。
鼻の下には「逆『へ』の字型」に整えられた「カイゼル髭」を生やし、オーダーメイドで仕立てた厚手の高級コートを纏っている。
そばには紳士の鞄を抱えて、雪で濡れた傘を閉じている半纏に脚絆姿の年配男性が立っていた。
「お帰りなさい、お父様!」
櫻子が父親に抱きついた。
「ハッハッハッ。ただいま、櫻子!」
父親は満面の笑顔で、櫻子を抱き締める。
櫻子から体を離すと、今度は濱子の方に両手を伸ばして抱き締めた。
「あなた、お帰りなさい」
濱子が微笑み、夫に靴ベラを渡す。
紳士の名は「数仁」。濱子の夫であり、櫻子の父親である。
「ただいま、濱子。やあ、今日はまた一段と美しいじゃないか!」
「まあ、あなたったら」
「うんうん、顔色も良いようだ」
「お父様!今ね、研究所のおじさま方にお人形さんのことを色々と教えてもらっていたの!」
「おお、とうとう届いたか!」
数仁は靴を脱ぎ、玄関に上がる。
スリッパを履くと早速、櫻子と濱子の肩を抱いて居間へと向かった。
(続)
ブウゥゥ~ン……
小さな起動音が、その体内から発生する。
閉じていた人形の目蓋が「パッ」と上がって、大きな茶色の瞳が現れた。
「お人形さんが目を覚ましたわ!」
「はい、お嬢様。電源が入ると、目蓋が開きます」
人形は「パチッパチッ」と、瞬きをしている。
「人形の目は、照明の役割も果たします。例えばですが…、ちょっと失礼致します」
中年男性が両扉の横に取り付けられた照明スイッチまで歩いて行き、天井のシャンデリアや壁掛けの飾り電灯などの明かりを全て消した。
窓のカーテンが閉まっているので居間の中は暗くなり、暖炉の揺らいだ炎だけが灯っている。
人形は一旦、目蓋を閉じる。
一拍ほど置いて目蓋を上げると、人形の両目から瞳が消えて照明に切り替わり、オレンジ色の淡い光を放ち始めた。
「お母様、お人形さんの目が…」
櫻子が濱子に抱きつき、濱子も櫻子の手を握る。
「こうして夜間に常夜灯として、お使いになれますし…」
人形の両目から放つ光は、オレンジ色から白色に変化して徐々に強くなってゆく。
「きゃっ、眩しい!」
櫻子と濱子は自分達の目を守るように、二点の白く眩い光から顔を背け、手で遮る。
「このように、懐中電灯の代わりにもなります」
中年男性が居間の照明スイッチを点ける。居間が明るくなると、人形は目蓋を閉じた。
再び目蓋を開けると、両目は元の茶色の瞳に切り替わっていた。
「部屋が明るくなれば、また普通の目に戻ります。両目から出す光の明るさは、主人の命令に従って調節します。例え、急な停電になったとしても、主人に寄り添って足元を照らし続け、安全に移動できるようお手伝いします」
説明をしながら、中年男性は照明スイッチから離れて、人形のそばに戻った。
「…はぁ」
櫻子と濱子は、軽く溜め息を吐く。
「ちょっぴり…吃驚しましたけれど、いざという時に便利ですし心強いですわねぇ」
「あ、お母様!見て!」
櫻子が人形を指差す。
濱子も人形を見ると、辺りを見渡すかのように首を上下左右に動かしている。
暫く首を動かした後、櫻子と濱子に瞳を向けて止まった。
櫻子と濱子は人形と目が合い、息を呑む。
「初メマシテ」
人形が口を開く。
「喋ったわ!」
「まあ!何てこと!?」
櫻子と濱子が仰天する。
「只今、充電中デス。着座デノ御挨拶、ドウカ、御許シ下サイマセ」
ゆっくりと丁寧に、人形が言葉を発してゆく。
「女中〈童顔〉型・壱号」
中年男性が人形に呼び掛ける。
「ハイ。製造責任者ノ、小林様」
自分の型番号で呼ばれた人形は、小林の方へ顔を向ける。
「此処ハ、何処デショウ?」
「ここは今日から、お前がお仕えする滉月様のお宅だ。こちらが奥様。そして、お嬢様。お前の『ご主人様』となられる方々だ」
「奥様。御嬢様」
再び人形の顔が櫻子と濱子の方を向いて、言葉を復唱する。
「では、奥様」
「え?はい」
「奥様のお名前を教えて頂けますか?」
中年男性が濱子に質問し、若い男性の方は背広のポケットから、メモ帳とボールペンを取り出している。
「私?私は、『濱子』と申します」
「漢字は、どのように書きますか?」
「『さんずい』に『うかんむり』、右下に『貝』という字を書いた『濱』に、『子供』の『子』と書きますの」
濱子が空中に右手の人差し指で、「濱」の文字を書いて見せる。
「なるほど。よし、壱号。奥様のお名前は『滉月 濱子』様だ」
中年男性が人形に名前を伝える。
若い男性がメモ帳を開き、ボールペンで『滉月 濱子』と書いて、人形の顔の前に掲げて見せる。
「滉月、濱子、様」
人形がメモ帳を見つめ、濱子の名前を復唱する。
「お嬢様のお名前もよろしいですか?」
「はい!私の名前は、『滉月 櫻子』です!」
櫻子が右手を真っ直ぐ上げて、張り切って答える。
「左が『木へん』でしょ?右は『貝』が二つある方の『櫻』に、『子供』の『子』よ」
櫻子も濱子の真似をして、空中に『櫻』の文字を大きく書いてゆく。
「お母様にも私にも、名前に『貝』という字が入っているのよ。お人形さん、解るかしら?」
「ああ、左様でございますねえ。人形は平仮名と片仮名、そして粗方の漢字も理解出来ますので、きちんと紙などに書いて教えれば問題ございません。壱号、聞いたかい?お嬢様のお名前は『滉月 櫻子』様だ」
若い男性が、今度は『滉月 櫻子』と書いた紙を人形に見せる。
「滉月、櫻子、様」
「そうだ。奥様とお嬢様のお顔とお名前を、しっかりと覚えるように」
「承知シマシタ。只今カラ、記録ヲ開始シマス」
人形はニ、三度瞬きをした後、メモ帳から櫻子と濱子に視線を移し、目蓋を大きく開けて「ジッ」と見つめる。
「あっ、お人形さんの目が大きくなったわ!」
「はい、お嬢様。人形が只今、奥様とお嬢様のお顔を記録中です。恐れ入りますが暫くそのままで、動かずにお願い致します」
櫻子と濱子は言われた通り、その場で動きを止めた。
カシャカシャカシャカシャカシャ……
小さな機械音が、人形の体内から聞こえてくる。
その状態が、一分ほど続いた。
機械音が消えると、人形は見開いていた目蓋を下ろした。
「奥様、お嬢様。どうぞお楽になさって下さい」
櫻子と濱子は体の力を抜いた。
人形は暫し、目を閉じたまま。
「記録、完了シマシタ」
次に目蓋を上げると、人形の目は通常の大きさに戻っていた。
「滉月、濱子、様。櫻子、様。此ノ度ハ、私、『女中〈童顔〉型・壱号』、ヲ、御購入頂キマシテ、誠ニ、有難ウ御座イマス」
人形は口を「パクパク」と動かしながら、言葉を発し続ける。
「誕生シタバカリノ、不束ナ、『カラクリ人形』、デハ御座イマスガ、ドウゾ宜シク、御願イ致シマス」
人形が言葉を終えると座ったまま、櫻子と濱子に対して一礼した。
「あらま、礼儀正しいお人形さんだこと」
「うふっ、どういたしまして。こちらこそ、どうぞよろしくね」
櫻子は、「ニッコリ」と人形に笑いかけた。
その時、外から車が敷地内に入ってくる音が聞こえてきた。
「あっ、お父様だわ!」
そう言うと、櫻子は居間を飛び出した。
「主人が帰って来ましたわ。少々、お待ちになって」
「はい、奥様」
男性二人が同時に返事をした後、濱子は静静と歩いて、居間を出て行った。
櫻子が小走りで玄関に向かう。
先に櫻子が玄関に到着し、姿勢良く立つ。後から来た濱子が櫻子の隣に並ぶと、「ガラガラ」と玄関の引き戸が開いた。
入ってきたのは山高帽を被った、スマートな紳士だった。
鼻の下には「逆『へ』の字型」に整えられた「カイゼル髭」を生やし、オーダーメイドで仕立てた厚手の高級コートを纏っている。
そばには紳士の鞄を抱えて、雪で濡れた傘を閉じている半纏に脚絆姿の年配男性が立っていた。
「お帰りなさい、お父様!」
櫻子が父親に抱きついた。
「ハッハッハッ。ただいま、櫻子!」
父親は満面の笑顔で、櫻子を抱き締める。
櫻子から体を離すと、今度は濱子の方に両手を伸ばして抱き締めた。
「あなた、お帰りなさい」
濱子が微笑み、夫に靴ベラを渡す。
紳士の名は「数仁」。濱子の夫であり、櫻子の父親である。
「ただいま、濱子。やあ、今日はまた一段と美しいじゃないか!」
「まあ、あなたったら」
「うんうん、顔色も良いようだ」
「お父様!今ね、研究所のおじさま方にお人形さんのことを色々と教えてもらっていたの!」
「おお、とうとう届いたか!」
数仁は靴を脱ぎ、玄関に上がる。
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